1098号「堂々としていない人 おどおどしている人」




砂辺光次郎

講義録1098

(2008/04/24)



ご訪問、心より感謝申し上げます。


・・・


堂々としていない人、おどおどしている人、引っ込み思案、恥ずかしがりや。



なかなか自己主張できない人、相手に要求されたら言い返せないで損をしている人。





今日は、そういう人のことについて書いてみたい。






ここでは、主に、加藤諦三さんのご著書を参考にさせていただいた。





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たとえば、ダンス教室などに行くと、同じ教室の中でも、少数の上手な人と 大多数のへたなグループが混ざって何ヶ月もレッスンを続けている場合がある。




そのときに「私もへたなの。」といって、上手でないグループに混じってレッスンをしている場合は、心理的に楽である。




しかし、自分は目標がある、なんとしてでもうまくなりたい、と思うと、いよいよ温室の集団の中から出ないといけない。


そうなると頼れるのは自分ということになる。




引っ込む人は集団に頼って飛び出そうとしない。




だから、引っ込む人は自分の中の優れたものを出そうとしない。




集団から出て行く者は、いよいよ自分だけが頼りとなる。





つまり、自分が出っ張ろうとしたら、頼るものは自分だけになり、ひとり立ちするようになる。




逆に、なかなか自分を出さない人というのは、安全圏で自己保存的に生きているということになる。




それはなぜかというと、すべてではないが、たいていの場合、自己イメージが低いのだと思う。




心の奥では、自分は賞賛されるには値しない、自分は愛されるには値しない、という自己イメージを持っているからだと思う。




自分イメージが低く、その否定的な自己イメージにしたがって生きるほうが安全なのだ。





自信のない人は「自分に無いもの」を、特に強く意識する。たとえば、学歴とか、出身とか、外見とか、社会的地位とか。




こうした人は、自分が相手から見下される、という恐怖感がある。幼少時に植えつけられた観念が成長しても引き続き持続している。




こうした人は自分の弱点が相手に知られると見下されるとい恐怖感がある。




実は相手の人はそんなことは考えていない。


かえって、考えすぎたり、隠そうとしているから、それが相手に伝わってしまう。


そして、相手は、そんなことを隠して欲しくない、むしろ、その人の弱点を好ましく思っている。


そういうものだと思う。





また、こうした人は、他人が自分に好意的に接してくるのが不思議でたまらない。


相手の人がなぜ自分のことを気に入ってくれるのかが理解できない。




人間同士が、物品をプレゼントしてもいないのに、好かれたり好いたりするというのが感覚としてわからない。





こういう感覚はなぜ起きるのか。




それは、心の奥で、自分を嫌っているからだ。


自分をきらい、自分をバカにしているからだ。




こうした人は、他人に対して深い恐怖心がある。




だから、こういう人は、他人をワクにはめようとする。


他人の自由な心が怖い。他人をワクにはめて、他人に倫理を押し付けようとする。


そうしないと、怖くて仕方がない。




「不安、劣等感、自分がきらい、他人が怖い」これらがこうした人の心の基本的な気分になっている。




自分を維持するのに精一杯で、他人に関心が持てない。だから、他人に愛がある、ということが分からなくなっている。








こうした人は、幼児期にどういう感情をいだいていたのだろうか。




たいていの場合、自分がそのままで好かれる、という安心感がなかった。




いい子でなければ、捨てられるという不安があった。




親から高い理想を掲げられ、それについていけず、自信を失った。


親から、高い期待が寄せられ、それに負けて自身を失った。




あるいは、マイナスの言葉を受けて、自信を失ってしまった。




こういう気分が基本になるから、自分に長所があるとは思えない。




そうなると、成長して、誰かからほめられてもそれを信じられないようになる。




自分をけなす言葉には敏感に反応する。


自分をけなす言葉はストレートに心に入ってくる。


ほめられても信じられないが、けなされるとそれを信じてしまう。




自分は特別優れていないと人から認められないという焦りがある。




こういうのが深いところの原因だと思う。





こういう人は、自分を維持するのに精一杯で他人の生の「生き生きした気持ち」などにはとても関心をもてない。




自分が優れていて立派でないと他人は認めてくれないと思っているから、自分がいかに優れた人間であるかということを分からせるために一生懸命行動する。




しかし、相手が何気ない一言を言うと、それでものすごく心に傷がつく。




それだけ、普段から周囲の世界に恐れをいだいている。




会議などで他人が自分と同意しないと、ショックが大きい。自分が否定されたと思ってしまう。




そして自分より弱い人がいると、いじめる。


・・・・





解決策は次の3つだと思う。




幼少期の親子関係の反省、



成功体験を思い出して記録を書くこと、



感謝瞑想。




この3つを続けることで、冷たく凍った心もしだいに解けていくと思う。



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