<艶が~る、二次小説>
古高俊太郎様、花エンド後の話も、もう13話目です
相変わらずの駄文ではありますが…良かったら、また覗いていって下さいませ
※俊太郎様の花エンドを攻略されていない方には、多少ネタバレになりますので、ご注意下さい!
【第12話のあらすじ】
俊太郎を見送った後、秋斉の待つ駐車場へと向かった主人公は、慶喜に良く似た男性と連れの女性を目撃する。二人は、偶然にも同じ方向へ進む彼らの車を追いかけ、とある場所へと辿り着き、彼らが足を運んだそこは、大手の芸能プロダクションだった。慶喜にそっくりな男性と、一緒にいた女性は何者なのだろうか?二人は疑問が晴れないまま、その場を後にしたのだった。
現代版ですし、私の勝手な妄想ではありますが…少しでも、俊太郎様を感じて貰えたら嬉しいです…。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話
第11話
第12話
【古高俊太郎~花end後~】第13話
携帯のデータフォルダを開き、同時にデジカメを再生させてあの素敵な笑顔を交互に見やる。二人きりで、念願のデートが出来たことを再確認するように…。
ベッドに腰掛けて体を休めていた私は、その場でノートパソコンを開き俊太郎さんに送る分を編集し始めた。
「……本当に格好いいなぁ…」
今更だけれど、どの表情も素敵過ぎて自然と溜息が零れてしまう。
幕末時代で生きていた頃。
当たり前だけれど、こんなふうに一緒に写真を撮ったりすることなんて出来る訳もなく、たまに会って数時間一緒にいることしか出来なくて。
ほんの数時間でも、あの温もりに触れていられたこと。優しく、時に強く抱きしめられたことが嬉しくて、別れの時がやってくるまで寄り添っていた。
もしも、俊太郎さまの奥さんになれたら…。
町中の人に自慢するんだなんて、そんな風に思っていたこともあった。実際は叶うことは無かったけれど、あの頃の想いを抱いたまま、俊太郎さんとお付き合いをしている。
どこか、幕末に生きた俊太郎さまとは違う、俊太郎さん。でも、あの頃の記憶を持っている彼は、俊太郎さまの生まれ変わりで。
こんなに幸せで良いのだろうか?と、思うくらい充実した時間を過ごしていた。
~♪
「あ……」
携帯の着信音に思わず心臓が大きく跳ねて、すぐにドキドキと高鳴る胸を抑え込みながら応答部分に触れた。
「もしもし…」
【今、家に着いた】
「良かった…」
無事に辿り着いたという報告に胸を撫で下ろす。
新幹線の事故なんて、滅多に起こるものでは無いが、万が一…ということを考えると、無事に着いて欲しいという気持ちでいたから。
【そっちも、間に合うたか?】
「はい。ギリギリセーフでした」
少し笑いながらそう言うと、すぐに、【なんや、楽しそうやね】と、俊太郎さんも同じように呟く。
私は、さっそく先ほどまでの出来事を簡潔に話すと、俊太郎さんは少し厳かな口調で話し始めた。
【…あのお方かもしれへんね。秋斉のことを考えると、あり得へんことやない】
「私も、秋斉さんも、そう思っています…」
【秋斉が探していた相手やしな…】
「じゃあ、秋斉さんが記憶を取り戻し始めたから、慶喜さんを引き寄せたってことも考えられますよね?」
定かではないけれど、私も秋斉さんも、俊太郎さんも。半ば、あの男性を慶喜さんだと決めつけていた。というか、そうであって欲しいという願望のほうが強いのかもしれない。
【それと、これはわての憶測やけど。全ては、○○を中心に動いているようにも思えるんや】
「……私、ですか?」
【ああ、帰りの電車の中でそない思うとった。あんさんがわてらを引き寄せたんやないかと…】
