映画の感想については基本的にネタバレ全開で書いておりますので要注意です。あと、映画の見方がやや偏っているとは思うので、点数もそんなに気にしないでくださいね。
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2014年07月23日

観相師 かんそうし(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2014)
観相師 かんそうし

観相師

原題:観相 The Face Reader
2013/韓国 上映時間139分
監督:ハン・ジェリム
脚本:キム・ドンヒョク、イ・チョロ、シン・ギョンマン
撮影:ゴ・ナクソン
美術:イ・ハジュン
音楽:イ・ビョンウ
出演:ソン・ガンホ、イ・ジョンジェ、ペク・ユンシク、チョ・ジョンソク、イ・ジョンソク、キム・ヘス、チョン・ギュス、キム・ウィソン、チェ・サンウ、キム・テウ
パンフレット:★★★(700円/普通に良いパンフだけど、観相師AYUMOさんの企画がチラシと被ってて残念)
(あらすじ)
15世紀半ばの朝鮮王朝。キム・ネギョン(ソン・ガンホ)は、その人の顔から性格や寿命まで見抜く観相師として田舎に暮らしていた。ある日、宮廷で起きた殺人事件の真犯人を言い当てたことで人事官に抜てきされる。ネギョンは王の弟・首陽大君(イ・ジョンジェ)が逆賊の相であると判断。実は、首陽大君は新しい王の暗殺を企てており……。(以上、Yahoo!映画より)

予告編はこんな感じ↓




70点


ウロ覚えですが、小さいころに読んだ占いの本に「犯罪者の顔」みたいな図解があって、それが自分の父親にそっくりでして…。確かに粗暴でイヤな奴でしたけど、犯罪者というほどではなかったし、「それって見た目による偏見を助長するんじゃないの? (゚Д゚)」と幼心に思って。それ以来、観相学とか顔相学とか人相学といった顔による性格&運命診断って信じてない&好きじゃないんですよね(生き様が顔に表れることはあると思うけど)。


なんとなく観相学への僕の気持ちを代弁する加藤清澄の画像を貼っておきますね。
三角絞めでつかまえて-バカバカしい


ただ、「Death Match デスマッチ」を観に行った時に流れた予告編が結構面白くて。そのフィクションならではの万能振りが愉快だし、ソン・ガンホ版「王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件」
って感じがして、興味が湧きまして。先日、シネマート新宿で観てきました。「ソン・ガンホ、スゴいな!∑(゚Д゚)」と思ったり。


火曜日、ポイントカード割引を利用して、1100円で観たのです (`∀´) オホホホホホ
シネマート新宿


誇張を交えながら簡単に物語を書くと、キム・ネギョンったら、昔はそこそこの暮らしをしていた風なんですけど、いろいろあって、辺鄙な場所で義理の弟ペンホン(チョ・ジョンソク)と息子ジニョン(イ・ジョンソク)と貧しく暮らしていたんですが、しかし。なんとなく学んだ観相学が近所で評判に→そのウワサを聞きつけた芸妓ヨノン(キム・ヘス)に腕を買われたので、「よーし、お父さん、やり直しちゃうぞ!(`∀´)人(゚∀゚*)ノ ヤッチャオーゼ!と都に向かうのです。


観相で一旗揚げようと都に来たネギョンとペンホン。序盤は非常に呑気な雰囲気の映画でしたよ。
上京物語


ヨノンにハメられてしまい、最初は奴隷のように働かされるものの、ふとしたキッカケで、観相学を使って殺人事件を解決したら、あれよあれよと人気者に。王・文宋(キム・テウ)に頼られるまでに登りつめると、その息子の端宗(チェ・サンウ)を守るため、“虎の相を持つ男”キム・ジョンソ(ペク・ユンシク)を支持して、“狼の相を持つ男”首陽大君を倒そうとするんですが…。敵の側近“首が曲がった男”ハン・ミョンフェ(キム・ウィソン)の策に引っ掛かったことで、キム・ジョンソは死亡。首陽大君のクーデターが成功するというね ('A`) ワタシマケマシタワ


