24.初めての二学期は大忙し~ウブな女の子なのよ! | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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王冠1 かならず はじめまして を お読みください 指輪
前のお話→23.夏の終わり ~知らなかったな…いつからお前
このお話は 22.おっかけ ~なんでだか… せつなかった… に続くチェギョ目線のお話です

二学期になると ありえないくらい忙しくなった
現代の韓国高校生は 厳しい受験戦争を勝ち抜く為に 朝から晩まで学校でお勉強漬けが普通なんだけど
我らが韓国芸術高校は 伝統文化から現代文化まで網羅した特別カリキュラムの上に 普通教科もみっちりやるの 英語はもちろん第二外国語なんかもしっかり…
二学期から始まったこの授業は 各学年で一斉に同じ時間に 美術科 演劇映画科 音楽科 舞踏科の枠を超えて 選択した各語学別に授業を受けるの
あたしとガンヒョンは 第二外国語に日本語を選択し ヒスンとスニョンは フランス語を選択してるんだけど
最初の授業を受けたとき 教室に戻ってくるなり ヒスンとスニョンが
「「皇太子殿下と一緒だった~~~~」」って 大騒ぎだったの
あたしもフランス語にしたらよかったかなぁ…
でも あたしは韓国の刺繍や韓服同様 日本の刺繍や着物に興味があったから
日本の本が読めるようになれたらいいなと思って日本語を選択したから… しょうがないか
そういえば
あたしたちの日本語クラスには 皇太子殿下ではないけれど そのご友人が居たっけ…
「ねえ あのふたり 皇太子殿下の取り巻き三銃士のうちの二人じゃない?」
そんな声が聞こえたあたしは その声の主が見ている方向に目を向ける
「あ~ ホントだ~ チャン・ギョンと リュ・ファンだよ~♪」
音楽科のバッチをつけた女の子たちは きゃっきゃとはしゃいでいる
「ばっかみたい 皇太子どころか その取り巻きにまで騒ぐのね」ガンヒョンの冷めた声
「ねぇ ガンヒョンってさ まえから気になってたんだけど… アンチ皇室なの?」
あたしは中学のころから気になってた事を聞いてみた
「え~ 別に そんなことないけど でもさ 皇室って言っても
政を執り行ってる政府がちゃんと存在してて 今の皇室はちょっとお飾りっぽいじゃない?
まあ そうは言っても 事実上一時は消えてしまった韓国っていう国を取り戻して 李氏王朝を韓国の伝統として守る為に存続することが決まった皇室だもん 存続するに値する何かが有るんだろうね あたしらなんかには理解できないけど
皇帝や皇后が視察に行くだけで 軍の士気が上がったり 被災地が元気になったりするんだからね… って あ なんか語っちゃった?」
「ううん… ガンヒョンって 色々考えてるよね… あたしなんてなんか 流されてるな~って思う 皇室の存在意味とか 政治とか考えたこともなかった…」
「別にそんなに深く考えてないって」ガンヒョンは顔をしかめて右手をひらひら振る
そこへ 一年 第二外国語日本語コースの担当教師が来た
「はじめまして キム・ハヌルです お会いできて光栄です」
先生の綺麗な日本語に ワクワクした

そして 忙しい二学期には 一年で最大のイベント芸高祭がある!
韓国の高校生が遅くまでお勉強とは言っても サークル活動の時間は一日の授業の終わりにちゃんと組み込まれてるの
美術部の共同制作 去年は韓国の伝統的文様をアレンジした壁画のような巨大な絵だったけど
今年は 韓国伝統文様を「春」「夏」「秋」「冬」四枚の連作にした
あたしたち四人は仲良しだから 縦割りで敢えて別々の絵を描くようにと 顧問の先生の指導が入っちゃった
スニョンは春 ヒスンは夏 ガンヒョンが秋で あたしは冬
冬の担当は一年生男子イ・ミノと 二年生のキム・ユニ先輩
そしてイ・ユル先輩 他に三年生が三人居るけど
大学受験で忙しい三年生は週一回のサークル活動時間内でしか参加できない
二年生は週二回 一年生は週三回なので 断然一年生の負担が大きい
プレッシャーだよ~っ!


「あれ~?ユニ先輩 今日ユル先輩は…?」
「そうなのよ~ イ・ユル 今日は地方の博物館の式典に参加しなきゃなんないらしくて お昼に帰っちゃったの~」
「え~ この前もだったのに~」
「ごめんって 謝っといて ですって… なんかこの先もそうゆうことになりそうだから お詫びに個人で小さな作品を用意するって言ってたわ…」
「マジですか?」
イ・ミノとあたしは二人揃って 項垂れる
「うぐ… ま 益々プレッシャーだよ~ ど~する~?ミノ!頼んだよ!」
「こら!お前が頑張れよ」
「大丈夫よ 下絵はもう完成してるし 配色も決めたでしょう?」
「あとはイメージ通りに仕上げていくだけ ですね」
「うん チェギョン ミノ がんばろう!」
「アジャ!ファイティ~ンッ!」「おうっ」

