監督：ショーン・レヴィ
ｷｬｽﾄ：ライアン・レイノルズ／ジョディ・カマー／ジョー・キーリー
配給：20世紀スタジオ／ウォルト・ディズニー・ジャパン
公開：2021年8月
時間：115分
漫画・アニメ・映画・ゲームなどで個々の名前が明かされない群衆を「モブキャラ」と言う。実写だとエキストラにあたり，ゲームだと以前は「ザコキャラ」や「背景キャラ」と呼ばれていた。この「モブキャラ」って実は和製英語で，英語的には「non player character(NPC)」と，意味の判りやすい言葉になる。そんなモブキャラが主人公となる作品が，今夜紹介する『フリー・ガイ』。監督は『ナイト ミュージアム』シリーズのショーン・レヴィ。
ルール無用で何でもありな街“フリー・シティ”では，“サングラス族”と呼ばれるヒーローが気ままに銃をブッ放し，ヘリコプターやクルマを破壊したり，強盗を働いたりと，やりたい放題。そんな街で毎日同じ会話を交わし，毎日同じコーヒーを注文し，毎日銀行強盗に遭い，それでも真面目に働く幸せな銀行員のガイ（ライアン・レイノルズ）は，ミステリアスな“サングラス族”のモロトフ・ガール（ジョディ・カマー）に一目惚れする。
警備員の親友バディ（リル・レル・ハウリー）から「サングラスがないと相手にされない」と助言され，彼女を追うために銀行強盗からサングラスを奪ってかけてみると，街中にパラメーターやらアイテムなどが見えるようになる。“サングラス族”はオンラインVRゲーム“フリー・シティ”をプレイするプレイヤーたちで，ガイはそのゲームの世界にプログラムされた，一定の行動しかしないモブキャラだったのだ。なのに新しい自我の芽生えたガイは，やがて危機の迫る“フリー・シティ”を救うため立ち上がることになるのだったが…。
ゲームと現実を結ぶヒット映画と言えば『レディ・プレイヤー1』が浮かぶが，この『フリー・ガイ』では何とモブキャラがAIとして自我を持つ。この主人公に『デッドプール』のライアン・レイノルズ。他に，“スナミ・スタジオ”の社長アントワンには，自身の監督する『ソー』シリーズにもコーグ役で出演するタイカ・ワイティティ。カメオ出演で終盤１シーンだがクリス・エヴァンス。オリジナルの声の出演として，裏路地でモロトフ・ガールと情報を取引するマスクのアバターの声にヒュー・ジャックマン，ガイからサングラスを奪われる銀行強盗のアバターの声にドウェイン・ジョンソンなど，こっそりスゴいキャストが揃っていて，とにかく楽しませてくれる１本だ。
続編企画もあるらしく，期待が膨らむ。
ｸﾀ評：★★★★☆
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