ジルヴァーナーみたいなリースリング | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

ジルヴァーナーみたいなリースリング

備忘録のつもりで始めた「飲んだワインの記録」やこの「リースリング日記」だが
記憶というものは本当に好い加減極まりないものだと、自分の書いた文面を読み返してみてつくづく思う。

特にワインなどという酒にまつわる記憶など、エチルアルコールが脳細胞に抑制的に作用する訳だから
(いや、脳細胞の10個や20個、ひょっとして100個ぐらいは飲む度に壊死してしまっているかもしれない)
それを後で、「はて、どんなだったっけ?」などと思い起こしてみたところで甚だ怪しいものである。
そこへ行くとこの記録、そのほとんどがボトルを開けてまず1杯目の、未だ素面のうちに
食卓横のパソコンに入力しているものなので、後になって記憶と食い違っていてもこっちが断然正しい。

最近とみに脳の劣化を痛感している身にとって、やっぱり後で記憶の修正を図る上でも
この拙い記録はそれはそれで意味のある存在のようである。
ホルスト・ザウアー醸造所の2013年産、エッシェルンドルファー・ルンプ・リースリング・カビネット・トロッケン。
この生産者で最も廉価なリースリングを開けた今夜、これまたそんな好い加減な記憶の再入力が必要であった。


スクリューキャップ。緑色がかったレモンイエロー。トップノーズは赤リンゴや洋梨、黄桃。
スワーリングすると青リンゴや青バナナなど、香りは青っぽく変化する。冷涼な果実香。
口当たりは柔らかでジューシーな果実味。酸は穏やかでミネラル感も地味。まるでジルヴァーナーのような味筋。
こりゃ単独で飲んだらきっとリースリングだとは判らないと思う。

アフターにこれまたジルヴァーナーチックな少々キレの悪いホロ苦さ。
思わずエチケットを再確認せずにはいられないほど。すべては酸の弱さがなせる業なのか?
重心は例年に比べるとやや低めで、終盤になって漸くミネラルが主張し始める。
うーん、しつこいようだがこれホンマにリースリング?

で、「こんなだっけ?」と思ったので過去の記録を読み返してみて驚いた。毎回同じような事が書いてある。
2011年産なんて同じザウアーのジルヴァーナー・カビネットと並べて飲んでみて
あろう事かリースリングとジルヴァーナーを利き間違えているではないか。おまけに畑も違うのに、である。
おいおいヤバいよ~完全に忘れてしまってるよ、若年性のナントカかなぁ?σ(^_^;)

翌日も相変わらず重心低めの飲み口。青系の果実味と淡白で粉っぽいミネラル味、そしてマイルドな酸。
何となく緩い味筋。それにしてもここのカビネット、本当にジルヴァーナーみたいなリースリングである。84/100
(過去のヴィンテージ→2012年産2011年産2010年産2009年産

2013 Escherndorfer Lump Riesling Kabinett trocken
Weingut Horst Sauer (Escherndorf/Franken)

A P Nr 4397-026-14,Alc 12%vol,9.50€