ACCESS(4813)株主総会 | IR担当者のつぶやき

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上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

ACCESS(4813)の株主総会に行ってきました。


日時:4/24(火) 午前10:00~

場所:ホテルグランドパレス 2F ダイヤモンドルーム (東京・九段下)


午前中に株主総会、午後に事業説明会、というここ3~4年のパターンですが、ACCESSの総会はとにかく長い!

私のようなサラリーマンは、一日仕事休まないと最後までいられません。


ですが、年に一度、荒川社長と鎌田副社長に会いに行く、という恒例行事ですから・・・音譜


ちなみに、今年は、総会終了は13:25、30分の食事休憩をはさみ、14:00から事業説明会(実際のスタートは14:10過ぎ)、終了は16:00過ぎでしたあせる


出席者は・・・どうでしょう、ざっと300人近くはいたのかなぁ。目算ではよくわかりませんでした。


去年は、荒川社長が営業報告書を読み上げる一般的な形でしたが、今年は、”読み上げでは参照箇所が分からない”、”理解しづらい”という意見があったということで、ビデオによる事業報告となってました。

これはサクサク進んで、10:25過ぎには終了しました。


その後、荒川社長による終わった期(2007年1月期)に関する総括、というか反省の弁が15分くらい?

まぁ、業績的にもパームソース買収に係るのれん償却による営業大赤字と下方修正、株価的にも、去年の総会頃は100万円前後だったのが、今じゃ50万円割れの惨憺たる有様ですから、株主の雰囲気も最初は固かったように思います。


荒川社長は、グローバルに利益の出せる体制作りに思いのほか時間がかかってしまっているが、今期この体制作りをしっかりしておかないと、来期以降、世界を相手に戦えないことを強調し、何としても業績回復させることをアピールし株主に理解を求めていました。

また、ご自身の長期入院(10月末~3月初旬まで)も明かされ、それが管理の鈍さにつながったかのような文脈になっていました。


恥ずかしながら、荒川社長が長期入院されていたとは存じませんでした。そう言われれば、だいぶ痩せて、頬とか首筋がやつれているように見えました。長丁場の午後3時過ぎには、ちょっと気分がすぐれないと言って、座って質疑に回答されていましたし。


経営体制の強化が図られている最中とはいえ、やはりACCESSは荒川社長と鎌田副社長の二枚看板で持っている会社ですから、ぜひ体調には万全を期していただきたいと思います。


オリックスの宮内さんが社外取締役になっていますが(昨年就任)、荒川社長が不在の間、鎌田副社長や他の取締役・執行役員の皆さんが会社を盛り立てて行ったので、彼らにとっては得がたい経験をしたと思う、とフォローされていました。



さて、株主からの質問ですが、全部で16名(うち、ストックオプションなど決議事項に関して2名)という状況で、マイク係の方が質問いった株主からマイクを取り上げないもんだから、社長とのQ&Aになってしまっているケースが多々あり、これは改善を要すると思います。


ふつー、自然な形でマイクを取り上げて、連続質問はさせないでしょ。

まぁそういうやりとりにも、すべて丁寧に答えてしまうのが、荒川社長のキャラクターだと私は理解しているので、今日初めて総会に行かれてイライラした方はあきらめてください(^^; そういう会社ですから(笑)


質問のQとAをすべて書くと、このトピックが延々終わらないので、項目だけご紹介するにとどめます。


1.IPインフュージョンの買収は、なぜあの時期にあんな金額で行われたのか。また、同社買収に関して投下した資金の回収メドは?前々期よりも出荷台数が1.5倍程度に伸びているのに、単体のロイヤリティ収入が伸び悩んでいるように見えるのはなぜか?それは一過性の要因か構造的要因か?


最初の方、時間も長くてなかなか引き下がらなかったので、多くの株主さんたちがイラついて来ていましたが、私の個人的な意見では、機関投資家・証券アナリストっぽくて好きでした。ロイヤリティ単価が値下がりしているのかしていないのかは、今後のACCESSの利幅のとれるビジネスの基盤に影響しますので、株主としてホールドするかどうかを見極めに行っているなら、これは絶対に譲れない質問だと思います。株価が下がってどうしてくれる!ってな質問より、全然意味があります。


2.社外取締役(特にお忙しいと思われるオリックス宮内氏、ローソンの新浪氏)の取締役会への出席状況


3.Linuxの団体への係わり状況と、幹部の健康状態(鎌田副社長は大丈夫?)


4.社外取締役の宮内さんから、ACCESSに対してコメントを。


5.ACCESSシステムズ・アメリカ(旧パームソース)の人員削減は77名で十分か、また、いつ黒字化するか


6.ユニシス社との訴訟について


7.株価対策について


8.利益計上の見通し、配当の見通し


9.海外IRを積極的に行っているか


10.個人株主対応のIR担当者のレベルアップを。


11.オリックスに株を買ってもらってはどうか。


12.経営に対する社長の信念や思い入れを語ってほしい


13.株主の立場を忘れないでほしい


14.上場したことによる様々な制約・要望を満たすような経営を。


15.株価下落局面において、株主と役職員のストックオプションは利害が一致しないのでは?また、長期保有の株主に対してストックオプションが出せるようなら検討してほしい。


16.この時期のストックオプションには反対


などです。

なお、ストックオプションと買収防衛策については反対票も高めだと、ちゃんと総会のなかで紹介されていました。

ストックオプションが3.4%の反対、買収防衛策は4.8%の反対だそうです。

なかなか、その日の集計をすぐに総会の中で紹介する会社なんて、ないですよね。

おそらく反対票もあるだろうから、きちんと総会の中で紹介しよう、と話し合っておかないと用意できないと思います。


こういう事前のまじめな準備をするところも、ACCESSのよいところだと思います。


まぁ、とにかく10:00~16:00まで、トータル6時間、疲れました。

(去年は昼食というか軽食のサンドイッチがあっという間に売り切れてみんな飢えていましたが、今年はサンドイッチに唐揚げ、ノリ巻き、ミニうな丼、茶そばと、充実していたので、何とか乗り切れました。ありがとう!)


私的には、得られた情報で有意義だったのは、のれんの償却スケジュールのイメージです。


23期 15,139百万円 (終わった期)

24期 13,932 〃

25期  3,446  〃

26期  1,776  〃

27期  1,230  〃


とメモったのですが、これでいけば、今期(24期)まではガマンですが、来期の展望が見えてくる今期後半からは、償却負担が軽くなることを見越したアナリストレポートなどのレーティングアップが期待されると思います。

ノンホルはしばらく待ち、ホルダー諸氏はあと半年のガマンじゃないでしょうか?


ALP(ACCESS Linux Platform)も、何としてでも今期中に製品として世に出すと意気込んでいましたし、今期中にも国内・海外含めNetFront出荷台数が1億台を超えよう、という今まさに日本発の世界に飛躍しようという企業です。

経営はチェックするけど、暖かく見守ろうじゃありませんか。


こういう会社に配当なんか期待しちゃダメでしょ。

配当欲しけりゃ、いくらでも高配当・低株価の会社はころがってますよ。

底ネリのこの時期ガツンと買って、2~3年寝かせておくことができるか?

投資家としての度量が試されている、と私は思っています。


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