328.女三人旅~あの~ちなみにこの子…何歳ですか? | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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東宮殿に集う客人の中には ソンが産まれた折りに祝ってくれた者も多い その礼も兼ねて挨拶せねばと 東宮殿を訪れてみれば 客人は皆庭へ出たと女官が言うので パビリオンからテラスへ出ようとしたところだった…

「……!……!……!
許さない!誰が許しても私が許さない!」
妃宮の物とは信じがたい 怒りに駆られたようなその声が この耳に届いた
妃宮の怒りの矛先はおそらく その目の前で自らの頬を押さえて呆然と立ち尽くしている娘
妃宮が…その娘の頬を…打ったのか?
どうやらそのようだ…
スンレの娘らしく明るく真っ直ぐなシン・チェギョンが 東宮殿に自ら招いた客人の頬を打つとは…
見覚えのあるその娘は…王族の娘…確か…
恵政殿皇太后が観梅会の折りに妃宮の実家と比較していたユルの妃キム・ミルの父親の…本家の娘では無かったか…
「何事ですか…?」
蒼ざめる妃宮と娘を余所に シンが平然と何でもないのだと私の視線を遮るように立ち 妃宮を宥めると 誤解が有ったようだ 私が失礼を…と言う娘をもう一度じっくりと見据える
私が口を挿む事では無いのであろうから… 和解せよと言ってその場を離れたが…
他人に対し 妃宮があのように憤慨し取り乱す姿など初めて見たのだ よほどの事であろう?
いったい何が有ったというのだ…?


昨日の東宮殿での一件が 気になって仕方が無かったとはいえ 挨拶もそこそこに皆の前で問い糺してしまったのは 迂闊であった…

「妃宮…昨日の友人との一件は 解決したか?」
昨日同様 妃宮に問うておるのにシンが誤魔化そうとするので 妃宮に目で問いかけると
「ホントになんでもなかったんです
あたしが勝手に誤解して ヤキモチ妬いちゃっただけなんです
以後気を付けます」
舌を出して笑う妃宮の表情は晴れやかとは言えず
「おも…皇太子殿下も隅に置けませんね」
伯母である恵政殿皇太后の皮肉に…
冷やかに息子が答える
「いえ 私なんて父上や伯父上ほどモテませんよ… ふっ」
そのような冗談は笑えぬ!と睨むこの母の視線をさらりと躱して 皇太后へ威圧的な視線を送る
やれやれ…
妃宮は笑顔を作ろうと頬を引き攣らせている


「妃宮は…シンのせいで友人をひとり失ったらしいのです」
上殿から下がる途中東宮殿へ遣いを送り呼び戻したチェ尚宮に 妃宮と友人の諍いについて…問い糺した結果を 義母である太皇太后の耳に入れて置きたかったので 午前中の内に茶菓子を持って此処(上殿)へ舞い戻った
「なんと…」
「どうやら そもそもシンに近付く為に妃宮に取り入ったのだとか…
妃宮の周りにはこれまでそのような不実な輩もおらず…酷く傷付いて 沈んでいるのだとか
妃宮を…紅葉狩りにでも連れ出してはどうかと…」
「それは良い!私の愛車で行こうではないか」
ええっ!お義母上さまっ!?
早速尚宮を呼びつけて ご自分の滅多に乗らない愛車を点検するよう手配をしていらっしゃる
妃宮と二人で 温陽の御用邸にでも一泊二日…と考え 許しを得るつもりが…
思わぬ方向へ話が転がった

「温泉なんて何年振りだろう!?おばあ様 お義母様ありがとうございます!」
そう喜んでいた妃宮が…太皇太后の愛車を目の当たりにして言葉を失う
「お…おばあ様?本当に乗っても大丈夫なんです…よね?」
「古い車だが大事に手入れしておる 安心して乗りなさい」
「あの~ちなみにこの子…何歳ですか?」
「ほ…ほほほ 妃宮は本当に面白い事を言う
車も人も問題は年齢では無い ささ 出発じゃ」
「この車の年齢はおそらく私と同世代かと…」
妃宮に耳打ちすると 妃宮はぶるっと身震いをした

女三人旅には 勿論皇帝も皇太子も大反対であったが ここは男子禁制を貫き 三人でゆっくり語り明かそうと結託し押し通したのだった
イギサ達の乗る黒塗りの車が前後に一台ずつ…
挟まれたこの古い黄色のフォルクスワーゲンが…妙に浮いているのは否めないが…
とにかく 女三人旅は始まった


「わ~ほんとに走ってるぅ~
おばあ様は車の免許をお持ちだったんですね」
前髪が風に吹かれて額が丸見えの妃宮は満面の笑み 連れ出して正解だったようだ
「自動車の運転免許なら 皇后も持っておるぞ?」
「え!そうなんですか?!わ~!いいなぁ~私も免許取りたいなぁ~」
「取れば良いではないか」
いや…それはシンが何と言うであろうか
「え!いいんですか?!」
「旅から戻ったら早速運転の練習をするといい」
「はいっ!」
妃宮はもうすっかり その気になっているようだ
仕方がない 妃宮の事となると些細なことも把握しておきたいシンのこと…
練習に付き合う時間を作って貰うよう陛下に打診するとしよう

 

 

 

 

今日もありがとうございましたカムサハムニダ
続きは1/29(金)…기다려주세요/キダリョジュセヨ
329.温泉と紅葉~あ~!たった一晩留守しただけなのに…寂しくて!

 

 

 

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