1985号「精神的に強くなりたい!どうしたらいいか(2)」
講義録1985号
(2009/12/26)
ご訪問、心より感謝申し上げます。
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今まで、「精神的に強くなるにはどうしたらいいか。」、ということに関して、次のように言ってきた。
強くなるには、
①愛されてきた過去を思い出す「感謝瞑想」をすること。
これによって、心が愛に満たされる。
そして、「豊かな心」と「深い自信」がつくられる。
②自分の成功体験を思い出す「瞑想」をすること。
これによって、「自己評価を高め」、「自信」を形成することができる。
それから、
③肉体的強さや健康も大事だと思う。
また、人間関係に関する知恵をたくさん持つことと、経験量を増やすことも、大事である。
こういうことを話してきた。
今回は、さらに先の話をしたい。
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(若者向けの話でしたので、「上から目線」の言い方になっています。
たいへん、失礼だとは思いますが、どうぞ、その点、ご容赦下さい。)
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まず、二人の実例から。
(実例:A氏)
気が弱いために、他人から何か頼まれたら、断れない。
今までの人生で、断ることができなくて、大金を出して、財産を失ったことが、二度ある。
A氏自身が言っているが、二回とも、すべて、気が弱いから、起きたことである。
(実例:B氏)
何十年にもわたって、同僚のX氏に、いじめられ、行動を押さえつけられてきた。
たとえば、仕事の配分も、何もかも、同僚のX氏によって、決められてきた。
これも、B氏が、気が弱いから、起きている。
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A氏、B氏のような例は多いが、
この二人のように気が弱いと、他人に振り回されてしまう。
それで人生の大半が終わってしまう。
なぜ、この人たちは、こんなに気が弱いのか、そして、どうしたらいいのか。
その理由と解決策を考えていきたいと思う。
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このA氏、B氏の二人の根本的な問題は、
人生観が確立していなかった、ことから来ている。
以下それについて言いたい。
1、まずは、A氏は、なぜ、二回も全財産を失ったのか?
お金を二回も失う、ということの原因は、
「なぜ豊かになる必要があるのか」という哲学がはっきりしていなかった、ということがある、と思う。
人間、自分の生活のためぐらいなら、そんなに強くはなれない。
しかし、使命感を持ち、世のため人のために、これこれの資金が必要であり、豊かさが必要なんだ、という人生観を持てば、
強くなることができる。
2、この二人に共通して言いたいことは、いじめられる人には、いじめられる雰囲気がある、ということである。
他人がいじめたくなる雰囲気があるから、いつもいじめられる。
いつもしかられたり、説教されたりする人もいるが、
そういう人も、周りの人が、
「この人には、説教したくなる。」
と思うような、雰囲気を持っている。
だから、いつも、しかられたり、説教されたりする。
また、いつも、だまされる人がいる。あるいは、借金を返してもらえない人がいる。
そういう人たちも、「こいつは、だましても大丈夫だ。」とか、
「この人は、借金を返さなくても、大丈夫だ。」などと思われているわけだ。
つまり、まとめれば、「やられるような」弱々しい雰囲気を持っているのだ。
だから、まずは、ここを、克服しないといけない。
3、弱々しい雰囲気とか、いじめられるような雰囲気は、たいていは、痛めつけられた経験から来ている。
例えば、幼少期や青年期などに、心を傷つけられた経験があり、
だから、自虐的な雰囲気とか、いじめられるような雰囲気が身についてしまった、という場合が多い。
(中には、前世から持ち越された「外見の雰囲気」、「気弱そうな雰囲気」というのもある。)
この「弱々しい雰囲気」、「自信のない雰囲気」、「自虐的な雰囲気」、「いじめられる雰囲気」については、
ぜひ、時間を取って、じっくりと過去を振り返り、客観的に原因を探求するといい。
(つまりここでも、「瞑想」する必要がある。)
「瞑想」して、原因が分かってくると、気がつけば、かなり、克服できているものである。
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4、「反省」というのは、かなりの効用がある。
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過去を徹底的に振り返って、相手を責めるのではなく、自分に足らざるところがあったから起きたのだ、という方向に持っていくことで、
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気がつくと、相当程度、自分が変わっていくものである。
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ぜひ、実行するといいと思う。
5、また、なかなか自信がもてない人は、「場数を踏む」ということも、けっこう自信につながる。
経験量がモノを言う、ということである。
人間関係についても、場数を踏むことで、強さができてくる。
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つぎに、さらに踏み込んだことを言いたい。
6、強くなるには、人生の究極の目標、つまり、使命、天命をつかむことである。
マルティン・ルターは、気の弱い教師だったが、あるとき、使命、天命をつかみ、
当時最強の権力集団だった、キリスト教会を、敵にまわして戦った。
それほどの、勇気の人に生まれ変わった。
己れの利欲のためであるなら、人間、そんなに強くはなれない。
しかし、人間、天命をつかむと、見違えるように、強くなる。
4、天命をつかんだあとは、自分で納得のいくだけの努力の積み重ねをすると、「自信」が形成できる。
F氏は、非常に気弱な男だったが、自分が天命と思ったことに、七年間徹底的に打ち込んだ。
その結果、今では、人に何を言われても、バンと言い返せるほどの強い人間となった。
努力というのは、どれほどの努力かと言うと、
よく言われる基準は、「一万時間」である。
「一万時間」死に物狂いで頑張れば、「自信」ができる、ということである。
5、死生観を確立する。
人生観は、死生観まで確立しないと、簡単に倒れる。
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人生観を確立するとは、天命をつかむこと、そして、死生観をつかむことである。
生死一如の境地までつかめば、「不動心」が形成される。
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(追記:読まなくてもけっこうです。)
天命をつかもうとしても、たいていは、一気にはつかめない。
徐々に、つかんでいくのが普通だ。
今の段階で「これが天命かな」というところを、まず、つかむ。
しばらくその方向で努力を積み重ね、もう一度、自分の天命について考える。
すると、より一段深く「これだな。」というところがつかめてくる。
そして、しばらくして、また、さらに深いところを探求する。
たいていの人は、このように徐々に確信を深めていくものだ。
イエスや仏陀でも、人生の途中で、ようやく、天命をつかんだ。
だから、我々も、徐々に徐々に、深く、つかんでいけばいいと思う。
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天命つかんだ人間は、実に、強い。
何事にも、揺らぐことはない。
強さの根源は、究極には、ここにあると思う。
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