「あ~ も~ しんど~」朝から机に突っ伏すあたし
「ど~したでござるか?チェギョン~」
「ケンチャナ~? ほれほれ メロンパンはいかが~?」
「きゃ~んスニョン!ありがと~」
「ただじゃないわよ」
「え~ ケチ~」
あたしたちのやり取りを眺めてたガンヒョンが ふふんと鼻で笑う
「でもほんと どうしたのよチェギョン」
「今日日本語の授業あるでしょ~ 宿題やってない~
しかもその後は サークル活動の時間だよ~ ねえ 春夏秋の進み具合は? ど?」
「春はもうだいたい出来てきたよ」
「夏もでござるよ」
「秋もね」
「ひえ~~~ やっぱり ユル先輩が何日も欠けたのは大きいよね…」
「あ~ そっか ユル先輩はご公務で欠席が続いてたもんね」
「そ~なのよ~ 追い込みだわ~ もしかして今日は居残りかも…」
「居残りって 学校終わるの十時なのに しかも今日は二三年生来ない日だからミノとふたりじゃない」
「きゃ~ なんかあったらど~するの~」
「こらこら~ 勝手に言ってなさい…」
「なんだったらあたし手伝おうか?」
「ダメよ 秋も完成間近とは言え まだ完全じゃないんなら 頼めないよ…」
「ん~ 確かに…」ガンヒョンはメガネを押し上げる
「おはよっ」ん?あたしの頭の上に手を乗せたのは… 振り返ると… イ・ミノ
「あぁ ミノおはよ」
「なんだよ 突っ伏して 朝っぱらからへばってんのか?」
「う~ん なんか終わりが見えないのってしんどくない?」
「あ゛冬?そうか?う~ん…確かに厳しいけど~ ユニ先輩も居るし
俺結構順調だと思うけどなぁ チェギョン考えすぎだぞ お前らしくない」
「あたしらしくない? あたしらしいってどんな感じよ?」
「ん?能天気 無鉄砲 弾丸 パワー全開!って感じ?」
「な!なによそれ!人をなんだと思ってんのさ!」
「え~ 結構当たってるよ~ 更に言えば~ …」
「こら~!スニョ~ン!」
「お 元気出てきたじゃん」ガンヒョンの呟きも聞こえないくらい
あたしはスニョンとミノを追い回して教室を走り回った

その夜 10限目のサークル活動の時間を終えてもあたしとミノは居残りした

「なあチェギョン 腹減ってないか?」
「ペゴッパ~」
「だよな~ もう11時だもんな トッポギでも食ってこうぜ」
「うんっ!」
あたしとミノは芸高最寄りの駅前にいつも出てる屋台に並んで座った
「はじめて~! 夏はね 毎日スニョンの叔母さんがやってる食堂で パッピンス食べて帰ってたんだ~ ここのトッポギは美味しいって聞いてたけど 夏は夜しかやってなかったし 10限目終えて帰る頃は芸高生だけじゃなくてサラリーマンも 賑わってるから 女の子だけではちょっとね…」
「へ~ 俺何回目かな うまいぜ」
「やっほ~ いただきますぅ」
はふはふ おいひ~~~っ!!
「な?イケるだろ?」
あたしは無言で親指を立てコクコクうなずいた
「言葉が出ないのがうまい証拠だよな!」
熱くて辛くて 目に涙がたまったけど あたしはまだコクコクうなずいてた
「もう一息だな 来週2回のサークル活動の時間は来れるってユル先輩からメール来てた」
「ホント!? 良かった~ 今日でだいたいメドが立ったし 一安心だ
今朝は泣きかぶってたのにな」
あたしのマネのつもりか眉を下げて目をこするミノ
「んもう!過去の事は言わないで」拳をかざして頬をふくらますあたし
「過去になるの早いな~」あたしの頭を小突くミノ
「えへへ~」終わりが見えてホッとしたからか なんだか楽しいや

「お~ 芸高生~? 彼女可愛いね~ カップル?いいの~?こんな時間まで~」
サラリーマン風の若いアジョッシが からかうように話しかけてきた
「芸高祭のための居残りです!」 キチッと反論するあたし
「お!彼女威勢いいねぇ~!彼を尻に敷いてるんでしょ」 んもう!何言ってんのよ!
「そんなんじゃありません!」
「いいから ほっとけよ イチイチ相手すんな」
あたしに耳打ちして ミノはだまってヘラヘラ笑ってる
「だって そもそもカップルじゃないし!」何笑って済ませてんのよ!
「む… そこ重要なのか?」ミノがムッと口を結んであたしを睨む
「重要よ!あたしはまだ誰ともお付き合いしたこと無い初な女の子なのよ!」
「はは…そんなの自慢にならないだろ?」こらぁっ!笑うな!
「いいのっ! 初めての彼氏は大好きな人じゃなきゃ~」
「ぷっ 乙女チックだな」
「美術同様 少女漫画も愛してますから」

「あ~あ~ お熱いな~ じゃれあっちゃって 若いっていいね~ ごちそうさん」
サラリーマン風の若いアジョッシは 御代を置いて去って行った
「も~ ミノのせいで誤解されたじゃん」
「もうあうこともね~よ」 ミノはまだヘラヘラ笑ってた


♡今日も読んで下さって ありがとうございました。
  第二外国語→韓国では英語のほかに選択して外国語を習う時間が有るそうです
  今ノリにノッテるキム・スヒョンくんは日本語を習っていたそうですよ~
  でも書けないそうです ppp
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★ 明日は定休日デス
次のお話はあさっての朝08:18:18→25.カンバスの中 ~いったい俺がどんな顔をしたっていうん…