テッド | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Ted
監督:セス・マクファーレン
キャスト:マーク・ウォールバーグ/ミラ・キュニス/セス・マクファーレン
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/東宝東和
公開:2013年1月
時間:106分




『トイ・ストーリー』シリーズは好きなんだけど,ずっと違和感があった。その違和感の原因を教えてくれたのがこの『テッド』。つまり意識を持っているウッディやバズの内面は,最初から10年後設定の『3』までずっと青年期(?)のままで,まったく年を取らないのに対して,テッドは幼少期からジョンと同じスピードでオヤジ化してゆく。国民的キャラクターとして一世を風靡する青年期を過ごし,落ちぶれて,酒と女とマリファナ漬けになってる。うん! こっちの方が断然生命の理にかなってる! って思ってしまった。

1985年のクリスマスの夜。友だちのいない孤独な少年ジョン(マーク・ウォールバーグ)は,神様にあるお願いをする。すると奇跡が起こり,大好きなテディベアの“テッド”に魂が吹き込まれ,人間のように動いて喋り出したのだ。以来、片時も離れず友情を育んだジョンとテッド(声:セス・マクファーレン)。やがて月日は流れ,27年後。ジョンはすっかりダメ中年オヤジに成長し,一方のテッドは姿こそ昔と変わらない愛くるしさだが,中身はジョンに輪を掛けて不良で下品なエロオヤジになっていた。そんなテッドの存在に我慢ならないのがジョンの恋人ロリー(ミラ・キュニス)だった。勝手気ままなテッドのせいでジョンとロリーの生活は引っかき回されっぱなし。ついに怒りが爆発したロリーは,テッドを家から追い出すようジョンに迫るが…。

大人になりきれない男たちのハートフルストーリー…と,敢えて言おう。男性ならテッドの悪友ぶりに大喜びするだろうし,女性だって下品だけど見た目で許されるジョークにくすりとするはず。日本人には馴染みは薄いかもだけど,2人が子供時代を過ごした80年代の懐かしネタをちりばめたり,大物スターが実名で登場したりとお楽しみも盛り沢山。でもって,おバカな笑いをまき散らしながらも,最後はお約束通りに愛と友情で胸を熱くさせる。

2012年のユニバーサル作品としては『スノーホワイト』『バトルシップ』を抑えて最高の売上だったのも,正直に生きることを楽しむ2人への共感だったんじゃないだろうか。

ちなみに,テッドの声は監督が担当している。日本語吹替えは有吉弘行。

続編『テッド2』は8月28日公開。地上波で放送なんてできない本音と本能の笑いを,ぜひ劇場で。


映画クタ評:★★★★


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