スペシャルID 特殊身分(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

スペシャルID 特殊身分(ネタバレ)

唐突ですが、当ブログではお馴染みの「藤巻十三を股まで濡らして待っていた松尾象山」の画像を貼っておきますね(「餓狼伝」第4巻より)。
股まで濡らした松尾象山


「スペシャルID 特殊身分」の公開をずっと待っていました。僕はとにかくドニー・イェン兄貴が暴力刑事を演じてハードな格闘アクションを繰り広げた「SPL 狼よ静かに死ね」「導火線 FLASH POINT」を心から愛しており、その流れをくんだ現代格闘路線の最終作と言われる今作は、僕にとってだけでなく、アクション映画が好きな人なら絶対チェックしなければならない1本。昨年今年の「観たい新作映画10本」に挙げたのはもちろんのこと、すでにDVDを持っている「導火線 FLASH POINT」のBlu-rayを購入して、スタントコーディネーターとして関わった谷垣健治さんのオーディオコメンタリーを聴いたりしながら、心待ちにしていたのです。


DVDを持っているのに、Blu-rayを購入…。1ミリも後悔してないぜ! 本当だぜ!
DVDとBlu-ray


さらに、谷垣健治さんの「映画秘宝」での連載などを読んでいると、降板した檀冰(タン・ビン)監督やチウ・マンチェクと揉めてネットでバッシングされたり、人が事故で死んでプロ遺族が来たりと、作るまでにかなりバタバタしたようでして…(この騒動に関しては、飯星景子さんのブログが超参考になるので必読!m9`Д´) ビシッ)。「苦労した分、僕も応援せねばならぬ」と、新宿武蔵野館は水曜のサービスデーを利用すれば1000円で観られるのに、わざわざ1300円の前売り券を3枚購入(恩着せがましい文章)。公開初日、新宿武蔵野館にて、谷垣健治さんを始めとするスタントチームの舞台挨拶付き(司会は飯星景子さん)を2回、その2週間後、もう1回観てきました。もうすっかり都内の公開は終わってしまったんですが、今さらながら感想を残しておきますね。


応援したい映画を初日に観るのは基本! 舞台挨拶もあって、超オトクなのです。
初日スペシャルイベント

コアチョコとのコラボTシャツが販売中。まぁ、僕は着ていたんですけどね ( ̄ー ̄) ニヤッ
コラボTシャツも販売中

ロビーには記事の切り抜きや…。
記事の切り抜き

紙で出来たスタンドポップなどがあったりして。
スタンドポップ

ロビー奥には等身大パネルと木人椿が! 「イップ・マン 葉問」以降、定期的に出してくる武蔵野館が好きさ。
等身大パネルと木人椿

翌日も観に行けば、中国茶のティーバッグがもらえたんですが…。ごめんなさい、「フォックスキャッチャー」を観ちゃった (ノ∀`) テヘ
ティーバッグプレゼント

「激戦 ハート・オブ・ファイト」「マッハ! 無限大」も観たので、3回目を観に行った時、ポスターをゲットいたしました。
3本観てポスターゲット!











スペシャルID 特殊身分

スペシャルID 特殊身分

原題:特殊身份/Special ID
2013/中国、香港 上映時間99分
監督:クラレンス・フォク
アクション監督:ドニー・イェン
製作:ピーター・パウ、ドニー・イェン
制作総指揮:ルー・チェン、ハン・サンヒン
脚本:セット・カムイェン、シト-・カムイェン
撮影監督:ピーター・パウ
編集:チャン・カーファイ
音楽:ドウ・ポン
スタント・コーディネーター:谷垣健治、イム・ワー、ジョン・サルヴィッティ
アシスタント・スタント・コーディネーター:大内貴仁、ユー・カン
スタント:佐久間一禎、日野由佳、川本耕史、吉田浩之、稲留正樹、富田稔、佐藤健司、川本直弘、柴田洋助、他
カー・スタント監督:ブルース・ロウ
出演:ドニー・イェン、アンディ・オン、ジン・チェン、ロナルド・チェン、コリン・チョウ、ケネス・ロー、パウ・ヘイチン、チャン・ハンユー
パンフレット:★★☆(700円/飯星景子さんのコラムがありがたい)
(あらすじ)
香港警察の警官ロン(ドニー・イェン)は、黒社会を牛耳る大物ホン(コリン・チョウ)の組織で潜入捜査を行っている。やがて8年が過ぎ、今やロンは裏社会でも一目置かれる存在になっていた。そんな折、ホンの手下が殺された上にブツまで奪われてしまう。その犯人は、ロンの義兄弟サニー(アンディ・オン)で……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




