122.雪だるま~わかるさ こんなの景福宮に作ろうなんて誰も思わないよね | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→121.謎~怒りんぼうなのは解ってるけど…尋常じゃ無かった
このお話は 112.50周年の芸高祭Ⅱ~取り巻きならいっぱい居ますのよ?! に次ぐユル目線ですl


チェギョンはリビングからテラスに出て「広いテラス~ わっ!景福宮が見えるよ~」とはしゃいでいる
そんな後ろ姿を部屋から見守るシンは…もどかしいような…解りにくい顔をしている

「ねえシン 明日…心配?」
黙ったままだけど…僅かに表情が硬くなる

「母さんも悪い人じゃないんだけど…きっと細かい事色々言ってチェギョンの事落ち込ませるかもしれないよね」
「だろうな…」
間髪を入れず即答…ふっ…僕には 優しいただの母親なんだけどな…

母さんとシンはいつも牽制しあってるから…仕方ないか…
まあ明日は母さんも甥の嫁になる子がどんなものか…ただ探りを入れるだけだろうし…精々チクチク苛められるくらいだろう

「車がミニカーみた~い 学校はあっちかな~ うちはあの向こう…」
はしゃぐチェギョンを 目を細めて眩しそうに見てる

「講義終わる頃を見計らって お菓子を差し入れてあげるといいよ
女の子ってさ 落ち込んでてもすぐに笑顔になっちゃうくらい甘い物に弱いから
美術部もいつも絵の具の匂いに混じってチョコやキャンディの甘い香りがしてるんだ(笑)」
ちらりと僕をみて…
「ふ~ん…そんなもんなのか?」
そう言いながら また外を向く
「そう! あとキラキラしたものとかね♪ 覚えて置きなよ!?
いい?シン! チェギョンに優しくするんだよ?」
感心無さそうな顔して 聞いてるの?
「わかってるさ…」
シンが照れたように 口許をひきつらせて俯いた…
あ… ああ… チェギョンと目が合ったのか…
振り返ってニッコリ笑うチェギョンが此方に手を振っている
もう一度ちらっと顔を上げ 片手をあげて応じるシンは… 僕が今まで見たことのない…
なんとも言えないくすぐったい表情をしてた
ホントに…チェギョンのこと好きなんだなぁ…見てる僕まで照れちゃうよ…

翌土曜日…
書筵堂(서연당/ソヨンダン)から出て来た母さんに何かしら牽制の一言を放ち
暫くして出てきたチェ尚宮にも何かしら声を掛けた後…
縁側からチェギョンの様子を覗いていたシンが そっと入っていくのを遠くから見ていた
きっと大丈夫…そう思いながらも つい… 僕も心配性だよね…

僕の助言通り お菓子の入った紙袋を差し出すシンは 相変わらずぶっきらぼうなんだけど…
泣いてるチェギョンさえ可愛くて愛しくて堪らないんだろうな…今日は微笑んでる
チェギョンは どういうわけか 泣きやむどころか 大泣きしてるから 僕は焦ったんだけど…
シンは… 焦ってないみたい 穏やかな顔してる
がんばれ!シン 

翌週木曜日…
学校が入学試験のために休講だったので 東宮殿にシンを訪ねて行ったら 不在だった
帰ろうかなと思ったら 丁度チェギョンが午後の講義を終えて戻って来た
「ユル先輩!ユル先輩の口添えのお陰で 殿下がお菓子を差し入れてくれたんです!ありがとうございます!」
子犬みたいに駆け寄ってきて… 耳と尻尾が有るのが目に浮かぶみたいだよ
ホンット可愛いな くすくす
「シンが優しいと嬉しい?」
「えっ!?そ…そりゃあ…もちろん…だって殿下ってば凄く気難しくて いっつもムスッとしてて こ~んな顔してす~ぐ怒るんですよぉっ!
あんなに機嫌のいい殿下なんて 初めて見たかも」
僕に向かってしかめっ面を作ってみせる ふふふ はは おっかしい!
「そっか じゃあ お礼に何かくれる?」
「え?そ…そりゃあ何かあげたいですけど…あたしがユル先輩にあげられるものなんてなんにも…」
「時間を頂戴?チェギョンの時間」

「チェギョン嬢をお借りして 少し散歩してきます」とチェ尚宮に理を入れて 僕たちはテラスから庭へ出た
「チェギョンが作ったんでしょ?コレ」
東宮殿の庭には 二体の大きさの違う雪だるまが…コレってやっぱり…
「ば…バレました?」
はは わかるさ こんなの景福宮に作ろうなんて 誰も思わないからね…
「シンと チェギョン?」
あれ?コクコクとうなずきながら ポッと赤くなったのは… 気のせいじゃない…よね?
「雪遊びか~ イギリスに居た頃は結構自由だったんだけどなぁ~
僕も久しぶりにスノボやりたかったな」
「ええっ!?殿下…ユル先輩を誘わなかったんですか?!」
「はは 違うよ 卒業制作のメドが立たなくて断ったの 大丈夫 ちゃんと誘われたよ?僕らが仲イイの知ってるじゃないか
やっと完成したからね… 進学も推薦で王立大に決まったし あとはレポート出せば卒業を待つのみ! 明日は誕生日だし 今日明日は休息」
「え!ユル先輩明日誕生日なんですか!?ごめんなさい 私…知らなくて…なんにも用意してない!」
ああ…去年はクリスマスに祝ってもらったからね…
「いいよそんなの 気にしないで」
「あ じゃあ!一緒に雪だるま作りましょう!?」
「え!?いいの?」
なんか童心に帰ってワクワクしちゃうな

僕とチェギョンは二人で 真っ白で綺麗な雪を求めて庭を歩いた
月末は旧正月(ソルラル)だから…庭園にも来週TVクルーが撮影に入る…
どこでも良いってわけには行かない
「ここにしよう」
「えぇっ!?でも…この辺りは恵政殿皇太后さまのお庭なんじゃ…」
「平気さ 息子の僕が母親の庭に雪だるま作るんだもん」
僕は早速雪を丸めて転がし始めた

二体の雪だるまに 枝で顔や手を作って…
「完~成~!」
東宮殿のはシンとチェギョン
此処のは… 僕と母さんかな…
「わ もうこんな時間 大変!僕来客が有るんだった!」
時計を見ると 客人が来る約束の時間まであと四十分に迫っていた

シャワーを浴びて着替えなきゃ汗だくなのに
「え?殿下に用が有ったんじゃ…」
「ううん ただ遊びに来ただけ また来るよ
そう伝えといて!楽しかったよチェギョン!ありがとう またね!」
きょとんとするチェギョンを残して 僕は急いでペントハウス(ヘヤ)へ帰った

 

 

 

 

 

 

 

雪だるま今日もお読み頂き ありがとうございます雪だるま


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