清家清さんの貨車、引越し物語〈その1〉 | わくわく海賊団

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 大田区東雪谷、

 高級住宅街のなかを歩いていると

 それは突然あらわれました。

 

 大きな大きな、貨車です。

 

 閑静な住宅街に

 およそ似つかわしくない

 その大きな大きな貨車は、

 ぼくの興味を猛烈に誘いました。

 

 そんなぼくの様子をみて、

 貨車について教えてくださったのが

 その家の奥様、清家京子さんです。

 

 この貨車(ワフ29603)は、

 1985年(昭和60年)

 国鉄がJRに民営化された際、

 先代の清家清さんが購入されたもので

 以来31年間、ご家族はもちろん、

 地域の方々にも親しまれながら

 大切に保管されてきた貨車でした。

 

 しかし、経年による

 老朽化が目立つようになり、

 大切な貨車だからこそ

 このままではいけないと

 対策を考えていたんだそうです。

 

 ただ、31年前に、

 貨車がこの地に来たときとは

 状況がちがっていました。

 

 電線は立ち、お庭の植木も

 それは立派に育っております。

 移動させることも、むずかしい。

 解体しか方法はないかもしれない…。

 

 その日、はじめて見たその貨車が、

 じぶんと〈ほぼ同い年〉だったことに

 感情移入したのかは分からないけれど

 なんとか解体以外の道がないものかと

 じぶん勝手に考えていました。

 

 そんな想いを、

 これまたじぶん勝手に

 ブログに綴ってみました。

 

住宅街に貨車!?

 30年の思い出をのせた貨車が

 解体の危機!! 

 

 すると、びっくりするほど

 たくさんの方から連絡がきました。

 

「興味がある」

「譲ってほしい」

「保存会には連絡したか?」

「◯◯は試してみましたか?」

「△△という方法もありますよ」

 

 可能性はあるかもしれない。

 

 いちど奥様にご相談してみよう。

 ぼくは、ふたたび東雪谷へ。

 

 そこから話は

 とんとん拍子に進みます。

 

 アチハ株式会社(大阪)さまから

 蒸気機関車の動態復元を通じて

 ローカル鉄道や地方を活性化させる

 プロジェクトに活用させて欲しいと

 依頼があったんだそうです。

 

 な、な、なんと、

 この貨車が走るかもしれない!!

 

 そして、ついに、

 世紀の大規模な引越しが

 はじまります!!

 

 夜中、ご自宅前の道を封鎖し、

 クレーン車とトレーラーを駆使して

 住宅街から貨車を移動させます。

 

 先日、その大規模な引越しに

 立ち会わせていただきに、

 東雪谷まで行ってきました。

 

 自重10,4tの貨車を、

 クレーンで吊り上げるわけですが、

 立派な木と、電線にあたらないように

 いったいどうやって運び出すのか…。

 

▼電線、見えますか?

 

 

▼木もギリギリまで…

 

 

 大切な貨車を、

 はたして無事に運び出せるのか?

 全3回でお伝えしようと思います。

 

 今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。

 

 アチハ株式会社さまは、

 日本でも二本の指に入る

「運び屋」なんだそうです。

 その仕事は、もう芸術でした…。

 

(つづきます)

 

清家清さんの貨車、引越し物語〈1〉

清家清さんの貨車、引越し物語〈2〉

清家清さんの貨車、引越し物語〈3〉

 

〔 追記 〕

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