「私が……引き寄せた?」
そう呟いてすぐ、私達が京都の街中で出会った時のことを思い出した。
翔太くんと一緒に京都へ行き、彼は龍馬さんの元へ。私は、俊太郎さまの元へ行って『会いたい』と、願って。
その後間もなくして、俊太郎さんと出逢い。翔太くんと帰京する最中、お世話になっていた秋斉さんや慶喜さん達のことが気になって……同じように、会いたいと思っていた。
「確かに、皆さんにも会いたいと思っていました。でも、私が引き寄せたなんて…」
【まだ分かれへんけど……あの時代であんさんと出会うたこと自体、奇跡やしな】
(…確かにその通りだ)
ふと立ち寄った古道具屋で、ひょんなことからタイムスリップしたのが幕末時代。今まで、なぜ幕末時代だったのかということを深く考えたことは無かった。
他の時代ではなく、どうして幕末時代だったのだろう。そして、他にも多くの幕末志士達がいる中。なぜ、彼らと出逢い、俊太郎さまに恋をしたのか…。
「確かに、そうですね…」
【数々の禍根を残す中。生きる意味を見い出せたんは、あんさんやったからや】
「俊太郎…さん…」
俊太郎さまは、私が現代へ戻ってからも最期まで勤王志士として生き続け、
元治元年七月二十日。どんどん焼けの最中、六角獄舎にてその凄まじくも儚い人生に幕を下ろしていた。
現代へ戻って間もなく、私は翔太くんと一緒に俊太郎さまや龍馬さんたちがどうなったのかを調べると同時に、やっぱり歴史を変えることは出来ないのだと改めて思い知らされたのだった。
「……今すぐ会いに行きたい」
切なくなって、すぐに会いたくなって。私は、いつの間にか泣きそうになりながらそう呟いていた。
そんな私の呟きに、俊太郎さんはくすっと笑って自分も同じ気持ちだと伝えてくれる。
【……今すぐ抱きしめたい】
お互いにまた想いを伝えあって間もなく。話題は、二週間後にやってくるゴールデンウィーク事になり、それを利用して再び会う約束を交わした。
「俊太郎さまと初めて出逢った場所や、所縁(ゆかり)のある場所を巡る旅がしてみたい…」
【それはええな。あんさんと二人きり……昔を懐かしみながら練り歩く京は格別やろうね】
「二人きり……」
その言葉にドキドキと胸を高鳴らせていると、俊太郎さんは低く抑えるような声で呟いた。
【そん時はきっと、あかんゆうても抑えきれへんようになるやろうな…】
「俊太郎さん…」
【初めて出逢うた時からわてのものにしとうて……いや、あの頃からずっと…】
色っぽい声で囁かれ、思わず肩を竦める。
あの頃。
小さな行燈の火だけに照らされた薄暗い部屋に二人きり。
俊太郎さまの甘い吐息と、私の躊躇いの息遣いだけが微かに響き渡る中。私の肩を抱きしめる俊太郎さまの大きな手が、そっと胸元へと滑り落ちてゆき。
『……いつになったら、受け入れて貰えるんやろうか』
今度は少し強く抱き寄せられ、熱い息遣いが私の耳を掠めていく。
くすぐったくて、全身が震えるのを抑えきれないまま、ただその腕の中で俊太郎さまの温もりを感じていた。
『今宵こそは、わてにこの身を預けて…』
なんて答えて良いか分からず、おどおどする私に俊太郎さまは柔和な視線を向けながら慈しむように囁いてくれる。
――私が欲しいと。
抱かれたい気持ちと、怖くて受け入れられない気持ちとが綯交ぜになってとうとう、身を預けることが出来ないまま月日だけが過ぎて行ったのだった。
【せやけど、まだ許して貰えんままやろうね】
「……もう、あの頃とは違います」
一瞬、俊太郎さんが微笑んだような声がして、
「あの頃だって、ずっとそう思っていました」
そう言って、速くなる鼓動を静めようと胸元を押さえ込んだ。
