ありゃ?これザウアーだったよな
今年の大阪は、梅雨入りしてからほとんど雨が降っていない。
特にここ数日の暑さや日差しはまるで真夏のようで、これでは夏の水不足が今から心配である。
田植えの遅れている田んぼも目立つしなぁ...自然を相手にする稼業の辛さを改めて知る思いである。
それに引き換え人を相手にする稼業の我が身はある意味で気楽な反面、別の意味ではストレスフル。
今日も今日とて、喋り過ぎの乾いた喉と、単調な日々の中に埋没して恵みの雨を欲しているが如くの心、
それらを潤してくれる一抹の清涼剤たるリースリングを開ける。
ホルスト・ザウアー醸造所 のフレッシュなカビネット、2012年産のエッシェルンドルファー・ルンプ。
スクリューキャップ。緑がかったレモンイエロー。グラスに注ぐとかなりの発泡性。
熟したリンゴやアプリコット、洋梨、若干のパイナップル等、新鮮な果実がはち切れんばかりに充実した香り。
あと、燻製っぽいニュアンスが少々。
香りに反して果実味はそれほど豊満でもなく頭でっかちでもない、実にスリムで青い果実系の味わい。
酸は当たりは柔らか、凝縮度は高く、伸びはそれ程でもない。
ミネラルは重心高めでサッパリとしていながら、中盤からアフターにかけてなかなかの収斂感。
柑橘の薄皮系のホロ苦い余韻。
翌日。酸がマイルドになり果実味は膨らみを増して、ちょっとシンプルながらもなかなかジューシー。
果実味に包まれて、後苦ミネラルもあまり目立たない。
3日後、最後の1杯を。過度の果実感は和らぎ、酸・果実味・ミネラルの均整がとれた
ゴツゴツとした骨太い酒躯で、この日が最もフランケンワインのイメージらしい男酒だなぁという印象。85/100
「グラス3杯生活」にもすっかり慣れてしまったせいか、最近は2杯も飲めば良い塩梅にトロ~ンとしてくる。
それでぼんやりと3杯目を飲んでいた時だろうか。
なんか一瞬スカッと頭の中の思考回路が飛んで、脳ミソがスッカラカンになったような瞬間があった。
当然何を飲んでいるのかも分からなくなり、その時グリュンホイザーを飲んでいるのかと錯覚してしまった。
まぁ両方ともお気に入りの生産者だから似ていなくもない筈だが、土壌も造りも全然違う訳で
どこに共通性があるのか甚だ疑問である。空梅雨の事より自分の脳ミソを心配した方が良いかもしれない。
2012 Escherndorfer Lump Riesling Kabinett trocken
Weingut Horst Sauer (Escherndorf/Franken)
A P Nr 4397-008-13,Alc 12.5%vol,9.30€