1994年から米国が狙ってきた日本の「混合診療」~その2~ |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

前回まで、社会保険診療の場合は、患者に対する消費税は「非課税」であるために、消費税負担(=付加価値税負担)は、流通過程の最終地点である医療機関がに掛かってくるために、消費税が、病院経営を圧迫していることを、Webニュースである「キャリアブレイン」の記事などの紹介をもって、見てまいりました。

○「消費税増税が、医療を崩壊させる!?

○「消費税増税で医療が崩壊する!?~その2(消費税の基本的な仕組み)~

○「消費税増税で医療が崩壊する!?~その3(社会保険診療の「非課税」が病院経営を逼迫する



私の視野のかぎりでは、いまの日本の医療には、経済面で、二つの危機が迫っているように見えます。



一つは、いまの消費税システムのままでの「消費税増税」。



もう一つは「TPP」への日本の加盟による「混合診療」の実現化。



経済的な「医療危機」という話題で、もう一つ、御紹介しておきたい情報があります。

今回は「混合診療」の文脈での「医療危機」の情報を、紹介させていただきます。

日本の「混合診療」化を、アメリカが、クリントン政権の1994年から「対日年次要望書」で、狙ってきたことについて、以前に触れさせていただきました。日本の「混合診療」実現化 (アメリカが1994年から狙ってきたもの) ~その2~
そして書籍などで、「混合診療」について触れている箇所を拾ってみると、今回のTPPに限らず、15年以上前から、アメリカが狙っていたことである事を、はじめて知るのでした。


お恥かしながら私は、「TPP」の危険性を知るまで、「混合診療」という名詞や存在を知りませんでした。




「対日年次要望書」に関して言えば、「混合診療」と同じく、「郵便貯金」や「簡易生命保険」マネーも、旧郵政公社の民営化の実現でもって、アメリカが虎視眈々と狙ってきた事でした。

郵政の完全民営化で、日本の金融や経済、そして私たち国民の生活や人生が、本当に崩壊して、想像もつかないほどの生き地獄に沈められる方向に運ばれている時に、小沢(-鳩山)主導の民主党による政権交代が、国民選挙の結果を受けて実現し、そして民主党と連立政権を組んでいる”亀井静香氏の「国民新党」が、「郵政民営化の見直し」をしてくれた事で、日本国民を乗せて地獄に向かう高速列車「日本号」の進路方向を、郵政完全民営化による生き地獄からは、遠ざけてくれたのでした(――しかし小沢一郎を裏切り、従米・財務省庁などの操り人形になった菅直人政権から、「郵政民営化」に消極的になるのでした――)。


今回は、日本における「混合診療」の実現化が、アメリカにとっての長年の宿願の一つで、それを通じて、とにかく日本の医療システムを、「市場原理主義型医療システム」にすべく、日本の悪党議員を買収したりして、あの手この手で狙ってきた事について、紹介させていただきます。


「混合診療」の全面自由化が、日本の国民皆健康保険制度の崩壊をもたらすことを、菊池英博氏は、『消費税は0%にできる』で書いています。


さらに、日本の医療を、「市場原理主義型」にすべく、手をかえ品を変えて、狙ってきた事も書いています。


”<医療改革法で政府は国民皆保険制度を放棄した>


 

 後期高齢者医療保険制度は、七五歳以上の高齢者を一般健康保険から分離し、独自に自己完結させる方式であり、保険料の地域格差が拡大し今後、保険料どんどん上がる仕組み内包している。現在、医療負担費は「国が五〇、若者が四〇、高齢者が一〇」の割合である。しかし、この法律では「二年ごとに収支を均衡させる」ことになっており、そうなると、当然、収支は赤字にであろう。そうなれば、「国は予算がないから、個人負担を多くしろ」といってくるのは明白だである。

後期高齢者医療保険制度は、こうした「を内包した悪法である。しかも、この保険制度では、保険料を高齢者の年金から一方的に控除する方式を採用する事になった。これによって、高齢者の所得は前もって減額されるのと同じ事態となる。所得水準が相対的に低い高齢者にとって、年金受領時点で利用できる金額が減ることになり、人権侵害といえる。”
 二〇〇八年一〇月からは、政府管掌保険制度(主として中小企業の方々を対象とした健康保険制度)について、社会保険庁から全国保険協会に運営が移され、都道府県ごとで財政運営が行われることになった。独立採算的に扱われるから、結局、加入者が増えるであろう。こうして国が保険者としての地位を放棄することになるのだ

 この法案が国会を通過した翌年の二〇〇七年以降の対日年次要望書には長年継続した医療保険のカイカクの要求はなくなっていたアメリカはこれで国民皆保険制度を破壊しうる道が開かれた」と判断しているのであろう。”(p.87-88)



小泉政権は、2006年9月26日まで続いたので、「医療改革法」も「後期高齢者医療保険制度」も、小泉政権時に作成された法案でした。

どれもが、国民皆健康保険を崩壊させる仕掛けの法案である事が、理解できます。

アメリカ政府は、日本の外務省に向けて突きつけてくる「対日年次要望書」で、1994年から継続して、「混合診療を自由化せよ」、「政府による医療費支出を削減せよ」と言ってきました。

日本国民よりも、アメリカ政府(そして政治家をロビイストとして使っている禿鷹資本や企業)の意向である「対日年次要望書」に応える政策を、小泉政権は、取ってきたようです。

上に引用した文章からは、”国民皆保険制度を崩壊させる法案”ばかりでなく、後期高齢者医療保険制度は、高齢者を切り捨てているのが、わかりますまた、これとは別に、小泉政権は、障害者や母子家庭など、社会において生活をするのが、比較的に大変な人々への福祉支出をカットしています。雇用保険の給付期間も、引き下げました。


そのくせ、法人税や金持ち、株式売買などで得る収入、に対する税率は、減税したのです。


話が逸れましたが、小泉内閣の自公政権時に作成された「国民皆健康保険制度を崩壊させる法律/法案」の数々が、時限爆弾として作動した、として、日本に実現化される「市場原理主義型医療システム」の世界は、どのようなものであるのであしょうか。

それは、”薬価は自由で、新薬は高くなり(しかも、新薬の作用副作用のデータをえるためのモルモット対象にも、必然的に患者は成るのだが)、金持ちは、より良い医療を受け、それ以外の貧乏人は医療からはじき出されて死んでいく」世界”なのであります。