北口氏のコラムvol.10特集「沖縄コザ中訪問記1」 一流コーチには、一流である理由があった | フープドリームズ【子どもの心技体を育てる地域コミュニティを民の力で運営しています】

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2.家族や地域社会の和を大切にし、永く楽しめる地域コミュニティを育成する

こんにちは。
HOOP DREAMS(フープドリームズ)の高比良です。


第一、第三土曜日恒例の、
北口良平コーチのコラムです。


今回と次回は、心技体コーチングではなく、
6月に訪問してきた沖縄県コザ中学校の訪問記です。



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国体のコーチをしている頃から、
ずっと気になっていたことが2つあった。


一つ目、
「なぜ、沖縄の選手は、
ボールハンドリングやボディバランスが素晴らしいのか」


二つ目、
「沖縄の優秀な選手の多くが、
強豪高校でも1年生からスタートで活躍できるのか」


その答えを知りたくて、福岡の強豪高校の監督にご紹介いただいて、沖縄のコザ中学校の練習と試合を見学させていただくことにした。



まずは、コザ中の朝練を見学に行った。


度肝を抜かれた。


50cmくらいの高さのバーを、
四つん這いでスパイダーマンのように
くぐり抜けていく子供達がいた。

スパイダーマン
学校周りの掃除を終えた子供たちが体育館に来て、
最初に始めるトレーニングである。


次に、女子中学生が、手だけで綱上りを始める。

綱のぼりコザ中

その横で男子が、2人組で、背中向きや横向きで
向かい合いボディコンタクトしながら動いていく。

背中合わせ押し合いコザ中


その次のシューティングは、確率が8割を軽く超える選手が多くいる。
30本打って、5~6本外れるくらいである。


外部コーチの松島さんから、最初に出た言葉も印象的だった。

「ケガをしない、しなやかで、力強い身体つくり」
が、一番大切だよと。


言葉と練習内容が、あまりにマッチしすぎていて
ものすごい説得力があった。

そう聞いて、選手を見渡すと、
誰ひとりサポーターやテーピングなどしていない。

体で感じるのが一番なので、
実際に選手が行っているトレーニングを試してみた。


すごい。

体の可動域を広げ実践的に使える体の動きができる。
それに、自分の体重でパワーアップも図ることができる。
一石三鳥くらいの素晴らしい時短メニューだ。

さらに、ドリブルも、ディフェンスも、ボディコンタクトの練習も、
同時に鍛えられる練習メニューが続く。

普通は、実践的な練習になると、
教えるポイントがボヤけてしまうことがあるが、
ポイントの絞り込みがはっきりしているので、
選手もわかりやすい
ことだろう。


尚且つ、達成感が得られるような工夫
随所に散りばめられている。

身体のトレーニングも、バスケットの技術トレーニングも、
「動きの連動性を重視している」ということがよくわかった。
要は、体の動きがスムーズなのである。

◆例えば、ドリブルの1on1練習はこうしている第1段階の練習は、こうだ。

まずは、ディフェンスが、オフェンスにフロントターンさせない間合いでついていく。

オフェンスは、巧みなロールターンでドリブルを進める。

プレーするスペースの幅が狭いので、ディフェンスもステップと間合いを保ちながら何とかついていける幅である。

オフェンスが抜いていくにも幅が狭いため工夫が必要となる。

(台風で撮影する予定だった動画が撮れなかったので、
後日、公開します)
→8/27に公開しました。

第2段階
スキあらば、フロントターンを狙うところがミソである。

(台風で撮影する予定だった動画が撮れなかったので、
後日、公開します)→8/27に公開しました。



第3段階

カバーディフェンスが入る。1on2である。

カバーディフェンスは、1on1のディフェンスの後ろで、
どちらにカバーしているかの声を的確に伝える練習である。

(台風で撮影する予定だった動画が撮れなかったので、
後日、公開します)
→8/27に公開しました。

この練習で感じたことは、

・常にオフェンスにプレッシャーをかけ続ける

 ディフェンスを習慣付けすること

・一人か二人のディフェンスのプレッシャーを、
 当たり前に感じながらプレーするドリブラー
になること

・「カバーの声が、ボールマンのディフェンスが
 前へ出るための勇気を与えていること」
大切さを教え、子どもたち同士の信頼関係を築いていること

徐々に練習がレベルアップしていくストレス(良い負荷)の掛け方が抜群である。


松島コーチが、シェフなら、
抜群の料理を作ってくれるだろうなと思った。

(その夜、松島さんが作ってくださったシーフードピラフの味が美味しすぎたので、一流には一流である理由があると、さらに実感した)

食楽コザ中学校松島コーチ

(松島さんが経営される焼肉屋さん、
但し焼肉はでてこない笑)




その後、大阪に帰って見た大きな大会
は、中学生の全中予選の決勝リーグであった。

大阪中学バスケ大阪中学バスケ


・ケガを押して、プレーしている選手が見られたのが悲しかった。

・ジャンプの仕方やボディコンタクトは、こんなに教えられていないのかと思った。

・足腰の強さやしなやかさが、コザ中の子どもたち並みの選手も数名いた


でも、コザ中の子どもは、全員、足腰の強さやしなやかさを持っている。
目先の勝敗にとらわれすぎず、私たちが目指すべきものがはっきりと見えてきた。


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今回は、ここまで。


次回の、
「ハーフコートオフェンスの練習は頭の体操だ」
をお楽しみに。