私立大学獣医学部/獣医学科(5)(9月6日)では、主として獣医系私立大学の敷地、建物について書きました。昨日の今治市議会特別委員会での加計学園傘下の岡山理科大学獣医学部(仮称)については、まだまだ議論が不足しています。大学で最も重要なのは「教育の質」です。また、「ハード」よりも、やはり「ソフト」が一番、重要です。その観点で今回は、大学の研修制度について少し触れます

 

世界の獣医系大学について、高価な動物用診療機器について(3)(9月3日)で、世界で最も高い評価の得られているUCデイビス校をはじめ、世界の8大学について書きました。エジンバラ大学は第8位ですが、英国では伝統的に、「馬科」(Equine)は独立しています。

 

エジンバラ大学は学費が£13,300 ~ £17,500で私立の獣医系大学並みです。麻布大学には、【学術交流準協定校】としてエディンバラ大学があります(※ the University of Edinburgh の di は日本語で、「ジ」、「ディ」、「ヂ」の3通りの表記があります)。馬術が体育教科に組み込まれているようですし、「馬科」に強い大学なのでしょう。

 

ざっと、国公私立大学のHPを見ましたが、各大学とも短期研修制度があります。獣医系大学はいずれも、旧帝大、早慶、関関同立並みの難易度なので、優秀な学生を惹きつけるには不可欠なことです。また、各大学とも、国内外の学術研究機関との連携だけでなく、地元に住む畜産関係者、住民との交流があります。

 

一般に大学教員については、必ずしも博士号の学位は必要ありませんが、獣医系大学では、獣医学博士、医学博士、理学博士などの学位は必須でしょう(要確認)。学位は、よく「足の米粒」に例えられます。「取らないと食えない。取っても食えない」の意味ですが、医、理工系の大学では、教員の公募採用で、100名ぐらいの応募があって、研究業績がなければ、書類審査の段階で「ボツ」になります。

 

(あと書き)

私は、公開されている資料を基にブログを書きます。いつも書いていますが、個人投資家の視点では、岡山理科大学獣医学部(仮称)は格付けでは、ジャンク債か低品位株です

 

私には、まだまだ、岡山理科大学獣医学部(仮称)は「絵のない額縁」状態です。昨日の今治市議会で、朧(おぼろ)げながら、スケッチらしいものがあったようですが、「作品」は何時、完成するのでしょうか?9月末に再提出するようですが、8月上旬までに「ダメ出し」が出ているので、普通は1ヶ月以内に書類を整えて再提出なのかなあと思います。「石破4条件」をクリアしたので、余裕で「設置認可」のはずが、「私は東京大学よりも優秀だ」と言っていて、実は中学卒程度の「できるできる詐欺」だったのでしょうか?イソップ物語の「カエルと牛」を思い出します。『お父さんは牛よりも大きい』と自慢していた姿が重なって見えます。公務員獣医師が足りないということで、既存のどの大学でもできる教育内容で、50名前後の入学定員で認めるのでしょうか?まさか、余剰気味とされる「ペット獣医」を養成するのではないと思うのですが???

(50名でも多いぐらいです。第一期生は「ゼロ」からのスタートです。「大学に入ったはいいけれど…」で「就職無理学部」では困ります。また、学生のレベルを揃える必要があります。be動詞から授業で教えるのであれば、時間の無駄です)

 

(あと書き、2)

私立の獣医系大学5校を目指す受験予備校が東京と大阪にあるようです。流石に、10月末まで、「認可」されるのかどうか分からない以前に、具体的な内容が分からなければ、受験生に勧めるとは思えません。通常、「アドミッション・ポリシー」(運営方針)、「シラバス」(教育内容)、「ディプロマ・ポリシー」(分かりやすく言えば、進級の目安)の3点セットがあって、その基礎となる教員構成、施設概要や各種研修制度がないと、志願者も???でしょう。

 

(2018年7月18日追記)
私立大学の経営状況はブラックボックスです。端的に言えば、4大監査法人までは言いませんが、ちゃんとした監査法人の監査報告が全部、出ているか疑問に思っています。

獣医学部については、昨年度に購入されるべき図書が納入されていないような記事があります。どうなんでしょうか?

 

(過去のブログ記事)

私立大学獣医学部/獣医学科(5)(9月6日)

私立大学獣医学部/獣医学科(4)(9月4日)

私立大学獣医学部/獣医学科(3)(9月3日)

私立大学獣医学部/獣医学科(2)(9月2日)

私立大学獣医学部/獣医学科(1)(9月2日)

 

大学のデューディリジェンス(6)(9月2日)

ほか