ネギョンは義理を貫くべく、“虎の相”キム・ジョンソ側につくんですが…。
虎の相 キム・ジョンソ(ペク・ユンシク)

結局は"狼の相”の首陽大君が天下を握るのでした ┐(´ー`)┌ ザンネーン
狼の相 首陽大君(イ・ジョンジェ)


必死の命乞いにも関わらず息子のジニョンを殺されたネギョンは、その後、すっかり世捨て人になってまして。政敵に怯えるハン・ミョンフェが訪ねてくると、「波だけ見て、波を起こす風を見なかった」「人の顔だけ見て、時代を読めなかった」的な話をした後、「アンタは首をはねられる」とイヤな予言を披露(「ハン・ミョンフェは死後に墓を暴かれて、首をはねられた」的な説明テロップ有り)。ネギョンが海を眺めて、映画は終わってました。


関係ありませんが、海繋がりでNegiccoの新曲を貼っておきますね ヘ(゚∀゚*)ノ サンシャイン!




いや~、非常に面白い映画でしたよ。最初に予想していた推理モノというよりは宮廷陰謀モノだったんですが、あまりその手の作品を見慣れていないのもあって、なかなか新鮮というか(最近、観た中では「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」が近い…かな?)。「芸妓にホクロのアドバイス→首陽大君にニセのホクロを付ける案が浮上→ネギョンをハメた証文のせいで、ヨノンも手伝うことに」とか「息子ジニョンが唐突に旅立つ→実は甥っ子LOVEなペンホンがお膳立てをしてあげてた!→ペンホンの“喉仏”は短気の印&ジニョンが失明させられたのを許せない→短絡的に行動したせいでクーデターが発生→後日、自分で喉仏を潰す」とか「予言が的中して息子が死亡」とか、話自体はかなり悲惨なんですが、思ったより伏線を回収する姿勢は好みだったり。

最初は少し呑気なムードだったくせに、後半の展開が超容赦ないのが実に韓国映画っぽい。特に息子ジニョンのエピソードは地獄のようで、序盤から中盤にかけて、スゲー仲良しに描いておきながら、「無惨に失明させた挙げ句、親の目の前で射殺」って、子を持つ親としては「非道すぎるYO!ヽ(TДT)ノ」と泣きながら激怒ですよ。もうね、ネギョンにも腹が立つというか、クライマックス、首陽大君が弓を構えた瞬間、親なら息子の前に立ちはだかって、2択を1択にすべきだったのでは…って、フィクションの登場人物にそんな文句を言っても仕方ありませんがー。


息子との関係を微笑ましく描いていただけに、終盤の展開には超ゲンナリ。
息子と仲良し

この場面、絶対狙われたのは息子だと思ったので、立ちはだからないネギョンにはイラッとしました。
放たれた弓矢!


ちょっとイヤだったのが、“首が曲がった男”ハン・ミョンフェが万能すぎるところ。例えば、ネギョンの息子がジニョンなのは秘密だったのに把握してるし、ジニョンを失明させるタイミングの良さもズルいし。勿体ぶって登場した割には「アンタ、誰? (゚Д゚)」って感じだったし(実は今までの登場人物の中にいるのかと思ってた)、正直、「フェアじゃない」と思っていたんですが…。この映画は実際にあったクーデター「癸酉靖難」が元になっている→ハン・ミョンフェは“策士”として有名な人らしくて(クーデターをモチーフにしたドラマや、ハン・ミョンフェを主人公にしたドラマがあるほど)。歴史を知っている韓国の観客的には飲み込めるバランスだったんでしょうな。


ハン・ミョンフェを演じたキム・ウィソン、「映画秘宝」によるとソン・ガンホを映画界に導いた人物なんだとか (゚⊿゚) ヘー
謎の策士ハン・ミョンフェ


一番良かったのは、ソン・ガンホ。序盤のボンクラ振りは愛らしいし、能力をバシバシ発揮する場面もカッコ良いし…。終盤、必死に息子の命乞いをする場面とか、少し「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシクの土下座っぷりを思い出して、胸が痛かったりもしましたよ。で、何よりもスゴいのが、ラストの達観した表情で、それまで僕的には結構文句が多かったんですが、あの顔一発ですべてを納得させられたというか。「ソン・ガンホ、スゴいな!∑(゚Д゚)」とスゲー感心いたしました。それと、首陽大君を演じたイ・ジョンジェも凄みがあって良かったですね~。


見事だったソン・ガンホ。この観相力を「殺人の追憶」の時に身に付けていれば… (ノω・、) クヤシイ
ソン・ガンホ、スゴイ!

