勘違いする社員、その傾向と対策 | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

自分もそうなので自戒の意味も込めて書く。


同じ会社に長年働いているといろんなことがわかってきます。

そして、そのわかったことから色んな弊害が生まれるんだなとも感じます。

付き合いも多くなるので顔を覚えている人も増えて利害関係を考えるようになり、担当する仕事も長年の経験から大体のことはそつなくこなしてしまい、会社の雰囲気に慣れてしまい緊張感がなくなったことから動じなくもなったり。



勘違いを生む感情


勘違いを生むその感情は、先に書いた「わかった」感覚が生み出すものだと思います。

いろんな人と付き合って利害関係がわかる中で、その人と付き合うメリットを感じ取って自分を優位に立たせようとしたり、長年会社にいる中で自分の経験と会社の歴史が重なってくることにより、その経験が貴重なものと重宝されてきたりします。


会社の歴史を知るものというのは結構ちやほやされるもので、何で今の業務がこうなったのかということに対して、「それはこういう経緯があったからだよ」というと新参者から妙に納得されたり、それを知らない人にとっては、その知らない隙間を生める知識を持っている人というのは貴重に感じたりするわけです。

そういう長年の経験が逆に勘違いを助長させるのかなと。


もう一つは、その業務をよく知っているから、何が起きても大抵のことは対応できたりします。

例えばとあるシステムの保守担当を長年務めていると、誰よりもそのシステムのことがわかるようになってきます。

そのコードは誰よりも読んだことがあるのであれば、それを改修する際でも影響範囲がすぐにわかったり、問題点や対応にどれだけのコストがかかりそうかももすぐに頭をよぎります。

ただ、それは誰よりもスキルがあるというわけではなく、単にその業務に慣れ親しみ、とっさにやるべきことがわかっているだけに過ぎません。



勘違いの弊害


こうして勘違いすることにより様々な弊害が生み出されていきます。

まず世界観を見失うことにより、自分が生きていける範囲をぐっと狭くします

自分が優秀だと感じているのは、まさにその場所だけであって、外部の市場価値を気にしなくなります。

(または目をつぶっているだけか)


次に、目標を見失うことこともあるでしょう。

変に業務をそつなくこなしてしまうと、それをより成長させるための手段を講じなくなります。

先に書いたシステムの保守を無難にこなせるようになったのは、そのシステムをよく理解しているだけの話であって、その保守の方法や技術的なレベルというものとは全く関係性がありません。

現在のスキルで十分にできるのは、そのスキル以上のものを必要としないからであって、そういう環境ではそれ以外の要素を取り込もうという考えもなくなってしまいます


次に、スタンダードを見失う可能性があります。

今やっている仕事の仕方というものが最も良い方法であり、他もそうやっているのだろうという勘違いです。

もちろんそれぞれ仕事の仕方というのは、その会社の特性や文化に左右されたりするところもありますが、それを調べることさえもしなくなるでしょう。

今やっていることがイコールベストな方法だということを信じてしまいます


次に、緊張感がなくなることにより、対応が十分でなくなる可能性もあります。

周りは知った仲ばかりになれば、多少の問題があっても許されるという雰囲気にもなってしまいます。

そうすることで、十分な検証やリスクの管理というものをせずに業務をしてしまうことが当たり前のことという風になってしまいます。


最後に、変化することを嫌う習慣ができます。

今の環境が心地よいものであればあるほど、変わることによってその環境が失われることを恐れて避ける行動に出るでしょう。

長年、そこで自分が積み上げてきたものが通用しなくなる可能性があるわけです。

今の自分があるのは、その経験が積み重なった結果であって、その苦労を台無しにされるのは勘弁してくれ、または居場所が無くなる警戒心が出てくるのでしょう。



まとめ


その勘違いをなくす方法は、他の人との付き合いを増やしてみることになるかと思います。

転職するのも良いでしょうし、別の場所で同業者と会って話してみるのも良いでしょうし、ネットでいろんな人のブログを読んで自分との考えの乖離を確かめてみるのも良いかもしれません。


他の場所での自分の価値というものが如何ほどであるのかということを確認する必要があるのかなと。

もしかしたら、勘違いだけでなく本当に優秀だったという場合もあるでしょう。

しかし、社内では当たり前と思って自分の価値を不当に低く扱われているのかもしれません。


要は、今の環境というものイコール世の中のスタンダードだということを勘違いしないための対策を打っておかないと本当に勘違いしてしまう人間になってしまうんだろうな、とそう思うわけです。