「von」だけじゃない!受動態とよく出てくる前置詞の使い分け 【das Passiv】 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

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ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Guten Abend (Tag)!


昨日は、能動態だけで使う動詞についてお話しました。

受動態が存在しない動詞があるんです。【das Passiv】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11759330578.html


今日の本題に入る前に、
Sakuraの音読をしてくださいね。

【Lektion 11-2】 Was wird gekockt?
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11755145814.html




実は、この話は、本文からは意図的に消していたのですが、
ドイツ語の文法書の多くを見ていると、こんな表記がよく見られます。

「受動態」では、行為をする「人」を「von+与格(Dat.3格)」で表す。

そして、それが「~によって」とよく訳されていたりするのですが…

ドイツ語のニュアンスからしたら、ちょっとおかしな説明なんですね。


そもそも、「受動態」に「行為をした人」が登場する必要は必ずしもないのです。
それは、以前にお話したとおりです。

「受動態」=「~される」という感覚はちょっと違います 【das Passiv】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11750229408.html


このことを強調するのは何故かと言うと、
「von+与格(Dat.3格)」以外にも、受動態でよく現れる前置詞があるからです。

自動的に、「von」との組み合わせになる訳ではないのです。

そして、「von+与格(Dat.3格)」が必ず出てくるわけではない以上、
場面ごとで前置詞を使い分けられた方が、表現の幅が広くなります。

「von」以外には、「mit」「aus」「durch」あたりが出てくると思いますので、
前置詞の復習だと思って読み進めて下さいね。



1:「von+与格(Dat.3格)」

Diese Druckpresse wurde von einem Deutschen erfunden.
Polonium wurde von einer Polin entdeckt.


世界の偉人たちの話で出てきそうな文ですが…

「von」の発想は、元々「起点」を表すものです。

「von」+「行為をした者・物」という形で出てきます。

日本語としては不自然ですが、直訳すると、
「(こういう人物)から、こういう行為がなされた。」
という意味合いなんですね。

これが、教科書などでよく出てくる表現です。




2:「mit+与格(Dat.3格)」

Diese Hemden müssen mit dem heißen Wasser gewaschen werden.

「mit」の発想は、元々「一緒」という意味合いです。

この「mit」が出てきた時の意味合いですが
「(~)と一緒に、こういう行為がなされる」
という意味合いなんですね。

よく使われるのは、「道具」や「方法」を表すときです。

例えば、料理なんかしていて…

Fisch soll mit diesem Messer geschnitten werden.

日本だと「包丁」に種類がありますから、こんなことを言ったりしますね。
この文では、「包丁」が切る行為のなかで一緒に使われていますよね。


他にも…

Sushi soll traditionell mit der Hand gegessen werden.

これも手段として、「手」が食べる行為で使われているという意味合いになりますよね。




3:「aus+与格(Dat.3格)」

Dieses Bier ist aus Weizen gebraut worden.
Dieses Brot ist aus Roggen gebacken worden.
Diese Häuser sind aus Holz gebaut.



「aus」は、本来は「外へ」という意味合いですが…

その意味が転じて、
「材料」を表すことがあるんですね。
この場合、冠詞はつかないことが多いです。

「材料が別のものになってしまう」ようなことを表現することが多いですね。

念のため…
「(der) Weizen」=小麦
「(der) Roggen」=ライ麦
のことです。



4:「durch+与格(Dat.3格)」

Das Penicillin wurde durch Zufall von einem Brite entdeckt.


「durch」は、「貫通する様子」を表す前置詞ですが…

それが転じて、ある行為に一貫している「原因」を指すこともあります。

「von」か「durch」か、よく迷う人がいます。
というのは、「~によって」という日本語につられてしまうからなんです。

注意して欲しいのが、
「von」は、「行為をする人・物」を指しているのに対して、
「durch」は、「原因」を指している訳なのです。


だから、もし仮に
「von」か「durch」か迷うようなケースは、
前置詞の後に続く名詞を主語にして、能動態の文を立てられるのか試してみてください。

立てられれば、「von」を使えるケースです。

上の例文だと、「Ein Briete」を主語にして、能動態の文を作ることができますよね。


ただ、「von」か「durch」か迷う場合に、両方取れるケースもあるんですね。
その場合は、単に言う人の意識の問題だと思います。

その場合は、「von」でも構いません。
「原因」であることを示したかったら、「durch」を使った方がいいと思います。



もっとも、「durch Zufall」自体は、「偶然に」という意味合いでよく使われますが。



これらの前置詞を使えるようになってくると、
「受動態」でも表現の幅が広がってきます。

参考までに。

今日はこれにて。

明日は…
「海苔」をドイツ語で言えますか? 【Partizip+名詞】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11760731192.html



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