イ・ジョンジェ、イヤな感じで良かったです。
こういうことを聞かれるとイヤよね


まぁ、よくよく考えれば「あそこまで精度の高い観相力を持ってたら、時代が読める云々とか関係なく、絶対負けないだろ」ぐらいには思うんですけど(「X-MEN」に混ざれるレベル)、オチの無常感が不思議と清々しくて、妙に好きな映画でした (^ε^) ウッフン ソン・ガンホが好きな人にはマジでオススメですぞ。




ハン・ジェリム監督×ソン・ガンホ主演作。これは観ておきたいなぁ。



「癸酉靖難」をモチーフにしたラブ・ロマンスだそうです。



ハン・ミョンフェを主人公にしたドラマを貼っておきますね。




2014年07月22日

先週の備忘録(2014/7/15~7/21)

テーマ:備忘録(2014)
さて、毎週火曜日は備忘録ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書いてみますね↓


大きな仕事を任せられそうだけど…
娘がアセトン血性嘔吐症になってバタバタ
ナマで聴く小林大吾さんは最高だった!
月曜日は奧さん&娘と楽しく過ごしました



今、ジェーン・スーさんが非常に良いですな。TBSラジオの「ジェーン・スー 相談は踊る」は安定した面白さだし、読んでいる人は少なそうだけど「ゴーゴーバンチ」で連載中のコラムも実に愉快。だから、今月発売される「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」もスゲー期待してるのですが、サイン会とかやりそうだから、本をamazonで買おうかどうか、迷うところもあって。そういえば、最近はグルテンフリーを実施してたり、キックのジムに通い出したり、「夕飯にサバ缶」を食ってたりと、かなりダイエットに力を入れている臭いが漂っている気がしなくもないんですが、結果は出ているのかしら…って、「うるせーよ!川 ゚д゚) クソガ!」って思われそうな文章ですな、すみません。


ジェーン・スーさんが「中年のダイエット」について語っております↓ フフフ…。




閑話休題。7月21日の月曜日(a.k.a.祝日)は、7月23日が娘の誕生日ということで、前倒しでお出掛けすることになっていて。そのために、土日は必死の休日出勤をしていたんですが、土曜日、「そういえば新宿のタワレコ小林大吾ライヴ&サイン会があるな…」と思い出して。非常にバタバタしてたものの、これを逃したらナマで見る機会がない気がしたので、職場が近いこともあって、いそいそと足を運んでみたら、スゲー良かった!ヽ(`Д´)ノ トークも非常に味わい深くて楽しかったし、「なんだ、さっさと有料ライブやれよ ( ゚д゚) コノヤロウ!」って感じ。ああいう場所も良いんだけど、たぶんもっとムーディな場所で聴いたら即死できそうな破壊力がありましたよ、マジで。


小林大吾さん関連のモノがいろいろと売られてました。「オーディオビジュアル」も超オススメ。
いろいろ売ってました

絶賛ライブ中。僕が観た新宿のタワレコのインストアイベントの中では、一番混雑していた印象。
ライブの様子


正直、僕はすでに特装版を持っている→CDをもう1枚買う必要はなかったんですけれども(苦笑)、「そうだ、知人にあげよう」と、「小数点花手鑑」小林大吾さんが関わった小説と一緒に購入。列に並ぼうとしたら、アシパンのオフ会で知り合ったサクライさんと偶然会ったりして、それもまた楽しかったりしてね (´∀`) ウフフ まぁ、何気に緊張しちゃって、小林大吾さんと何を話したのかはサッパリ覚えていませんが、優しく応対していただいて、「ちくしょう、イイ奴じゃねぇか! ( ゚д゚) コノヤロウ!」と思ったりいたしました。いや、マジでライブをやったら行くんだけどなぁ。


これがサイン会参加券だッ! 
サイン会参加券!

