SP THE MOTION PICTURE 野望篇 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



監督:波多野貴文
キャスト:岡田准一/真木よう子/香川照之
配給:東宝
公開:2010年10月
時間:98分




海猿』シリーズを紹介しながら,まだ記事にしてないメディアミックスもののお薦めがあったのを思い出した。唐突に「あの作品を見直したいな」って衝動が湧いた時に,TVドラマを1クール単位で見ると10時間以上かかってしまうから,映画化されている作品は映画版を見て,とりあえず気分を満足させる。

この映画の元は,ちょうど10年前にTVドラマとして放送されていた『SP 警視庁警備部警護課第四係』。企画段階から参加していた主演の岡田准一は,ドラマ出演が正式に決定する1年以上前から役作りのためにスポーツジムへ通い,激しいアクションシーンに対応出来る体を作ったという。そのキレッキレのアクションは,彼がアイドルということを忘れるほどに見事で,以降“武闘派”俳優として『図書館戦争』シリーズなどでも人気を高めていった。

TVドラマ放送時から,数話ごとのエピソード構成となっていたこのシリーズでは“Episode V”にあたるこの野望篇。井上薫(岡田准一)は類い希な身体能力と共に,6歳の頃テロに巻き込まれて両親を目の前で亡くした衝撃から脳内物質のバランス構築に影響を受け,脳内が常に活性化している。五感や記憶機能が異常発達していて,この体質によって“シンクロ(音や空気にも同調して,その場の異物や違和感を察知する能力)”や“フォトグラフィック・メモリー(写真を撮るように一瞬で物事を映像として記憶する能力)”などの特殊能力を持っている。

TVドラマ最終話(Episode IV)で,自殺した西島理事官(飯田基祐)に対して,信頼していた尾形係長(堤真一)が発した「仕方がないだろ。大義のためだ」という言葉に,猜疑心と困惑の色を浮かべ対峙するようになった井上。その出来事から1ヶ月。東京の街は,何事もなかったかのように毎日が過ぎ,どこを見渡しても平和な日本の姿があった。だが,その裏では,日本という国家のシステムを根底から揺るがすようなテロが企てられており,全ての脅威は六本木の街から始まろうとしていた。

公安の目をかいくぐり,不穏な動きを見せる国家の要職を担うキャリア官僚たち。その中には,与党幹事長・伊達國雄(香川照之)の姿も含まれていた。相次ぐ脅威への過剰反応(シンクロ)に苛まれる井上。さらにテロリストの魔の手は,警護にあたる井上,笹本(真木よう子),山本(松尾諭),石田(神尾佑)ら第四係のメンバーにも襲い掛かってくるのだった…。

公開当時はTVスペシャルなどの“復習篇”が放送されたが,TVドラマ版を見たことのない人には,いきなりこの『野望篇』は,細かい設定などに疑問符が付くかもしれない。それでも,スピード感と,徐々に高まる緊張感に呑まれながら見てみて。すると,不思議と何となく判ってくるはず。

TVドラマ最終話からの流れの変化には,ファンの間からも賛否両論あったが,今になって見直すと,やっぱよく練られてるし面白い。駆け出し期の綾野剛の出番は少ないが,妙に印象的だったりする。


映画クタ評:★★★★


右矢印香川照之作品まとめ

右矢印綾野剛作品まとめ

右矢印波岡一喜作品まとめ

右矢印堤真一作品まとめ

右矢印岡田准一作品まとめ

右矢印でんでん作品まとめ

右矢印松尾諭作品まとめ

右矢印野間口徹作品まとめ

右矢印丸山智己作品まとめ

右矢印真木よう子作品まとめ

右矢印堀部圭亮作品まとめ

右矢印平岳大作品まとめ


◆シリーズ一覧◆

SP THE MOTION PICTURE 革命篇』(2011年)