キャスト:岡田准一/真木よう子/香川照之
配給:東宝
公開:2011年3月
時間:128分
『野望篇』の5ヶ月後に公開された続編。シリーズの構成的には“THE Final Episode”とされている。この年に発生した東日本大震災により,全国で4割ほどの劇場が休館や上映時間縮小を行っていたにも関わらず,『野望篇』に続き30億円以上の興収を記録した。
官房長官・田辺晋一(蛍雪次朗)を狙ったテロ事件から2カ月。死闘を繰り広げた警視庁警護課第四係のメンバーたちは,通常任務に就いていた。しかし,尾形(堤真一)への不信感がいよいよ頂点に達し,一人苦しむ井上(岡田准一)。一方,与党幹事長の伊達(香川照之)やキャリア官僚らとの接触が疑われる尾形の動きを探ろうと,公安の田中(野間口徹)も調査を進める。
そして,ついに謎に包まれていた尾形の野望が形となって現われる。尾形から別室の捜索を命じられる第四係の井上,笹本(真木よう子),山本(松尾諭),石田(神尾佑)。伊達や,新第四係のメンバー,さらには謎のテロリストグループが国会に集結する中,麻田内閣不信任案の採決が行われようとしている。意を決したように動き出す尾形。国会議事堂に銃声が響く。全国民が注視する生中継のさなか,衆議院本会議場がテロリストによって占拠されてしまうのだった…。
渇望感を煽って終わった,壮大な“前フリ”となる『野望篇』と較べ,一転,何気ない日常の描写から始まる『革命篇』だが,原案・脚本の金城一紀のもともと考えていた構想だという。SPメンバーのプライベートが描かれることで,リアル感と緊張感が高められてゆく。
連続ドラマ,スペシャルドラマ,映画へとステップアップしてきた『SP』シリーズの目標は“アクションの金字塔を打ち立てる”ことだったとか。主演の岡田准一はもちろん,真木よう子,松尾諭,神尾佑といった第四係の面々が,このシリーズで見せた個性とアクションの,後発のドラマ・映画への影響力は計り知れない。
ただ,個人的には,井上の言う“SPの崇高な精神”や,尾形の“大義”を,もう少し画像として判りやすく踏み込んでほしかったし,伊達が尾形の兄だという関係性も,映画版だけでは掴みにくい部分かもしれないと思う。
クタ評:★★★★☆
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◆シリーズ一覧◆
『SP THE MOTION PICTURE 野望篇』(2010年)