「そして、きみが教えてくれたこと」も買っちゃった。こちらの記事を読むと、結構欲しくなります。
買っちゃった


で、昨日はレンタカーを借りて、ららぽーと豊洲に行きまして。奧さんがショッピングに勤しんでいる間、娘のマナ子と遊びまくりました。特設プールに浮かんだ子ども用のボートに乗ったり、子ども用の汽車に乗ったり…。非常に充実したお出掛けだったというか、「僕にとっての“2つの完璧な瞬間”は、奧さんが結婚してくれた時と、娘が生まれた時なんだよなぁ」と、あらためて実感。特にマナ子と過ごすのは本当に楽しくて、「娘と遊んでいるだけで年収1000万円の仕事とかないかなぁ (・ε・)」なんて妄想をしたりしてね ┐(´ー`)┌ バカネ


記念日なので、赤の「スーパー!」Tシャツを着用いたしました。
赤いSUPER!Tシャツ


いや、先週半ば、取引先との接待があったんですが、大きな仕事を任されそうで。ただ、正直、僕には荷が重くて、なんて言うんですかね、成功すればレベルアップすることは間違いないんだけど、失敗したら精神的ダメージが超デカそうで…。企画書作りに二の足を踏みまくっているんですが、奧さん&娘のことを考えれば、頑張るしかないのかしらん。以上、先週はこんな感じでした。ではでは~。







2014年07月21日

収容病棟(前編&後編)(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2014)
<どうでも良い前置き>

すみません、非常に面倒くさい文章をダラダラと垂れ流すので、ちゃんとした感想を読みたい方は「映画秘宝 2014年 07月号」柳下毅一郎さんの批評を読むと良いザンス。というか、僕は映画評論家の柳下毅一郎さんを尊敬していまして。昔、「愛は死より冷たい―映画嫌いのための映画の本」を読んで以来、大好きな方なんですが、そんな氏が「王兵(ワン・ビン)を見ないというのは人生損してるようなもの」とおっしゃっていましてね。日常生活において損をすることが何よりも嫌いな僕ですよ、「これは行かねば!ヽ(`Д´)ノ」と「無言歌」を観たら超退屈だったというね… ('A`) ゲンナリ

で、その翌年に公開された「三姉妹~雲南の子」ですよ。今度は“子どもネタ”ということで、「これなら僕にも魅力がわかるハズ」と。しかも、蓮實重彦さんを始めとする“映画をわかってる人たち”は軒並み絶賛していただけに、「この映画を評価する→僕もシネフィルの仲間入り!ヘ(゚∀゚*)ノ」と息巻いて劇場に足を運んでみたら、これまたサッパリだった…なんてことは、今では遠くなびくほうき星。まさに完敗であり、もう二度とワン・ビン監督作を観ることはあるまいと強く思っていたのです。


「三姉妹」の鑑賞前は「グラップラー刃牙 完全版」第3巻の本部以蔵のように勝利を確信していたのですが…。
三角絞めでつかまえて-偉そうな本部

見終わった後は、こんな状態だったのでした。
三角絞めでつかまえて-負けた本部


ところが! 今回のワン・ビン監督作「収容病棟」は、中国・雲南省の精神病院のハードな実態を映したドキュメンタリーということで、非常に下世話な興味を持ちまして。さらに、タイトルから、僕が大好きなジョン・カーペンター監督の「ザ・ウォード 監禁病棟」を連想したこともあって好感を持ち(内容は別物ですがー)、先日、渋谷のイメージフォーラムで、ワン・ビン監督作への三度目の挑戦をしてきました。


前後編を合わせた通し前売り券は2200円と超オトクだったのです。
チケットは2200円

中には記事の切り抜きなどが貼ってありましたよ。
記事の切り抜きがありました










収容病棟(前編&後編)