90点


「やったぁ!ヘ(゚∀゚*)ノ ヨカッタネ!」と思ったり。


僕の気持ちを代弁する寂海王を貼っておきますね(「バキ」第25巻より)。
勝ち誇る寂海王


まず、良かったところを書きますと、格闘アクションが素晴らしかった!ヽ(`Д´)ノ “元ムエタイ戦士”ケネス・ローとの猪木ーアリ状態の愉快な攻防から始まって、火鍋屋での集団バトルに、ラストのアンディ・オンとのMMA風味全開のタイマン…。特にアンディ・オン戦は、攻防時のリアルさを突き詰めただけでなく、ダメージ描写に力を入れたのも好感が持てたし、それまでの攻防が地味だったゆえに、最後の「スタンディング肩固め→武器を捨てさせてアッパー→ソバット」の流れが実に鮮やかで美しくてね…(しみじみ)。あの瞬間だけは「この映画、100点!m9`Д´) ビシッ」と思わなくもなかったほどでしたよ。


ケネス・ローを相手に座った状態で果敢に攻めるドニー兄貴。この直前に見せる投げ→オモプラッタの流れも素敵。
猪木-アリ状態

みんな、このアグレッシ部なヒザ蹴りを見て! 火鍋屋での死闘もマジ最高なのです。
アグレッシブなヒザ蹴り

そしてアンディ・オンとのハードなタイマン。三角絞めやら下からの足関やら肩固めやらを繰り出した果てに…。
三角絞めの攻防!

ああん、ナイスソバット!ヽ(TДT)ノ ダイテ! この美しさ、無形文化遺産に登録してもいいんじゃないかな。
ナイスソバット


そして、他のアクションも良かったです。舞台挨拶でその可愛らしさを目の当たりにしてから、すっかりスタントウーマン日野由佳さんのファンになってしまったワケですが(苦笑)、彼女がジン・ティエンの代わりにこなしたアクションの数々は本当にカッコ良かったし、ハラハラしました。ブルース・ロウによるカーアクション自体もなかなか凝っていたし(車のドアの壊し方とか好き)、谷垣健治さんの文章を読んだり話を聞いたりする限りはあまり評価されていなさそうなジン・ティエン自身によるアクションも結構良かったんじゃないかしらん。それと“復讐のスナイパー“刃(チャン・ハンユー)のロープで落下しながらの銃撃シーンも好きでしたね~ (´∀`) ウフフ


このダイブシーンは日野由佳さんのお仕事だそうです。よくやった!ヽ(`Д´)ノ
日野由佳さんのダイブ!

これも日野由佳さんでしょうな。カーアクションの見せ方も工夫があって面白かったなぁ。
日野由佳さんのスタント!

ただ、ジン・ティエンもカーMMAを見せたりと、頑張ってた印象。
ジン・ティエンのカーMMA

この暗殺者・刃も渋くて好みのタイプでした(誤解を招く文章)。
復讐のスナイパー“刃”

ちなみに“大声のファー”を演じたイム・ワーはアクション指導の方なんだそうです (゚⊿゚) ヘー
イム・ワー


ただね、良くないところも多かった。まず、ドラマがダメだと思いましたよ。最初、ポスターの“入れ墨入りまくりでテストステロンがムンムン漂うドニー兄貴”を見た時は、「とうとう暴力刑事路線が極まるのか… (`Δ´;) ヌゥ」と汗を流したほどでしてね。「SPL」ではパンチ一発でクズ野郎を障害者に変えていたし、「導火線」では「半年間、毎月平均40人を負傷させている」上に容疑者をマウントパンチで撲殺したほどバイオレントな男だったワケですが、しかし。今度の兄貴は潜入捜査官ということで、「さらにハードな暴力絵巻が見られるのでは!(*゚∀゚)=3 ムッハー」とギンギンに固くしていたら、そんなことはなく。いや、挨拶代わりに相手の車に追突したりと、一応は粗暴であるものの、母親や女捜査官とのハートウォームなドラマが挟まる分、ちょっと物足りなかったです。


