「自然気胸」と診断されてからの二ヶ月間、
入退院を繰り返し、普段通りの生活ができるまでの
奮闘の日々をまとめました。

私自身、突然医師に聞き慣れない病名を言い渡され、
「不安」な気持ちと戦う毎日でした。
そんな不安を解消してくれたのは、

ネット上にあがった気胸患者の体験談でした。

私も気胸という病に出会い、戦った1人の人間として
体験談をブログという形に残す事で、
今後、同じような経験をされた方の、
少しでも心の支えになればと書き綴りました。

気胸と戦うには根気強い精神力が必要かと思います。
家族のため、周囲の人の為、共に戦いましょう!

※記載された内容はノンフィクションですが、
病院や担当医によって処置の仕方などは違ってくると思います。
又、私の考えで物事を表現している部分もありますので、
あくまで参考にしていただく程度でご覧頂ければ幸いです。

~病での学び~ その1


~病での学び~ その2



☆胸腔ドレナージ その1 ▶ 6.21 金 「貫通…」

胸腔ドレナージ その2 ▶ 7.12 金 「決戦の火ぶた…」

☆気胸 胸腔鏡手術 その1 ▶ 7.3 水 「手術当日」

☆気胸 胸腔鏡手術 その2
 ▶ 7.19 金 「悪夢再び…(後編)」




5.25 土 体調不良からの…

5.27 月 「病名:自然気胸」

5.30 木 「再診は良好」

6.3 月 「仕事復帰?」

6.4 火 「まちにまった日」

6.5 水 「悪化…」

6.6 木 「ラジオ収録」

6.19 水 「転機のとき…」

6.20 木 「ついに…」

6.21 金 「貫通…」

6.22 「 痛み < 不安 」

6.23 日 「相棒」

6.25 火 「クランプテスト」

6.27 木 「復活!?」

6.28 金「へこんだ日」

6.29 土 「検査づくし」

7.1 月 「準備段階」

7.2 火 「手術前日」

7.3 水 「手術当日」

7.4 木 「手術翌日」

7.5 金 『退院 ?!』

7.6 土 「患者のキモチ…」

7.8 月 「出戻り…」

7.9 火 「祝?!退院」

7.12 金 「決戦の火ぶた…」

7.13 土 「3連休スタート」

7.14 日 「お引っ越し」

7.17 水 「キセキ」

7.18 木 「クランプテスト」

7.19 金 「悪夢再び…(前偏)」

7.19 金 「悪夢再び…(後編)」

7.20 土 「二度目の願い…」

7.21 日 「何回目?クランプテスト」

7.22 月 「普通の人」

7.23 火 「3度目の正直」



そして二人目の出会いは…

二度目の手術の時に大部屋の向かい側に入院されていた60代の男性

偶然にも同じ部屋になり、偶然にも話にも花が咲き
出会うことになった人生の大先輩が、
手術直前に私に贈ってくれた言葉


「人間ってのは弱さを知らないと強くなれないんだよ!

だから辛いだろうけど頑張りなさい!」


人は、弱い部分を経験しないとその気持ちは分かり知れない、
だからそれを病気と闘う事で経験できた事は
今後必ず活かされるし、強くなれる。


そういって私を手術室に向かう私の背中を押してくれました。


今回の休養に意味があるならば、
人間の弱さを知るという経験は非常大きい収穫でした。


私自身、入院どころか病院すら無縁の健康体で
32年間を過ごして来たため、
人間の弱さをこれほどまでに感じた事はありませんでした。


いつ、誰が、どこで苦しんでいるのか?
それを気づいてあげるのは非常に難しい事だけど、

それに気づいてあげられる人間になりたいと思いました。


人間が1人では生きていけない事を学んだ二ヶ月。

私にとっては本当に意味のある時間であり、
掛け買いのない時間でもありました。



いつも支えてくれる家族はもちろん、
友人や、知人、全ての人に感謝します。

人間は1人じゃありません!
どんな人でも必ず人は支え合って生きてます。


支えてくれる人の為にも前向きに頑張りましょう!
そして乗り越えたらその乗り越えた経験を活かしましょう!

