112.50周年の芸高祭Ⅱ~取り巻きならいっぱい居ますのよ?! | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→111.50周年の芸高祭Ⅰ~無性に腹が立って 気が付いたら音楽室に脚を向けていた
このお話は 103.パーティーⅢ~それって既に君が僕を誘ってるじゃないか に次ぐユル目線のお話です


僕にとって最後の芸高祭が開幕した
今年は 古くは文芸学校と呼ばれ生徒の年齢も多様な小さな学校だった頃から数えて50周年を迎える韓国芸術高校の今年の芸高祭は 三日間かけた大イベントになる
美術科三年は音楽科と共に 体育祭で披露した以上のアートパフォーマンスを準備していた
一学期の後半から 構想を練り 今までは任せっぱなしで公務に逃げて来たけど 今年は僕もクラスの中心に居た それもこれもみんな同じ美術部の仲間のおかげだった
美術科三年の二クラスは 準備万端だった

初日の朝一 もう間もなくスタンバイする為に 荷物を運び出していたところへ僕を呼ぶ声がした
「殿下~!ユル殿下!やっと見つけましたわ!案内して下さらない?」
「キム・ミル…え?君 ひとりで来たの?」
僕と彼女の踊る姿が記事になってミル嬢とキム家の顔を立てて一応友人として交流が有ると広報から返事をしたせいか 学校でも友達にシンの婚儀が済んだら結婚するのかとからかわれては居たけど 実際に会ったのはあれが初めてで今日が二度目なのに…
「あら…いけません?私…友達居ないんですもの… あでも…取り巻きならいっぱい居ますのよ?!」
はは…この子は…
この前 ジュヨンとジテ ジヌに会ったときも 新聞記事を読んだ彼らは僕に言ったっけ 止めて置けって 我儘でお姫様気取りだから大変だよって 確かに 完全マイペースの御姫様だ
「僕は11時からアートパフォーマンスに出演するんだ…それが終わったら案内してあげられるけど… 何処かで待って居られる?」
「ええ!待って居ます アートパフォーマンスはどちらで?」
「グラウンドだよ 渡り廊下から見るのが全体を綺麗に見れるよ」
素直に目を輝かせて「渡り廊下で待ってます!」と飛んで行くキム・ミルの後ろ姿を見送る
あのパーティー以来ちょくちょく電話やメールをくれる彼女…なんだかすっかり懐かれちゃってる
けど… 僕は ギョンやファン ジテ ジヌが言うほど悪い子には見えないんだけどなぁ…
「とんでもない悪女ですよ」「金の亡者」「自分の価値を上げる道具にならない者は切り捨てる」
「無情」「非道」云々…
くすっ まあ…僕のこと「自分の価値を上げる道具」として見ている可能性は有るかもね

音楽科の奏でる国楽と管楽器の融合する新しいシンフォニーの中で 僕とキム・ユニの他4名の美術部員を中心に 半数が大きな筆を持ち 交代で 二つの大きな絵を描き上げて行く美術科三年
コレが僕らの集大成 コレが終われば後は 大学受験 就職 それぞれの道を決める
描きあがった時の盛大な拍手と 達成感に 涙が込み上げてきたところに
「ユル!お疲れ!今までありがとう」
ユニの言葉で 僕の涙は溢れて零れ堕ちた

そのあと 僕はミル嬢を案内して校内を回り
講堂で演劇映画科の演劇専攻クラスの舞台を一緒に見ていたら
僕の腕をグイッと引っ張って小声でこう言った
「殿下…どうしよう私…準備してなくて…」
震えている…?なに?「どうしたの?」
「その…アレ…」
僕はちっとも解らなくて戸惑ってしまって…とにかく席を立って講堂を出ると
「化粧室に…連れてってください…」
「トイレ?」「…はい…」
女子トイレの前で長い事待って居る間に彼女が「準備してなくて…」「アレ…」と言った事をふと思い出した僕は その瞬間赤面した////
「あ…そういうことか…」
「ミル嬢…気が付かなくてごめんね…だれか女性を連れてくるね…」
そう声を掛けてから 保健室へ向かった

保健室のドアをノックして声を掛けた
「先生居ますか?キム・ソナ先生?」
居ないみたいだ…参ったな…と廊下へ出たところで
ラッキーなことに シン・チェギョンが通りかかったんだ
「チェギョン!助かったよ!ねえあの…アレ持ってない?」
「アレ?ですか?アレって…え?何?アレ?」
う~ 解ってよ… って僕は使わないし 解るわけないか
「あの…ほら…覚えてない?シンの妃候補だったキム・ミル嬢…彼女が来てて…準備してなかったんだけど来ちゃったらしくて…その…月のモノが…」
「あ!あ~!なるほど!保健室の前でアレって言えばソレか もうひとつのどっちかだと思って…男の人がアレは要る訳ないし…焦っちゃった」
は?もうひとつ?ってもしかして…ゴム製のアレ?ってそんなわけないだろう!!////
って ふたりして赤くなってる場合じゃなくて!!
「あ 今その子ドコにいるんですか!?私一つしか持ってないから 友達に聞いてみます」
と言ったかと思うと もうちゃちゃっとメール送信しちゃった
ほっ… 女の子って大変だな…
「でも…どうしてミル嬢が来てるの?…もしかして…殿下に会いに?」
すっごく困った顔…
「あ…いや…心配しないで!ミル嬢は僕に会いに来たんだ
はは…なんか気に入られちゃったみたい…」
「え!そうなんですか?」
「シンとチェギョンの記事と一緒に結構新聞沙汰になったんだけどなぁ~ 気が付かなかったんだ?」
僕はわざとチェギョンをからかってみた
「うそ…あたし…自分の事でテンパってて気が付かなくて…ごめんなさい…」
はは
「いいよ~ 気にしないで?」
なんて話してる間に 講堂の近くのミルの待つ女子トイレに着いた
「キム・ミルさん?どこ?」
「…は…はい…」微かに声が聞こえる…僕は少し離れた日だまりで二人を待った
あ いいこと思いついちゃった 僕はシンにメールを打った


