327.告白~もっと早く打ち明けていたら お前に余計な傷を負わせずに済んだのに…ごめんな | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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「シンくんの事ちっとも信じなくてごめんね?怒ってる?」
「ああ 怒ってた」
俺はチェギョンがしゅんと項垂れるのを確認してから ふっと笑った
「でももう怒ってないよ」
ちんちゃ?と小さく発しながらガバッっと顔をあげる 妻
「ああ 俺の為というより あの女の為にも思えたが…
まぁ あんなに怒ってくれたんだ 充分だ
だけど 流石にもう解っただろ?
あの女の家族は俺の失言が原因で一家離散してしまったんだ
"あの女"なんて言ってはいるが 幾ばくかの負い目は感じている
王族の地位も官職も奪われ 地方に飛ばされた彼女の父親は ソウルへの立ち入りを禁じられ 妻に離縁された
彼女はその母親に 再婚の妨げになると捨てられたんだ
だからといって俺は 復讐心に負けて追い堕とされて良い立場では無い
強い姿勢を見せないと…
お前の前ではおくびにも出さなかったようだが俺には初めから敵意剥き出しだったんだぞ?
気の毒ではあっても… 殺されかけたんだ 解って くれるよな?」

チェギョンは信じていた友人にどうやら初めから騙されていたと知ったショックと 友を失った喪失感のせいか… への時に結んだ口で無言のままコクりと頷く

「もっと早く打ち明けていたら お前に余計な傷を負わせずに済んだのに…ごめんな」
「ううん…自分が人に恨まれてるとか その理由なんて シンくんじゃなくても 誰だって言いたくないよ
それに ミニョンさんのお父さんの件は シンくんのせいなんかじゃない
皇室に仕える者は 知り得た秘密を他言してはならないっていう掟が有るのは あたしでも知ってる
そんなに厳しい措置を採られたってことは なにか重大な秘密を漏らしたんだわ
シンくんは覚えてないの?何を言われたか…ああ いい聞かない 聞いちゃいけないんだわ」
「ふっ チェギョンはすっかり皇室の一員だな」

チェギョンは あの女が春休みに東宮殿を訪れた際 "悪意など無かった あれは俺の呼吸が止まった為に行った人工呼吸だったのだ"と説明されて信じたのだと言った
小さく溜め息を吐き カウチに並んで座るチェギョンの肩を抱いた
「俺を殺したいほど憎んでる女が俺を助ける筈が無いだろう?」
そうだね…と頷きながらチェギョンはやっぱりまだ腑に落ちない表情をしていた

「ニャーン」
「JiJi …」
チェギョンは脚元にすり寄ってくる青い瞳の黒猫を抱き上げ 喉元を撫でる
グルグルと喉を鳴らすJiJi
「チェギョン?まだなにか…考えているのか?」
「アニ…クニャン…アムイルオプソ…/ううん…ただ… 何でもない」
JiJiを胸に抱くチェギョンはすっかり意気消沈していて… 俺は黙ってJiJiごとチェギョンを抱き寄せ その頭を俺の膝に乗せた
「少し眠れ」
「うん…ありがと」 
チェギョンが 何でもないと言いつつあの女に同情している事は 解っていた
ただ まさかあの女がそれでもやはり 本当に俺に好意を寄せているなどと考えていたとは…思いもしなかった

友人達との時間を楽しんでいた筈の東宮殿の女主人にいつもの元気はみる影もなく
侍従の者達はみな心配し 妃宮様は如何なされたのかと俺に訊ねた


「妃宮…昨日の友人との一件は 解決したか?」
翌朝上殿に挨拶に上がるなり 母上がそう仰った
チェギョンらしからぬ姿を目撃したんだ 無理もない
だが俺は チェギョンには答えさせず なんでもなかったのだと答え それで済ませたかったんだが…
「ホントになんでもなかったんです
あたしが勝手に誤解して ヤキモチ妬いちゃっただけなんです
以後気を付けます」
何か聞かれたらと チェギョンなりに笑い話で済ませるための尤もらしい言い訳を考えて置いたんだろうが…
ペロリと舌を出して笑うチェギョンの思惑は無残にも
「おも…皇太子殿下も隅に置けませんね」
キム・ミニョンの復讐心を焚き付けて俺達の元に差し向けた恵政殿皇太后のこの発言によって打ち砕かれ
母上だけでなく同席された誰もが皆 俺がチェギョンに嫉妬させるほど他の女と親しくしたのだという印象に終始したようだ
大人達の冷ややかな視線が向けられる… ははっ

「いえ 私なんて父上や伯父上ほどモテませんよ… ふっ」
恵政殿皇太后には それ以上言わせない一言で固守する
別に俺が皇室の家族にどう思われようと構わないが…
もしチェギョンが実際嫉妬するとしたら おそらく女ではなく俺の方が打たれそうじゃないか?
何やってるのよ!ってさ

 

 

今日もありがとうございましたカムサハムニダ
続きは来週月曜日1/25です→ 328.女三人旅~あの~ちなみにこの子…何歳ですか?

 


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