収容病棟

原題:瘋愛
2013/香港、フランス、日本 上映時間237分
監督・撮影・編集:ワン・ビン
撮影:リュウ・シャンフイ
編集:アダム・カービー
出演:入院患者のみなさん
パンフレット:★★★★(600円/好きなパンフ。想田和弘監督のコラムが面白かった!)
(あらすじ)
中国・雲南省にある精神病院の男性患者の収容病棟。中庭を囲んで回廊があり、病室のドアがいくつも並んでいる。カメラは患者たちの日常を映し始める。氏名不詳で収容されている患者の1人、唖者の通称ヤーパは、誰かと一緒に眠りたがる。ひたすら家を恋しがる青年マーはこの病院からさほど遠くない町の出身で、雲南省にある大学に進学が決まったが、大学へ向かうバスが事故で止まってしまい、その焦る気持ちがきっかけになって精神疾患が出たという。インは施設に来たばかりで、医師たちの言うことを聞けない。夜、電話をかけたくてドアを蹴飛ばし、手錠を掛けられてしまう……。(以上、Movie Walkerより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は、想田和弘監督の「精神」のネタバレにも触れているので、気をつけて!

ド胆を抜かれましたね。


なんとなく「中国で幼いころの愚地克己を見て驚く愚地独歩」を貼っておきますよ。
ド肝抜かれたね


えーっと、ひと昔前に流行った「邪気眼コピペ」的な“こじれている故のおかしさ”ということではなく、“ガチでおかしい人”っているワケじゃないですか。中国・雲南省にある精神病院が舞台ということで、本当にそんな人がわんさかわんさ状態の作品なんですよ。例えば、オッサンがベッドから出たと思ったら下半身が丸出しで(モザイクなし!)、そのまま廊下で立ち小便をして、またベッドに戻る…といった光景が普通に流れる感じ。この作品内のオッサンの全裸率は非常に高く、ごめんなさい、言葉は悪いですけど、モンド映画を観るようないかがわしさがあって、非常に面白かったです。

もうね、とにかく環境が劣悪。プライバシーゼロの雑多な病室のベッドやシーツが汚いのは当たり前。僕は青銅聖闘士クラスのキレイ好きではあるので、汚い靴を履いたままベッドに入るとか、部屋の床に唾を吐く&ゴミを捨てるとか、部屋の外に共同トイレがあるのに、室内にある洗面器で当たり前のように小便したりとか、その後、股間を拭かずにそのままベッドに潜り込んだりするとか、残飯を食うとか(立ったままの食事シーン自体が恐ろしく不味そう)、そういうのを見るだけでも「うわぁ… ('A`)」とゲッソリしまくりでしたよ。

そんな酷い有り様なので、「この精神病院、よく撮影を許可したなぁ」と思ったんですが、「中国の貧しい地域では、このぐらいの衛生観念が当たり前なのかな?」とも思って。というのは、後編で一人の患者が帰宅するんですが、その家が超ボロボロで汚くて…。あと、旦那の見舞いに来た奥さん(この人は普通)がひまわりの種を食べた時、その殻を平気な顔で部屋の床に出したりもするし。いや、もちろんこんな映像を撮ったのはスゴいんですけど、撮られた本人たちは意外と「こんなの普通じゃん? (・ε・) ナニカ?」ぐらいの認識な気がしないでもない印象。

観ている間、スゲー思い出したのが想田和弘監督の「精神」で、「真逆の映画だな!Σ(゚д゚;)」と。なんて言うんですか、「精神」の場合は「こんな普通な感じの人たちが精神を病んでいるのだろうか…」と思わされながら、最後にハードに分かり合えない人をドスンと出してきて、超考えさせられたワケですが…。この作品は、全体的に「あ、この人はおかしいな (´∀`;) ザンネン」というケースを中心に見せながらも、ラストは男同士ながらも温もりを求め合う場面を写しながら終わっていて。たぶん伝えたいことは同じなんだけど、その見せ方の違いが面白い…な~んて全然違ってたらゴメンネ (^ε^) ウッフン