乗り越えたあなたは、
きっと強くなれてるはずだから…
最後に、私がこの病気になって出会った
2人の方のエピソードを書きたいと思います。


まず一人目は、二回も私の手術に執刀してくれたドクター。

ブログをよんでいただくとお分かりになるかと思いますが、
「気胸」とは完治するまで非常に根気のいる病で、
私の様に治療に長引いてしまうと
治るまでに気が滅入ってしまう方も多いそうです。


実際私も、1回目の手術をして再発した時は、
家族への負担、同僚への負担など
申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになり、
気落ちし、治療するのが嫌になってしまう位に
落ち込んだ事がありました。

そんな感情を察知したのか、
ドクターは必ずと言っていい程
私に会う度言っていた言葉がありました。


「気胸は治らない病気じゃないですから…」



最初のうちは聞き流していたのですが、
後々ドクターが普段、癌患者を相手にしている事を知り、
その言葉の重さを感じました。

私も実の母親を癌で亡くしている事もあり、
癌という病の恐ろしさは熟知していました。


「治らない病気じゃないから」
という一言につめられたドクターの想い。


たとえ患者が「末期」だとしても戦う姿を
応援し、笑顔で支えていかなくちゃいけない立場。
そんな思いを日々味わうドクターにとって、
患者を完治して送り出した時の笑顔は格別だと思います。


私はこの一言に詰まったドクターの想いを知り、
治療していく上で大きな励みになりました。


恐らくこのブログを読んでいただいた方の中でも、
辛い想いなどを抱えている方がいるかと思います。

そんな方にこの言葉を伝えたい。


「気胸は治らない病気じゃない!」

だから、たとえ時間がかかろうとも

諦めずに最後までしっかり戦い抜いてください!

必ず元気になる日が来ます!!


今日のレントゲンで退院が決まる朝。
心なしか肺が痛む
熱は37.5℃
自己判断では退院できるのが非常に微妙な路線だ…。

8:45 レントゲン
朝一でレントゲン室へ呼ばれる。


10:00 報告
退院の許可は担当医からもらうのかと思いきや、
看護師が病室に現れ
「退院してください!」と告げにきた。

「先生は?」と聞くと
「外来に出てしまったので来ない」のこと。

「微熱が続いている」

「肺が時折痛む」

「傷口」

聞きたい事は沢山あった。

とりあえず看護師にぶつけてみる…
「先生が大丈夫との事なので、
余程辛いときはご連絡ください。」

と、少々無責任な反応に
不安を残しながらも退院となった

こうして全治一週間と診断された私の
自然気胸との戦い
最終的には二ヶ月という長い長い闘病生活となったものの
終止符を打つ事になった。


入院したときは感じなかった

肌にまとわりつくような湿気が

退院した私を出迎えてくれた…



退院して1週間がすぎた今日、
外来で再診。
レントゲンの結果、
肺に異常がなく経過は良好。
抜糸をして、ようやく安心できた。



《完》

6:00 起床
息苦しさや肺の痛みも特になく変化はない。
今日のレントゲンで管抜きが決まる。


9:00 レントゲン

9:45 担当医回診
現れた手元には管を抜く準備が!

「結果いいので抜きましょう!」

またまた展開フェチな彼…

その場で管抜きの処置が始まる。


流石に3回目となると
説明は
「もうわかってると思うけど…」
って言われる(;´Д`)


10:05 レントゲン

この写真と、明日とった写真に変化がなければ
退院!



数週間「管」が刺さりっぱなしの生活だった為、
いつも吸引機と共に生活していた日々ともおさらば。

脇の下に穴があいているものの、
ようやく普通の人になった。


傷口には防水シートが貼ってあるので、
シャワーを浴びる。

気胸患者にとって、痛みと共にいのは
風呂に入れない事。

恐る恐るながらに全身を洗い流し、
気持ちリフレッシュ

このまま肺が縮まらなければいいのだが...


