3108号「なぜ心におびえがあるのか?」
砂辺光次郎
講義録3102
(2013/1/8)
ご訪問、心より感謝申し上げます。
人はなぜ心におびえがあるのか?
その原因は、ほとんどの場合、
幼い頃、自分が否定されるような恐怖感を持ってしまったからだ。
心の奥の不安や恐怖やおびえは、主に幼い頃に形成された場合が多い。
たとえば、親または、親に代わる大人から、
「お前なんか・・・」とか、
「なんでこうなのよ!」とか、
そういった言葉を受けたのだと思う。
その言葉を受けて、「自分は否定された」「自分はダメな人間なんだ」「未来は不安で恐怖に満ちている」というような意味をつかんでしまったのだ。
それは子供の方の誤解かも知れない。
あるいは、大人の話し方がへただったのかも知れない。
いずれにしても、こうしたちょっとした言葉で、子供の方は大きな傷を負ってしまうのだ。
子供には、周囲の大人から「自分を否定する言葉」を言われた時、「自分は捨てられる」という恐怖感を感じる場合がある。
子供にとって、周囲の大人からの「自分を否定する言葉や表情」ほど恐ろしいものはない。
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何パーセントかの子供は、周囲の大人に気に入られようとして、大人の前で演技する。
自分の本心は出さないようにして、自分の本心を押さえて、演技をする。それは、生きるための必死の行動である。
そうした子供は、次第に、大人の期待に沿うような自分こそが自分の姿であると信じるようになってくる。
もともとあった本当の自分は深く心の奥に閉ざされてしまう。
本当の自分は、心の奥にしまわれ、演技している自分がいつも外に出るようになる。
そして、そのうちに、演技している自分こそが、本当の自分だと錯覚するようになる。
(これが、強度に進むと、生長するにつれて、ウツややる気のない人間となってくる。)
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子供は、周囲の大人の気持ちや期待に大きく影響される。
ある人は、両親の仲が悪く、その対立の中で、母親の重苦しい気分を感じ取り、そこで「将来は暗く重く苦しい」という気分を形成してきた。
その人は、今は大人だが、「未来不安」、「未来に対する恐怖心」で心がいっぱいである。
またある人は、親の「良い子でありなさい」という期待を、「圧力」「圧迫」として受け取り、自分の本当の気持ちを押し隠すクセがついてしまった。
このクセは大人になってもそのまま継続され、表の自分と、本当の自分が分裂したままの自分になってしまった。
こういう人の場合は、たいていの場合、自信がなくなり、活力がなくなり、自分がきらいになり、他人もきらいになる。
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これらの人々の原因は、ほとんどの場合、親子関係にあった。
「なんとなく未来に希望がない。」という人、
「なんで自分は活力がないのだろう。なんで自分は近い人をきらいになるのだろう。」と思う人。
そういう人は、ほとんどの場合、幼少期の親子関係に原因がある。
そういう人が、たとえば、自分が元気になる本を読んだり、研修に出かけたりしても、
なかなか根本的には解決しない。
それは、根本的な解決策=幼少時の親子関係まで掘り下げていないからだと思う。
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(ここから解決策を言います。)
(解決策の1)
まずは、演技している自分を知ることである。
そして、その原因は、幼少期にあると知ることである。
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演技しても仕方ない。
他人に「いいところを見せよう、演じよう」としても、他人にはそれはわかってしまう。わからなくても、自分で自分がいやになる。自分がきらいになり、他人もきらいになる。親しい人は一人もできない。
それから、他人は怖くない。他人は自分が本当の自分を出しても、けっして攻撃はしてこない。
それを知ることだと思う。
それがまずは最初の解決策だと言えよう。
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(解決策の2、こういうタイプはこう判断すること)
説教する人、他人に優越しようとする人、他人を見下す人・・・
そういう人は、自信のない人なのだ。
劣等感の強い人なのだ。
人間不信=他人を信じられない人なのだ。
そういうことを知ることです。
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(解決策の3、瞑想)
瞑想して、心の奥に隠している「しばり」や「抑圧」を出してしまうのがいいと思う。
自分で自分を直視し、
心の奥に隠された「抑圧」を突け、たたいて開けてみるといいと思う。
自分がいちばん触れたくないところに、真実がある。
長い間無意識のレベルで隠していた「自分の本心」に気づくことだと思う。
そこを開示することだと思う。
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以上です。