「精神」の予告編です↓ これはマジでオススメ。




映画終了後のテロップがまたビックリ。この病院に入院しているのは“異常なふるまい”をした人たちなんですが、非暴力的な患者と人を殺した患者、薬物中毒者などが一緒くたにされているだけでなく、なんと政治的な陳情行為をした人や“一人っ子政策”に違反した人までもが強制的に収容されているそうなんです(パンフによると、中国の精神病院の管轄は公安という地獄)。「政府に逆らう→精神病院に隔離→20年経ちました!(o^-')b」なんてことが普通にあるワケで。映画序盤、「以前はマトモだったのに、ここにいるせいで頭がおかしくなった」なんて台詞がありましたが、本当にそうなんだろうなと。“手錠の罰”とかも非道かったし、おかげさまですっかり中国が恐ろしくなりました… (´Д`;) イヤーン まぁ、日本でも“ない話”ではないんでしょうが。

ちなみに、いくら鈍感な僕でも、今作ではモロにワン・ビン監督のスゴさが伝わってきたというか。一応、たまにカメラを意識する人もいるんですけど、ほとんどのシーンで被撮影者がカメラに撮られている雰囲気がしないんですね。なんか、透明人間の視点で映画を観ている気分になって、非常に不思議な体験でしたよ。それと、あんな場所に押し込められている人たちなのに、差し込む西陽を生かして美しく撮影してたりとか、そういう画面作りも素晴らしくて。後編で退院する人が一人で歩いていくシーンを延々と映すことで、「この患者は入院してた方が話し相手もいて、幸せなんじゃないか」と思わせたりとか、人権無視ギリギリの酷い撮影をしているくせに優しさも伝わってきたりして、「なんかスゲェ!Σ(゚д゚;)」と思わされたし、そう思えた自分にうれしくなったりもした次第。これを「グラップラー刃牙」で例えるなら、「一度、範馬勇次郎にボコボコにされたけど、歯が総入れ歯になるほどのハードな特訓を経て、あらゆる打撃を避けられるようになった!」時の本部以蔵的な心境というかね…(その後、アッサリ負けますが)。


8年前には感じ取ることさえできなかった範馬勇次郎の打撃を避けられて喜ぶ本部以蔵を貼っておきますね。
三角絞めでつかまえて-うれしそうな本部さん


とは言いつつも、すみません、スゲー長いとも思いました (ノ∀`) テヘ そりゃあ、9時間の初監督作「鉄西区」と比べれば短いのは確かですが、合計4時間ですよ、4時間(前後編を別の日に観た人もいるみたい)。面白かったけど、かなり疲れたし、こういう題材じゃなかったら楽しめたかどうかを考えると、僕自身に疑問が湧くというか。観て良かったとは思いますが、あまりオススメはしない…かなぁ (´・ω・`) オシマイ




昨年観たワン・ビン監督作。153分と短めでございます。



想田和弘監督による“観察映画”第2弾。これは観ておくと良いです。



ビックリして泣いたジョン・カーペンター監督作。僕の感想はこんな感じ



パンフに載っていたタメになりそうな本、その1。恐ろしそう。



パンフに載っていたタメになりそうな本、その2。こちらもハードそうですな。








2014年07月19日

her/世界でひとつの彼女(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2014)
※今回の記事に関しては、どうしても下ネタが多くなってしまって…。さすがに下劣なので、最初からこちらのブログ(http://kamiyamaz.blog55.fc2.com/blog-entry-44.html)に感想をアップしてみました。ハッキリ言って、かなり心が狭めの文章が書かれていて、スパイク・ジョーンズ監督や「her/世界でひとつの彼女」が好きな人は確実に不快になると思うので、読まない方が良いです。