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《ワンポイントアドバイス》
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この時の私の様に、
入院中に経過をみるというパターンがあるかと思います。
そんな場合、可能な範囲内で
普通の生活を試しておいた方がいいと思います。

気胸患者が最も恐れるのは「再発」
なので、万が一 「再発してしまったら…」と考ると、
トイレに行く事すら億劫になりがちですが、

最低限度の生活ができなければ、
日常生活もできなければ退院もできません。

所詮その程度で再発してしまう場合は
その程度の治癒レベルである事。

どうせ再発するなら病院にいるうちに気づいて治すべき。
というのが私の経験上学んだ事です。

※無理は禁物です。あくまで範囲内で

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手術の疲れ寝不足から昨夜は爆睡
汗もかいた事もあり朝の回診では熱も下がっていた。

明日クランプテストをして
管が抜ければ、明後日には退院も見えてきた。
もう一超え 頑張ろう!

9:00 担当医回診
日曜日ながらに出勤してきた事に驚いたが、
術後の経過をみて、クランプテストを1日早め
今日の夕方から開始するとの事。

「今のところ落ち着いているから
恐らく大丈夫だと思うので、
明日レントゲン撮ってみて、
良ければ管を抜抜こう!」


一歩前進!


そして迎えたクランプテスト
17:00 クランプテスト開始
前回同様吸引機のホースをはさみのようなで塞ぐ。
もう何度目になるのか、
栓をされる事にトラウマになっているようで、
苦しくもないのにビビる私。

明日のレントゲンで全てが決まる。
浅い眠りについては、
「痛み」に起こされるという
寝不足気味の朝を迎えた。

脇下からつながった吸引機には
真っ赤な血が流れ出ているものの
気泡の陰はない。


6:30 看護師回診
朝の回診で、血栓予防にあてていた足の機械を取る。
微熱があるせいか、頭はぼーっとしている。
吐き気や痛みも和らぎ、前回ほどの苦痛はない。

7:45 
朝食を前に「尿管」を抜き、「心電図」や、
「酸素計」などを外してもらい、身動きが取れる状態に。

8:00
体が思うように動かないまま朝食をとる。

8:45 レントゲン
通常ならレントゲン室まで出向くのだが、
手術の後はレントゲン技師さんが撮りにきてくれる。


11:00 担当医回診
手術の結果
空気が漏れている穴は
見つからなかった
との事。

通常なら、肺の上部に穴ができる事がほとんどだが、
私の場合はいの下部に怪しい箇所を見つけ処置をしたとの事。

術後に吸引機から気泡が出ていたため
心配していたとのこと。

やるだけの事はやったので、
もしコレで穴が塞がっていなかったとしてももう手術仕様がない。
万が一塞がらなかった場合は、
胸膜癒着術
といって、化学熱傷をわざと起こし癒着させる処置をとるとの事。
この処置にはリスクも多いだそうで、できる限りさけたい。

前回は手術翌日に管を抜いたが、
今回はとりあえず数日様子をみることになった。

なんとも気持ちの悪い報告だ。

しかしながら、嫁の話によると
手術予定時間1時間前後と言われていたところ
3時間近くやっていただいたようで、
本当に入念に穴を探してくれたようだ。

塞がっている事に願いを込める。

朝から、3・4本点滴を打ち続け、
夕方抗生剤を打って終わり。針を抜く。


あとは、脇下の吸引機が抜ければ退院
ようやく出口が見えてきた。


術後は治癒に力を使うのか睡魔に襲われる。
早々と就寝。
前編よりつづき)

