こっちの下絵が好き…なのはナゼ?<提供できることは何か 2> | 手が知っている異界の彩~絵師・緋呂 展示館~

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神・仏・天使。そして、「あなた」の光を、緋呂が描きます。陰陽併せ持つ「人間」の中に、すべては在る。
描くべきもの、進むべき道。すべては、手が知っています。

下絵やお手本を使う…ということの、その2です。

今回は、「好きなお手本」ということについて。



これは、私も最近までハッキリと概念になかったことなのですが。

一口に「この絵のような感じにしたい」と言っても…さて。
あなたは、その絵の、「どこを指して」いますか?


色彩?
ぼかしの雰囲気?
人物の顔カタチ?
陰影の付け方?
構図の取り方?



お手持ちの、AとBという別々の画家の絵を並べて、「どっちもいいのよねえ~」と見比べた後、
「Bのような絵が描きたい」
とおっしゃった方がいらっしゃいました。

しかし、進め始めたら、なんか…ヘン。
私の嗅覚には、どうもこれは違うぞ…というサインばかりが届くのです。

よくよく話をうかがうと…実は人物そのものの絵も雰囲気も顔の表情もAが好き…と思ってらっしゃることがわかりました。

なぜ、最初に「Bを」とおっしゃったのか。


それは、ぱっと見て印象に残った「背景の色彩」が、AよりBが好みだった…から。

全体の印象を決めた、広範囲に使われている色が、Bの方を「こういう感じに」と思わせた理由です。


だから、線画としてBの絵を取り出すと、違和感になる。

だって、線画は明らかに好みなのはAなのですから。



そこに気がつかずに、Bの絵を見てそれを模写したとしても、満足感はあまり、高まらないように思います。
そんなに好きではないタッチで描かれた人物を、けっこう苦労しながら描くことになり…。
「なんだかなあ…」です。


そういう「切り分け」も、もしかしたら私がお手伝いできる部分かな、と思います。 

地道な筋トレみたいなことは、ちょっとでも楽しくしないと続かないからね。




私…今はモデルさんとか資料とか、ほぼ一切使わないで超テキトーに描いてるのですが~。
(こらこら…)


昔、高校生の頃、動きのある人物を描けるようになるために、なかなか気合いの入った練習をしてた時期がありました。
一日、二日で落書き帳一冊使い切るペースでした。



何をしたか、というと。

自分が「この動きが好き」と思ったアニメーションの絵を、コマ送りで一コマずつ模写しました。

その頃、まだ家庭用ビデオデッキは高価な家電でねえ。
私は親にあまりおねだりしたことがない(できない)子でしたが、この時だけはどうしても、コマ送りができるものを買ってもらえるよう、粘りました。

ある時は切り出した人物の止め絵を一枚の紙に大きく、何枚も描く。
ある時は、一枚の紙の中に連続した動きをずらーっと、描いていく。

その時、手に描画の仕方をたたき込んだので、今も、あまり苦労なく人間は描けます。
足先から頭頂までのつながり方を、なんとなくでも、手が知ってますから。
(その代わりに、絵柄がコミックタッチを脱することが出来ないという別の葛藤も生まれてますけどね…)


学校の授業でやるデッサンは、もう、あまりに長丁場過ぎて飽きてしまって、全然進まないうちに終了→時々落第点…というのが常でしたけども(笑)
自分が「これ」と思ってしたことは、ちゃんと、身についてます。

17年ほど、全く描かない時期があったけど…それでも、忘れ去ってはいないから手はエライです。




人間のモデルを見てきちんとデッサンすることも大事だけども。
私がやったこの「動きが好きなアニメのコマ送り模写」が、結果として非常に良かったことがあります。

それは、

「動きをダイナミックに見せるための、瞬間的な、極端なデフォルメ」

を覚えた…ってこと。

これを文章で書くのは難しいんで、興味がある人は、一度、やってみるといいと思います。

今はDVDなど、画像の質が良く、静止させるのもスローも自在なツールがあるので、昔みたいにテープが伸びるのに冷や冷やしながらトライし続けなくてもいいですもん~(^^)


実写の映画をコマ送りするのも勉強になりますが、より極端に動きを見せるアニメのコマ送りは、オススメです。


ちょっとマニアックな領域に入りますが、好きな作画監督さんとかの回を特に選んで…とか(笑)

この回は動きがいいな、と思った回と、なんだなかあ…と思った回を比較してみる…とか(笑)

絵描きならでは…の「アニメの楽しみ方」ってのも、奥深いんですよ~んwww





話が逸れちゃったけど…。
こういうことは、実際に描きながら、「この時はね~」みたいに、リアルタイムで話をした方が、格段に腑に落ちます。

だから、習う習わないは別として、お絵描き道具と一緒に遊びに来ていただけると嬉しいです。


鳴意夢庵サイトのスケジュールページを見ていただいて、空欄になってる日で、ご来庵希望の日があれば、お問い合わせください。

空欄になっててもNGな時もありますが、できるだけお会いできるよう都合つけたいと思います。



ワークショップや講座については、また追々、内容を考えてお知らせします。

「羽と光のワークショップ」は、いつでも開催可能です。

人物画講座は、ほぼお客様に合わせたオーダーメイドになりますので、これも、いつでも開催可能です。

どちらも、だいたい3時間でお一人様5000円です。
時間内に、私が見本用に描いたものは全てお持ち帰りいただけます。



もちろん、普段インストラクターをされている方にも、ご自身に取り入れてみたい要素がここにある時は、お越しいただければと思います。

どういう流派にも属してないので、何でもアリです(笑)

私がお伝えしたことは、ご自身のレッスンに使ってもらって全然構いません。
私には、独自に編み出した自分の秘技のようなものはほぼ存在しないので、全部、オープンです。
自分で工夫した技法は、あるにはあるけど、それを守ることに意味を感じないです。

そんなことよりも、自由に使ってもらって更に別の方法を編み出してもらったら、そっちの方が嬉しいですね。




今までの内容は、「ワークショップ」をご覧くださいませ。
 →★ワークショップ
※護符作りWSは現在開催しておりません。ごめんなさい。