2014年07月16日

ラストミッション(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2014)
ラストミッション

ラストミッション

原題:3 Days to Kill
2014/アメリカ 上映時間117分
監督:マックG
製作:ライアン・カバナー、マルク・リベール
製作総指揮:タッカー・トゥーリー
原案:リュック・ベッソン
脚本:アディ・ハサック、リュック・ベッソン
撮影:ティエリー・アルボガスト
美術:セバスティアン・イニザン
音楽:ギョーム・ルーセル
出演:ケビン・コスナー、アンバー・ハード、ヘイリー・スタインフェルド、コニー・ニールセン、リヒャルト・サメル、トーマス・レマルキス、マルク・アンドレオーニ、ブルーノ・リッチ
パンフレット:★★★(720円/ロケーションマップがうれしい。戸田奈津子さんのコラムもアリ)
(あらすじ)
余命わずかだと言い渡されたCIAエージェントイーサン(ケヴィン・コスナー)は、残された人生を家族と共に過ごすためパリへと向かう。長い間家庭をおろそかにしてきた彼は、難しい年頃の娘ゾーイ(ヘイリー・スタインフェルド)との仲もぎくしゃくしていた。そんな折、CIAエージェントのヴィヴィ(アンバー・ハード)が、イーサンに最後のミッションのオファーをしに来るが……。(以上、Yahoo!映画より)

予告編はこんな感じ↓




60点


リュック・ベッソン印の映画って、一時は辟易していたんですが、“父親ポルノ”の傑作「96時間」から見直しまして(語弊のある表現)。最近はなるべくチェックしようと心掛けているんですよ。しかも、今作の予告編を観るかぎりは“ケヴィン・コスナー版「96時間」”といった“僕好みムード”がムンムン状態だったので、いそいそと前売り券を購入。「さぞや“良い父親気分”に浸れるのだろう (^ε^) ムフフ」と楽しみにしていたのです。

で、先週、仕事を半日休んで、ユナイテッド・シネマとしまえんに行きまして。今月23日に訪れる娘マナ子(仮名)の3歳の誕生日のために、近くのトイザらスでプレゼントを物色して、父親気分を高めたりしてね ( ̄ー ̄) ニヤッ 「オール・ユー・ニード・イズ・キル(2D・字幕版)」「ノア 約束の舟(2D・字幕版)」を経て、やっと観たんですが…。ちょっと期待しすぎちゃったカナー (・ε・) ウーン


この日は夕方からUCとしまえんに入り浸りだったのです。
UCとしまえん

チケット売り場の上にデカデカと! 宣伝にはそこそこ力が入ってたっぽい。
チケット売り場の上にデカデカと!

ダイエット中なのに、塩キャラメルポップコーンを買っちゃった…。ちくしょう、スゲー美味いYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!
塩キャラメルポップコーンとポテト


いや、基本的には楽しめたんですよ。何がストライクだったかって、娘ゾーイ役のヘイリー・スタインフェルド。「トゥルー・グリット」のマティ役ですっかり心を奪われた女優さんなんですが、そんな彼女が父親に憎まれ口を叩くだけでたまらなくて… (´Д`;) ハァハァ もうね、彼女の絶妙な“美人じゃない感”は本当に最高で(まぁ、実際は美人なんだけどさ)、お父さんの“理想の「リアルな娘」”というか。この配役だけで本来なら100点にしたいところです。


小生意気な娘役がよく似合うヘイリー・スタインフェルド。マナ子もこんな感じに育ってくれれば…。
理想の娘


ゾーイの着メロだったアイコナ・ポップの「I Love It」を貼っておきますね↓




というか、娘とのコミュニケーション描写はとにかく泣けた。この映画の主人公と比べたら、僕なんぞ毎朝保育園に送っているワケですから、娘と疎遠ということではないものの! 将来、娘が成長したら間違いなく蛇蝎の如く嫌われるだろうと覚悟しているだけに、なんかね、勝手に「成長した娘に嫌われた!ヽ(TДT)ノ シニタイ→また仲良くなれた… (ノДT) ウレシイ」気分になって、イーサンとゾーイの距離が縮まるくだりが他人事に思えなかったのです。特に泣けたのが自転車の乗り方を教える場面で、「そんなに上手くいくかよ!(;`Δ´) バカバカシイ!」と思いつつも、ちくしょう、涙が止まらなくて。最終的には、劇中のギャラリーと一緒に拍手しそうになるほど感情移入してました… (iДi) イイシーンダナー


