311.妃宮初めての海外公務~じゃあ …でもやるか? 覚悟しろよ? | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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大学一年の夏休み あたしはついに初めての海外旅行に出掛けることになった ひゃっほう!
でもね… 同時に初めての海外公務でもあるの 緊張しちゃうな…
去年の夏休み シンくんと二人でに行くはずだったフランス
ゴンドラの事故で行けなくなったあたしを残して シンくんひとりで…といっても外相も一緒だったけどね…友好的に話が付いたはずの『外奎章閣図書(ウェギュジャンガクトソ)』の返還が スムーズに行われていない事を 今年は二人で抗議しに行く事になったの
といっても勿論 ソフトに 友好的に ね…


フランスのシャルル・ド・ゴール国際空港へ到着すると 入国審査も他の渡航者に紛れることもなくVIPルームで荷物を車に積み込んで貰うまで待つだけ
人生初の海外旅行だけど…もしかしたらあたしはこのまま一生こんな風に エコノミークラスの窮屈さや 列に並んで馴れない外国語の入国審査とかでヘトヘトになる旅行を知らずに過ごすのかも…ちょっと申し訳ないほど贅沢な気もする

着陸の間もシンくんが手を握ってくれたから 怖くなかった
今も…まだ握ってくれてる
なんだか照れるな…

「陛下も言ってたが 遅くなった新婚旅行だと思って 気楽に行こうな」
皇帝陛下達に挨拶をして景福宮を出発し 仁川空港までの道のり 公用車の後部座席で そんな風に言ってくれたから あたしも思ってたことを言ったの
「うん 去年行けなかったのは寧ろラッキーだったと思う様にしよう?
だってあの頃はまだあたし達 完全に仮面夫婦だったもん 今は…ちがうでしょ?」
去年行っても…楽しめたかは怪しいし…
苦笑いで彼を見上げるあたしを見下ろしてたその表情(カオ)は 少し複雑な表情(カオ)だったけど… それから くっ と笑ったシンくんに オデコをコツンと小突かれた

「じゃあ バカップルのベタな新婚旅行でもやるか? 覚悟しろよ」
恋人繋ぎで手を握ってくれて コメカミにチュッとキスしてくれた
ああ…もう…
思い出したら汗ばんじゃう 繋いだ手も手汗でベタベタだよ?

「あ 先に化粧室に行ってくる 入ってて」
VIPルームの前で化粧室を振り返ってそう言ったあたしの手を やっと離してくれた
「ああ 待ってる」
今離した右手を軽く上げて VIPルームのドアの前
壁に背を凭せ掛けるタイミングで 腕時計をチラリと確認してから腕組みする
ふふふ…先に入ってていいのに

用を済ませて汗ばんで崩れたお化粧を直して戻ってみると VIPルームの外で壁に凭れていたシンくんに親しげに話しかける女性の横顔
近付いてきたイギサも シンくんが手で合図して払った… って事は 知り合い?
誰だろう…?
あ!
ヒョリンさん ヒョリンさんだわ…

シンくんが 知らせたのかしら…

海外に行くか?って言った時のシンくんの顔を思い出す
あたしが…公務に明け暮れる日々にうんざりして あたし達のこと知らない人ばかりの場所でのんびりしたいって言ったから…内容は気乗りしないけど行くかって言ってくれたのがこの公務
しかも そんなあたしのために 今回の渡航はフランスのメディアで公表しないように取り計らってくれたと言ってたよね?
それなのに…
直接知らせなきゃこんなところでバッタリ会うなんてこと…無いはず だよね?

ハッ!
あたしってば ヒョリンさんと目が合った気がして 思わず壁に身を顰めてしまった
いや どうしてあたしが隠れる必要があるのよ!でも…
こっそり覗き見るなんて…オカシイよね…だけど…つい様子を覗ってしまう

「……」
「……!」
笑い合う声が聞こえてきたけど フランス語なのかな?何を話しているのか解らない
と思ったらシンくんの耳元に顔を寄せてコソコソと耳打ちなんかしてる
ヒョリンさん…さっきあたしと…目…合ったよね?違った?気の所為?
それとももしかして
あたしが見てると解ってて…わざとフランス語で話したり…耳打ちしたりしてるの?
嫌な汗が額に滲んで 握り締めていたハンカチで拭った

飛行機の中で シンくんがずっと握ってくれていたこの左手…
離陸の時 怖いなんて一言も言わなかったのに 気付いてくれて… 握ってろって差し伸べてくれた温かなシンくんの手に包まれて…
離陸してもずっと離さないで居てくれた
お喋りして 眠って 食事して 長い渡航時間も あっという間に感じた二人だけの空間
フランスに着いてからもきっと随行の内人とイギサさん達以外に邪魔される事も無く一週間心置きなく新婚旅行気分を味わえると思っていた
さっきまで ついさっきまで 幸せな気持ちで居たのに…
どうして?ヒョリンさんと会うとか…何も言って無かったよね?

シンくんが ヒョリンさんのオデコをコツンと小突いた
それ…あたしにいつもする…
ヒョリンさんにも するんだ
あたしは胸の中に黒いモヤモヤが沸き起こるのを止められなかった



今日もありがとうございますカムサハムニダ
この続きはしばらく置いておいて…
サイドストーリーの続編を数話お送りします
ええ~~っ!?って声が聞こえてきますが…たはは
散々お待たせして置いて申し訳ありません
お話の流れにおける事情がありまして
次回更新は10/5(月)です→内容はお楽しみということで伏せておきますね(笑)
本編この続きはおそらく10月半ばとなります→312.初めて二人で海外公務~ どういたしまして 俺は胸の中で呟く

 
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