株主総会の実態 | IR担当者のつぶやき

IR担当者のつぶやき

上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

昨日発売の会社四季報に、2,300社にアンケート調査した株主総会のデータ集計が掲載されていました。


■会社四季報 秋号

 http://www.toyokeizai.co.jp/data/shikiho/shikiho/index.html


四季報の調査票についてたアンケート用紙を集計したもののようです。

項目は多くありませんが、以下の項目でランキングが掲載されています。


・来場者数ランキング

・総会の時間が長かった会社ランキング

・総会所要時間の増加率が高かった会社ランキング

・総会の時間が短かった会社ランキング

・総会所要時間の減少率が高かった会社ランキング

・質問数ランキング

・2期連続で総会で質問が出なかった会社ランキング

・総会当日に株主と交流を持っている会社


来場者数ランキングは、やっぱり、という有名な会社がズラリと並んでいます。

ダントツのトップはSONYで、7,163人。

2位はエイベックス6,038人。エイベックスは来場率(議決権を有する株主に対する割合)でも、18.2%と圧倒的な率を誇っています。

さすがに、エイベックスのコンサートを楽しみにしている株主さんは多いんですねー。

3位がワタミで4,577人。こちらも来場率は6.3%となかなかのものです。


私も見学に行ったJALやFANCLもなかなか上位にランクインしていました。

JALが4位で4,219人。前回比で1.5倍の増加です。

FANCLは6位。3,547人で、こちらは来場率5.2%、前回比、何と3.1倍ビックリマーク

すごかったんですね・・・。


両社の株主総会の模様は、こちらをご覧ください。


■JAL株主総会

 http://ameblo.jp/ir-man/entry-10037939187.html


■FANCL株主総会

 http://ameblo.jp/ir-man/entry-10036960459.html



総会の時間が長かったランキングでは、

堂々のトップはモリテックの6時間20分!!

当時の新聞でも、お家騒動を交えて、大きく取り上げていましたね。


ちなみに、モリテックは質問数ランキングでもトップで、なんと56問も。

答える社長さんも大変だったでしょうし、それに助け舟を出す事務局も大変でしょうね。

株主席側なら居眠りしようが勝手ですが、事務局やひな壇上の役員さんたちはあくびもできやしない・・・。

お手洗いはどうしたんだろはてなマーク



そのほか、パトライト5時間30分、シンニッタン4時間40分などが続きます。

パトライトは現役社長の取締役選任が否決されたんですってね。揉めたんだろうなぁ。


その後は電力各社が続き、8位にACCESSが3時間26分でトップテン入りあせる


■ACCESS株主総会

 http://ameblo.jp/ir-man/entry-10031712736.html


そういえば、昨日、今期(2008年1月期)業績予想の大幅下方修正が発表されていますね。

すでに発表済みの経常利益予想▲63億円が、▲118億円に修正。


ひえぇ・・・・あせる

こりゃ来年も荒れるなぁ・・・ドクロ



■ACCESS 中間期業績ならびに通期業績予想の修正に関するお知らせ

 http://www.jp.access-company.com/news/press/2007/070914_02.html



逆に、総会の時間が短かったランキング。


ランキングでは20分~21分というのが圧倒的に多かったですが、トップはMKCMの何と10分!?


よほど大した議案もなく、事業報告も、「お手許の招集ご通知に記載のとおり」で、すっ飛ばしていかないと、こうはならないですよね汗


事務局からの出席株主数の報告や、議長からの議事進行上のルール説明、監査報告なども考慮すると、実質的な事業報告の時間って、5分かそこいらじゃないでしょうか。

こりゃ、驚きです。


面白かったのは、メッツ18分。決算発表だけでなく、株主総会も早い、早い!?


そのほか、ドリコム20分、ブックオフ20分など、業績悪化や事件性のある会社でも、あまりにも早いなぁと思うケースも。


法律論でいう説明義務うんぬんとは言いませんが、丁寧な説明をしようと思うと20分じゃ終わらないような気がするんですけどね。


質問数ランキングでは、吉野家37問、ドトール35問、ブルドック25問といったところが目を引きました。



最近のIRアンケートでは、株主総会の模様をどの程度公開しているか、という点について、


・動画配信

・パワーポイントなどの資料の掲載

・質疑応答(要旨含む)の内容掲載


などの質問項目が増えているように感じます。


法務部門や経営陣の方からすれば、後で突っ込まれる危険性のあるような質疑応答までは公開したくないという気持ちが働くのも無理からぬところでしょう。


しかし、自分でこうやって他社の総会のことを想像すると、確かに、どんな質疑応答があったのか知りたくなる気もあります。


結構、悩むなぁ。


個人投資家の気持ち vs 会社の社員としての判断・・・。


多分、社長に蹴られそうな気がしますが、提案してみようかな・・・。



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