(前回ブログの続き)
小坂鉄道レールパーク
(秋田県鹿角郡小坂町)
廃止になった小坂鉄道の広大な小坂駅構内に残る駅舎、線路、車両、その他施設をまるごと活用したミュージアム。
「観る」「学ぶ」「体験する」をコンセプトにしたレール遊びの複合施設。
トロッコ、レールバイクの乗車体験、ディーゼル機関車の運転体験などが出来るほか、
元JR24系個室寝台車両に宿泊できる「ブルートレインあけぼの」も営業。
(※雪深い地のため冬季は休業)
小坂機関車庫
小坂機関車庫も、国の登録有形文化財に指定
この日は、「小坂・鉄道まつり2017」イベント日のため、機関車庫(体験館)見学ツアーも実施(11時・14時の2回)
DD132形ディーゼル機関車
DD130形ディーゼル機関車は、新黒鉱鉱床の発見などによる鉱山鉄道としての輸送力増強を目的として、同和鉱業株式会社の発注により新造。
国鉄等で使用されたDD13形式とほぼ同型ですが、一般的なDD13は入換え運転用に運転台が横向き一カ所であるのに対して、小坂鉄道のDD130形式は、本線で運転されるため正面向きの運転台が前後に設置。
また、硫酸を積んだタンク車など多くの貨車を引き急勾配を駆け上る必要があることから、先頭の機関車の運転士が後ろの機関車を制御することができる重連総括制御の機能を持ち備えています。
1両に2基搭載された排気量31,000㏄の大きなエンジン音を響かせ、長大タンク車を牽引するDD130形機関車三重連の勇姿は有名でした。
しかし、2008年(平成20年)4月の小坂鉄道営業休止、そして翌2009年(平成21年)4月の廃止とともに、40年以上にも及ぶ使命を終えました。
現在は、小坂鉄道レールパークで行われるディーゼル機関車運転体験の主役としても活躍。
このDD132は、1967年(昭和42年)、汽車製造会社にて製造
大きなDD130形ディーゼル機関車(左)と、
小さなエボルタ電池鉄道車両(右)
エボルタ電車(エボルタ電池鉄道)🔋
2014年(平成26年)に「廃線1日復活チャレンジ」として、旧小坂鉄道約8.5kmを乾電池のパワーだけで走行。
「エボルタ電池鉄道」とは架空の鉄道会社の名称。これはパナソニックによって行われる「エボルタチャレンジ2014」というイベントのために設けられた鉄道会社。
アルカリ乾電池を動力とし、乾電池で走る専用車両も製造。招待された地元の子供を乗せて走りました。
同年11月2日午後12時45分、定員10人を含む総重量約1トンの特殊段ボール製でエボルタ単1型乾電池99本🔋で動く電車が秋田県大館市の旧小坂鉄道・雪沢温泉駅付近を発車。
電車はパナソニックと秋田県立大学が共同開発し、電車そのものの重量は約400kg。
途中4か所に停車し、地元小学生を乗せ時速6km/hで走行。約2時間後に約8.5km先の旧小坂鉄道・御成町踏切に到着。
そのときの車両が、今はここで静かに保存
車内はロングシート
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ちなみに、
翌年2015年(平成27年)には、パナソニックの乾電池「エボルタ」のハイパワーと長持ち性能を実証する実験「エボルタチャレンジ 2015」が、秋田県の由利高原鉄道・鳥海山ろく線にて実施。
このときは、埼玉県立川越工業高等学校電気科「電車班」の高校生が製作した車両が前郷~矢島間を往復。単1形「エボルタ」乾電池600本を動力とし走行。
「エボルタチャレンジ」はパナソニック乾電池「エボルタ」が発売された2008年(平成20年)以降、毎年実施。
2014年(平成26年)に旧小坂鉄道廃線(秋田県)にて、オリジナル車両による初の有人走行に成功。
2015年(平成27年)に「世界最長距離 鉄道走行チャレンジ」として、「エボルタ」電池を動力源とする鉄道車両によるギネス世界記録(乾電池で走る車両が線路上を走行した最長距離)への挑戦が行われました。
同車両は同年11月3日午後12時32分、スタート地点の前郷駅を発車。由利高原鉄道鳥海山ろく線前郷~矢島間を往復し、同路線の一般営業開始(同日15時50分頃)より前にゴールする必要があったそうです。往路は約1時間半かけて走行。13時57分頃、折返し地点の矢島駅に到着し、復路も順調に走行を続け、14時59分頃、ギネス世界記録の最低距離となる20km地点を通過。前郷駅には15時19分に到着。
総走行距離は22.615kmで、ギネス世界記録を達成。
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保存車輌の整備や保管を目的とする機関車庫
(続く)