手術室に入るなり担当の看護師さんに…
「あれ?!」
と気づかれる…
それもそのはず、今月頭に同じ内容で手術をしているのだから…

前回は、見慣れぬ光景に緊張のはしった手術室も
見慣れた光景
全くと言っていい程同じ流れをふまえて麻酔に眠る。

今回も夢をみていたようだ…
遠くから名前を呼ばれ、目が覚めた。

起きた途端、全身が ガ ク ガ ク 震えるほどの
寒気に襲われた。
血清のせいなのか吐き気がひどい。
ひどい痛みが全身をはしる。

麻酔も残っている為分けもわからないままに病室へと運ばれ、
み止めを流してもらう。
痛み止めで落ち着き眠りに落ちる。

そこから1.2時間寝たり起きたりしながら、
20時をまわった頃、麻酔が落ち着いてきた。

しかし今までに味わった事のないようなムカムカ感
体内に広がり「吐き気」をもよおす。

を吸引しに、機械をもって看護師が現れるが、
今にも吐いてしまいそうで、拒否
案の定、その二時間後には痰が切れず、痰との格闘になる。

今回は吐き気から酸素マスクを外していた為か、そんなに喉が乾かなかった。

浅い眠りに落ちては、痛みですぐ起きる。
それを繰り返し、3時になった頃…
ようやくムカムカ感はなくなり、吐き気はなくなっていた。

同じ体勢で寝ていた為か、腰が痛く眠れない。
このとき改めて自分の体を見回してみると、
胴体には胸帯、ふんどしをはかされ、
足には血栓予防のマッサージ機がついていた。

手術の結果はどうなのか?
穴はしっかり塞がったいるのか、
気になりながら長い夜を過ごす…
入院から一週間がたち、運命の日

クランプテスト結果次第で
オペの可能性もある為、
朝から食事はなし
今回は、下剤や睡眠薬もなし。
水も特に多くとらなければ良いとのこと。
前例が記録されているのか、今回はかなりゆるい


朝の段階では気泡も出ていない為、何とも言えない状況。

7:00 クランプテスト開始

9:00 レントゲン
若干の息苦しさあり。
大きく息を吸えない状況。


10:30 担当医 回診
昨日のクランプテストの結果
及び今のレントゲン結果から
やはり手術しておいた方がいいとのこと。
「手術決定」

11:00 家族と共に手術説明
今回の手術は、ほとんど前回と同様であり、
原因となる穴を探しだしシートを貼付ける。

疑われるのは、前回貼付けたシートの脇からの漏れ。
もしくは他のところにブラができたと考えられる。

ほとんどが肺の上の部分にできるため、
もし穴が見つからない場合は、肺上部を広範囲で覆う。

前回と違うのは、貼付けに使う薬品が
前回ブドウ糖を使用したが、
今回は血清を使い、
シートも前回よりしっかりしたものを使うとのこと。

願いを担当医に託し、同意書にサイン。

急展開ながら午後1時から手術となった。

病室に戻り、前回同様血栓予防のタイツを履き、術着に着替える。
それと同時に点滴開始。
流石に二回目ともなると気持ちに余裕ができる。
腹が減った。

執刀は13:45に決まり、40分に病室を出る。
今回も点滴と吸引機を引きづりながら自力で向かう。

後編に続く…
日はクランプテストの日
今日~明日にかけて栓を封じ漏れがなければ手術は間逃れる。

5時起床
かろうじて空気漏れは未だない。

「トイレ」

「歯磨き」

「洗顔」


何をするにも吸引機を確認してしまう…


朝食を食べる…




" ブクブクブク… "



「!   !  !」



最大の敵「気泡」が現れた。
手術予定前日、クランプテストの朝に絶望的な登場である。


内心かなりんだが、
「もしかするとまた塞がるかも…」
というわずかばかりの希望を胸に、
いつも通りの生活を送る。



今日は嫁が来てくれるので、洗髪を頼んだ。

現在、管が入っているため、シャワーを浴びることができない。

そのため、洗面所で洗髪し、風呂場で下半身のみを洗う

中途半端なリフレッシュだが、かなり気持ちがいい。


風呂から上がり落ち着いた頃、ついに…

15:00 クランプテスト開始

気泡が出てたので心配もあるが挑戦

18:00 夕食
いつも通り夕食を食べ終えた頃からだろうか、
徐々に肺の痛みと息苦しさがやってきた

それから数分単位で悪化していくのが感じられた。

18:30 ナースコール
息苦しさと肺の痛みを訴える。

18:35 クランプテスト中断

再手術を確信した瞬間だった。


とりあえずまた明日の7時から再開してレントゲンを撮るとのこと。

一気に栓を外して息苦しさから解放される。

このときすでに吸引機がないと生活できなくなくなっていた。