ビジュアルは素敵なんですが。この直後、国士無双をあがるのもなんだかなー。
苛立つ入れ墨ドニー


まぁ、それは僕の勝手な希望だからスルーするとしても、潜入捜査官モノとして酷い。序盤、「いくらチンピラが倒れているからといって、目の前で警察の上司と会っていいの? (゚д゚;) ダイジョウブ?」って思ってたら、クライマックス、そのせいで捜査官だってバレちゃうから、バカなんじゃないかと。しかも、本人も組織の人たちも「裏切るべきか裏切らないべきか… (・ω・;) ドウシヨウ」といった「新しき世界」的な葛藤はゼロだから、全然盛り上がらないんですよ…。

もうね、アンディ・オンとの“友情のドラマ”はもう少し練ってほしかった。ドニー兄貴の母親を殺さなかったのは温すぎであり(しかも「母親が危ない」って気付くのもスゲー遅い)、「根はいいやつ!(o^-')b」ってことなのかもしれませんが、それにしては劇中でのフォローがないのも残念。なんかね、最後のアクションに雪崩れ込む時の登場人物たちの感情が「SPL」「導火線」と比べるとどうにも弱くて、僕的には“燃え”が足りなかったというか。アクション映画といえどドラマって大事なんだなぁとあらためて思ったり。

大体、コリン・チョウ演じるボスも何がしたいのかサッパリだし、母親の散髪場面の演出はモタモタしてるし(その後、髪の長さが戻ってたのは笑った)、逮捕のくだりも驚くほどズサンだし…(あの突然の「証拠は全部揃った」にはビックリ)。ハッキリ言って、ジン・ティエンは嫌いじゃないけど、女捜査官との空気銃とか「初めて殺しちゃった…」なんてくだりはゴッソリ削って、シリアスな男のドラマ一色に仕上げてほしかったです、マジで。


コリン・チョウが逮捕される時の雑さにはガッカリ。「導火線」の時は最高だったのに…。
微妙なコリン・チョウ


その他、「オープニングのタイトルがダサい」とか「BGMがスゲー古臭い」とか「ドニー兄貴のソバットは大好きだけど、1作品に1回にしてほしい」とか、文句は山ほどあるんですよ、残念ながら。だからね、「いくらドニー兄貴のソバットは100点でも、これは… (´・ω・`) ウーム」と思っていたのですけれども。エピローグ、警官に戻れることが決まったドニー兄貴が「やったぁ!ヘ(゚∀゚*)ノ」と喜びながら見せる笑顔が眩しくてーー。メタ的な話になりますが、最初の方で触れたように今作は“難産の末にやっと完成した映画”であり、なんかね、うれしそうな兄貴の顔を見ていたら、「そうだよね、苦労したんだもんね… (ノ∀T) ユルス」と非常に微笑ましい気持ちになった次第。


なんとなく素敵な2ショットを貼っておきますね。
素敵な2ショット


ということで、ダラダラと駄文を書き連ねてきましたが、確かにおかしいところは多いけれども、格闘アクションは素晴らしかったし、ドニー兄貴の笑顔が素敵だったから90点!m9`Д´) ビシッ Blu-rayが出たらもちろん買うし、その時は「クライマックスのアクションの撮影に時間が掛かりすぎて、背後に映る建設中のビルが完成していく」という話が本当なのか、確認しようと思っております。




ウィルソン・イップ監督×ドニー兄貴による最高最強の格闘アクション映画。僕の感想はこんな感じ



ドニー兄貴とウー・ジンの警棒vsドスのバトルが100点すぎるウィルソン・イップ監督作。



クラレンス・フォク監督が撮ったユン・ピョウ主演作。最近観たんですが、面白かったです。