娘を持つ父なら涙なくしては観られない自転車特訓シーン。この場面で米2合は食える!
自転車練習


なんとなく島田晴香さんの自転車特訓動画を貼っておきますね↓




その他、格闘シーンでのカット割りの多さはダメだと思ったけど(結構わかりづらい)、アクション描写自体はそんなに嫌いじゃない印象。特に会計士をさらうくだりは、そこそこ良かったです。一番グッときたのは、“トイレで暴行されそうになった娘を救う場面”で、ああいうクズどもを叩きのめす展開って本当に最高ですよネ (´∀`) ウフフ 直後の「ボディガード」オマージュなお姫様抱っこも微笑ましくて、非常に留飲が下がった次第。


胸がスーッとする場面。贅沢を言うと、暴行野郎は全員、両目を抉ってほしかったけどね ┐(´ー`)┌ シカタナシ
お姫様抱っこ


ただね、映画としてはどうかと思うところが多くて。フタを開けてみれば、「96時間」というよりは「トゥルーライズ」っぽいなぁと感じたんですけど…。とにかくアクションが少なくて、むしろコメディ要素が多めだった…ってのは好みの問題だとしても、脚本が非常に適当というか。例えば殺し屋が奧さん&娘の写真を持っていたりするから、当然ながら家族が巻き込まれると思ったら、意外とそうでもなく。クライマックス、パーティで偶然、娘の彼氏の父親がラスボスと関係があったことが判明するから、今度こそ家族が巻き込まれると思ったら、またもやそうでもなく。ポスターに「弱点、16歳の娘。」なんて書いてあった割にはアッサリ気味にケリがついちゃって、非常にビックリいたしました。

まぁ、この手の映画にリアリティ云々を言うのも野暮ですが、さすがにハイヤー会社の経営者ミタット(マルク・アンドレオーニ)や帳簿係グイド(ブルーノ・リッチ)の拉致拷問描写は軽すぎて合わなかったです。勝手に住み着いていた移民家族もなんだかなぁというか、あの出産シーンの“取って付けた感”には、ごめんなさい、かなりイラッとしました(イーサンに命の大切さを教えるためとは言え、あまりにも安易では)。ウォッカを飲むと副作用が落ち着く設定は全然活かされなかったし(ピンチで使ったり、誤解されて困ったりするのかと思った)、中華と言いながら寿司を食ったりするし…。

大体、CIAエージェントのヴィヴィ(アンバー・ハード)が、美人だしカッコイイんだけど、気まぐれというには“この映画に都合が良い女”すぎて、ちょっとゲンナリしたというか。そもそもイーサン1人に事件を全部任せるのもおかしいしさぁ…(他の奴が一緒に行動しないのが不思議)。一応、終盤の展開を書いておくと、病気のせいで瀕死状態に陥りつつも、同じくヘロヘロなラスボスと向かい合ったイーサンは、家族&命の大切さを知ったので殺すのを止める→ヴィヴィが射殺して、事件は無事解決。クリスマス、ヴォコットの別荘で過ごしていたら、ヴィヴィから特効薬が届いたりして、続編を作る気マンマン状態で終わってましたよ。


アンバー・ハード自体は美人で良かったんですけどね~。
謎の女


ということで、いろいろと気になるところだらけの映画なんですが、そんなに期待しなければ普通に楽しめるというか。フランスの名所がたくさん出てくるし、日曜洋画劇場で流れてたら、そんなに文句が出ないような気がします。無闇には薦めないけど、ケヴィン・コスナーが好きな人なら観に行っても良いんじゃないかしらん。それと、「映画秘宝 2014年 08月号」に載ってた“信用できる漫画家”の古泉智浩先生のレビューが非常に素晴らしくて、それを読んでから「夕焼け集団リンチ」のあとがきを読むと、さらにグッとくるので、興味がある人はそっちもチェックしてみて!(o^-')b オシマイ




マックG監督の最高傑作はこれでしょうな。



もっとこんな感じになるかと思ってました。



今年観たスパイ映画。ケヴィン・コスナーは主演じゃないけど、CIAの上司として出演してます。



古泉智浩先生の痛くて笑えて切ない短編集。kindle版で読みましたが、スゲー面白かったです。







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