『エリジウム』 ELYSIUM 2013年・アメリカ
刀でドスで手裏剣で。
武器を背負う姿は弁慶で。
ファイナルファンタジーで言えば、ギルガメッシュだ。懐かしい。
任務も行動も、忍者な男が一人おり。
この隠密野郎のインパクトが強すぎて、主役の影が薄くなる。
妙~な桜的な梅的なもみじ的な木々と、ヘンな感じの花吹雪。
そんなにも日本が好きなのか。
嬉しいじゃないか。
と、本筋と違うポイントで浮かれて、踊りたい。
ツッコミどころも満載なれど、好きワールド。実に、好き。
地上は貧しく、宇宙に浮いたエリジウムに金持ちが暮らす近未来。
テーマは貧困だろう。
壮大な話のようで、実は地球の現状である。
壮大な話のようでいて、戦っているのは少人数。
ゆえに、悪役が際立つ構図。
主役のマット・デイモンは悪くない。
ただ、悪役忍者に食われている。気の毒だ。
その忍者、シャールト・コプリーのとてつもない訛り英語のインパクト。
さすが、『第9地区』での全セリフを即興でこなした男だ。
傑作 『オールドボーイ』ハリウッドリメイクの悪役も決定で、もう失禁。
ジョディ・フォスターの起用法は意外で面白い。
初恋相手のアリシー・ブラガは毅然としていて、ウィリアム・フィクトナーは『ローン・レンジャー』に続いての悪役で良い薬味。
快作 『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督、期待の2作目。
最初のシーンで、この監督だとわかる。
街のデザインや、機械・機器類の造形が、かなりツボ。
前作のテーマはアパルトヘイトと、社会問題が下敷きなのも相当なツボ。
登場する彼らはレジスタンスであって、テロリストとは違う。
放射線の取り扱いも、昨今のハリウッド映画では格段にマトモ。
SFであっても、価値観が堅実。
近未来の富と貧しさ。
戦闘も基本、個人×個人だからこそ増す迫力。
未来の機械に夢が膨らんだのも、久しぶりであった。
スクリーン
[関連作品]
マット・デイモン 『幸せへのキセキ』『コンテイジョン』
ジョディ・フォスター 『タクシードライバー』
アリシー・ブラガ 『プレデターズ』
ウィリアム・フィクトナー 『ローン・レンジャー』
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