「助かりました~お姉さま!」
場所を移動して露店のテーブルを挟んで ホットココアをすするミルがチェギョンに笑顔を向ける
「お…お姉さま?!だって同い年でしょう?」
「でも!私は3月生まれなんです チェギョンさんは4月なんでしょう?」
「なんで知ってるの?」
「え~!ライバルの情報はちゃ~んとチェックしたもの!チェギョンさんって おっとりしてるんですね?」
っていうか君はやたら色々詳しいよね?
やっぱりこの子ってギョンやジテ達が言うように侮れない子なのかな…?
話しているうちに解ってきた 博学で 何の話をしてもハキハキとよく話すこの子
最初は弾丸トークだと思っていたけど それは話題が定まらない時の話題提供だ
僕らが美術科で美術の話にすんなり乗ると ちゃんと聞き役に回ることも忘れない…
ふつうの高校二年生よりずっと利発だ…

そこへ女子生徒のざわめきと共にシンがやってきた
「遅いよシン 待っちゃった」
僕らも今座ったところなのに わざとそう言った
「なんだよ… こんなとこに呼び出すなよ」
「いいだろ?たまには」
「こんにちは皇太子殿下!」
くくくっ!シン驚いてる
「心配しないで 僕に会いにに来たんだよ チェギョンとも仲良くなったから」
「…そうなのか?」
「うんっ!」
にっこり笑うチェギョンに ほんの少しだけど確かに ホッとするような和らいだ表情を見せるシン…
ほらね…やっぱりこの結婚は正解じゃないか…良かった…
僕は婚約式の時 キム・スヒョンさんが言ってた事を思い出す
-チェギョンはシン殿下が冷たくて怖いって言ってたけど…殿下は…チェギョンを本当は好きだよね?…チェギョンの話の端々でそう思うし… 今日見た感じでも…表情が…違うよね?-
そう シンをよく観察していれば チェギョンにだけ見せる顔が有ることに気付く…

「あ!いいなぁ~チェギョンさん!殿下に愛されてる~」
え!?ミルの声に僕も驚いたけどシンはもっと驚いていた
「な…何を言うんだ…」
「え?だって今すっご~く優しい顔しませんでした?」
わ~ すごい観察力!一発でシンの心を見抜くなんて!
「ミ…ミルさん!殿下を困らせちゃダメよ!」
「え?だって…」
「いいから…ヘンな事言うと殿下途端に不機嫌になるんだから!もうヤメテ!」
バシバシとチェギョンがミルの背中を叩く
くすくす…
シンが固まってる間に チェギョンはミルを連れて他の露店へ行ってしまった
「またバレちゃったよ?シン…チェギョンの事になると顔に出るから」
「うるさい…なんだよ…呼び出しといてからかうダケなのかよ…用が無いんなら もう行くからな…」
そう言って背を向けたシン
くくくっ可愛いなぁ…シン… 明後日はチェギョンと踊るんだろう?
僕は誰と踊ろうかな…
「ユル!こんなところに居たのね」
「ああ…ユニ…お疲れ」
「ねえ チェギョンの隣に居るあの子 だあれ?」
「ああシンの妃候補だった子」
「えっ!だって…チェギョンに決まったんじゃ…」
「違うんだ あの子あっさりしてて 全然気にしてなくて もうチェギョンと仲良くなっちゃったの」
「ふぅん…ホントに大丈夫なの?」
「あれ?君がそんな風に人を不審がるの珍しいね」
「だって…美術部のマスコット シン・チェギョンが幸せになる邪魔になるかならないかは重要よ?」
そう言われてみれば…確かに 今日は僕に会いに来たって言葉を 信じちゃってもいいのかな…
「…そうだね 僕がちゃ~んと見てるから大丈夫だよ」
「頼んだわよ うふふ」
美術部員にとって シン・チェギョンが皇太子妃になるというニュースは複雑だった
居るだけで華やぐ元気で可愛いマスコット的存在だったし イ・ミンホがチェギョンのこと好きだってのはもう誰の目にも明らかだったし… 皇太子妃になることを羨むシンのファンとはまた違った見方をしてしまうよね…
「あ!お姉さんダメ!ユル殿下は私の物なの!離れて~っ!!」
はは チェギョンに色々持たせたまま自分だけ僕の元に走ってくるミル…
ユニの腕をとって 僕の隣の席から立たせ ちゃっかり自分がそこに座り チェギョンに向かって手を振る
「チェギョンオンニ~!早く早くぅ~!」
確かにみんなの言う通り 遠慮なしのお嬢様だな…
僕は 呆気にとられているユニとチェギョンに「ごめんね」と笑って見せるのに ミルは何を謝ってるのかもわからない様子で「ん?」って顔してた


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