5 東日本大震災復興特別会計へ繰入
一般会計から東日本大震災復興特別会計に繰り入れる予算を1272億0300万円とする案です。
復興債の償還費用の財源に充てるため、平成27 年度一般会計の決算上の剰余金のうち、の 2分の 1に相当する額を一般会計から東日本大震災復興特別会計に繰入れるために必要な経費。
財政法第6条では、「各会計年度において歳入歳出の決算上剰余を生じた場合においては、当該剰余金のうち、二分の一を下らない金額は、他の法律によるものの外、これを剰余金を生じた年度の翌翌年度までに、公債又は借入金の償還財源に充てなければならない。」とされています。
はこちら。
27日の代表質問で、民進党の野田佳彦幹事長は、東日本大震災からの復興については、民進党として住宅再建等加速化のための被災者生活支援金増額、用地問題解決の迅速化などを含む「復興加速4法案」を国会に提出していると紹介し、「福島の再生なくして日本の再生なしという気持ちを今後も変わらず持ち続け、一日も早い震災復興・福島再生が実現されるよう、全力を尽くす」と述べております。
以下はその4法案とその賛否理由。
190-39 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案
【提出者】野田佳彦(民進党・無所属クラブ)他9名
▼賛成
被災者生活再建支援金のうち加算支援金の額を二倍に引き上げること及び被災者生活再建支援法人に対する国庫補助の割合を引き上げることは必要であるから。
190-40 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案
【提出者】野田佳彦(民進党・無所属クラブ)他9名
▼賛成
災害弔慰金の支給を早めるため。
190-41 東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案
【提出者】野田佳彦(民進党・無所属クラブ)他5名
▼要審議
復興に関しては土地収用に対して例外的措置を認めることは、複雑な権利関係が錯綜することから。
190-42 東日本大震災からの復興の推進のための相続に係る移転促進区域内の土地等の処分の円滑化に関する法律案
【提出者】野田佳彦(民進党・無所属クラブ)他5名
▼要審議
東日本大震災の被災地で、土地の相続したところが移転促進区域になっていたことにより支障が生まれているが、当事者の意見をよく聞く必要がある。
6 既定経費の減額
(1)償還する国債について4174億5700万円を減額。
(2)五月の一次補正予算で成立した熊本地震復旧予備費のうち4100億円を減額。
合計で8274億5700万円の歳出をカットします。
既定経費の減額については、低金利で国債の利払い費が減った分や実施する必要がなくなった事業の予算を減額することから、一般会計の歳出規模は総額で3兆2869億円となりました。ただし、この補正予算案での経済対策を実行する財源の大半は、借金に頼ることになっていて、公共事業などに使いみちを限った建設国債を追加で2兆7500億円発行します。
つまり、この補正予算案では、当初予算で決めていた返すはずの借金を減らし、そしてまた借りるということです。
国債整理基金特別会計【H28二次補正】
7 国庫債務負担行為の追加 2259億円
公共事業等について、次のとおり、所要の国庫債務負担行為の追加を行う。
災害復旧事業 384億円
大型巡視船建造 577億9300万円
航空機購入 346億9200万円
ナショナルトレーニングセンター施設整備 220億2400万円
大型測量船建造 153億6800万円
通信機器購入 87億5400万円
その他 488億6900万円
合計 2259億円
国庫債務負担行為は、国会の議決を経て、次年度以降(原則5年以内)にも効力が継続する債務を負担する行為です。政府に債務負担権限を与えるのみであり、支出権限を与えるものではないため、実際に支出するに当たっては、その年度の歳出予算に改めて計上する必要があります。
上記のように、公共工事のほか、情報システム開発やリース契約等について、国庫債務負担行為による複数年契約が積極的に活用されています。
国庫債務負担行為の他には、継続費、繰り越し明許費というものもあります。
継続費(財政法第 14 条の2)
工事、製造その他の事業で完成に数会計年度(原則5年以内)を要するものについて、経費の総額及び年割額を定め、予め国会の議決を経て数年度にわたって支出することが認められており、これを「継続費」といいます。
継続費は、国庫債務負担行為と異なり、債務負担権限のみならず、支出権限の付与も併せて求めるものです。また、歳出予算の繰越しは翌年度まで支出権限の繰越しを認めるのみであるのに対し、継続費は最大5年にわたる支出を行うことができます。
このように、継続費は単年度主義の原則に対する例外性が強いことから、対象は特に必要な場合に限定して運用されているところであり、近年は、防衛省の大型警備艦及び潜水艦の建造のみに用いられています。
明許繰越し(財政法第14条の3)
歳出予算の経費のうち、その性質上又は予算成立後の事由に基き年度内にその支出を終わらない見込みのあるものについては、あらかじめ国会の議決を経て、翌年度に繰り越して使用することができることとなっています。
なお、明許繰越しには、
①経費の性質上その年度内にその経費の支出が終わらない見込みのある経費について、あらかじめ国会の議決を経ておき繰り越す場合と、
②当初はその会計年度内に支出し終わる見込みであった特定の事務又は事業に係る経費が、予算執行の過程において、何らかの事由によってその会計年度内に支出を終わらない見込みが生じ、予算補正を行い「繰越明許費」として国会の議決を経ておき繰り越す場合があります。
財政法第 12 条【会計年度独立の原則】
各会計年度における経費は、その年度の歳入を以て、これを支弁しなければならない。
財政法第 42 条【歳出予算の繰越制限及び事故繰越】
繰越明許費の金額を除く外、毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。(以下略)