監督：江口カン
ｷｬｽﾄ：岡田准一／木村文乃／山本美月
配給：松竹
公開：2019年6月
時間：123分
今夜紹介するのは，『SP THE MOTION PICTURE』シリーズや『図書館戦争』シリーズをはじめ，硬派なアクションで魅せてくれる岡田准一の“抜け感”を楽しめる１本。南勝久の大人気コミックスを原作に，脚本を『20世紀少年』シリーズや『GANTZ』シリーズの渡辺雄介，監督を『めんたいぴりり』の江口カンがつとめた。タイトルの『ファブル』とは，その伝説的な強さのために裏社会の人間から呼ばれる「寓話」の意味の呼び名。
どんな相手でも６秒以内に殺してしまう伝説の殺し屋ファブル（岡田准一）は，裏社会では誰もが恐れる存在。仕事をし過ぎた彼は，ある日，育ての親でもあるボス（佐藤浩市）に呼び出され，１年間誰も殺さず，一般人に溶け込んで普通に暮らすよう命じられる。もし，休業中に誰かを殺したら，ボスが彼を殺すというのだ。ボスには絶対服従のファブルは，佐藤アキラという偽名を使い，相棒のヨウコ（木村文乃）と兄妹のフリをして，大阪の街で一般人として暮らし始める。
バイトをしたり，インコを飼ったり，殺しを封じて普通の生活を満喫し始めた矢先，命を狙う組織や，助けを求める者が現れ，裏社会のトラブルに巻き込まれていくファブル。ついにはバイト先の社長・田高田（佐藤二朗）を紹介してくれたミサキ（山本美月）が人質にとられてしまう。ファブルはヨウコの協力を受けながら，誰も殺さずに人質を救出するという無謀なミッションに挑むのだったが…。
スタッフ，キャストともに贅沢な起用で，アクションとコメディを融合させ，どちらも最大に見せる。ハードボイルドって，完璧でないほどに“かわいい”と思わせ，そこがキャラの魅力に繋がっていくのだが，この作品での主人公アキラは，同性目線でも“かわいい”と思ってしまう。
共演は他に，福士蒼汰，柳楽優弥，向井理，藤森慎吾，安田顕 など。ライトなストーリーの中で，それぞれの俳優の上手さが際立って美味しい１本だ。
ｸﾀ評：★★★★☆
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『ザ・ファブル／殺さない殺し屋』(2021年)