愛を囁かれてはそれを受け入れたいと思っていたこと、そんな俊太郎さまの想いを上手く受け止められなくて歯痒かったことを告げる…。
きっと、今でも戸惑ってしまうだろうけれど、もうあの頃のような躊躇いは無い。
俊太郎さまの私への愛が、本物だと確信出来たから…。
私の俊太郎さまへの愛もまた然り。
【ゆうたな……次、この手であんさんに触れたが最後、もう躊躇わへんようになるが…それでもええんやな】
「はい…」
甘い囁きを聞く度に心を揺さぶられ、戸惑ってばかりだった私が……気が付けば、そんな言葉にも躊躇わずに即答していた。
けれど、俊太郎さんはまたくすっと笑って、いつの日かそんな日が来ればいいと、言ってくれたのだった。
(携帯越しに、こちらの戸惑いが伝わってしまったかな…)
【○○をわてのものにしたいゆう気持ちは常にある。せやけど、焦らんでええ…】
「あ…っ…」
【この瞬間は一度きりやが、あの頃とは違うていつでも想いを伝え合うことが出来る…】
――今度こそ、添い遂げられるんや。
そう呟いた俊太郎さんの声はとても優しくて。
その言葉が嬉しくて…。
私は、何度も小さな声で頷いていた。
それから、京都へ行ったらどこへ行こう、とか。どうせなら、旅館に泊まろう、という話で盛り上がり、最後に今夜中に写真を整理してメールすることを伝え、名残惜しげに電話を切った。
そして、またPCに向かい合って写真を選び、
「これも、あとこれも…」
数回に分けて添付し、それぞれに一言ずつ認めて送信した。
(喜んでくれるかな…)
それから間もなくして、俊太郎さんからの返信メールを受信する。
「え…もう返事が…」
そこには、無事に写真を開けたことと、私への一言が添えられていた。
私に会える日が楽しみだということ。そして、私をどこへ連れて行くかを考えてくれているということ。
「……っ…」
最後にはやっぱり……。
「……○○の寝顔を思い出し眠れへんようになった…かぁ…」
(ん?寝顔……?あぁ~、そうだった…)
水族館へ行った帰り道、迂闊にも眠りこけてしまって…。どうして眠ってしまったのだろうと泣きそうになるほど悔やみ、
『予想以上のかいらしさどした』
俯く私にそう言って、優しく微笑んでくれたのだけれど、変な顔とかしていたのではないかと、気になっていたのだ。
「…あの時、変な顔とか……していませんでしたか?」
そう返信して、すぐ。
「……思わず襲いたくなるほど…色っぽかった……って…」
どこまでが本気で言っているのか分からないまま、またそのメールに返信し、そんなメール交換がしばらく続いた後、最後に「おやすみなさい…」と、認めて送信した。
「そうだよね…また、二週間後に会えるんだもんね」
さっきまでのやり取りを思い出し、これからの二人の時間を想像して自然と笑みが零れる。
私は深い眠りに誘われるまで、俊太郎さんの笑顔に癒されていた。
~あとがき~
お粗末さまどした
前回は、秋斉さんと謎のままの男女二人しか出てこなかったのですが今回は、俊太郎さまと俊太郎さんのみを描きました
台詞なんぞは、すべて…私が俊太郎さまに呟いて貰いたいものばかり(笑)なるべく、本編で言わない台詞を考えていますがっ。難しいっすね
なんせ、わたすには色気が無いもんやから。俊太郎さまの言動を描くのにとっても時間がかかるんどすいつも、「こんな感じかな?」とか、「いや、こんな感じじゃないよな…」なんて
でもって、二週間後には俊太郎さんと京デート
以前にもお尋ねしましたが、俊太郎さんと京デートするならどこへ行ってみたいですか?
良かったら、教えてくださいませ♪
今後、秋斉さんと慶喜さんとどのように関わってくるのか!?
また良かったら覗きに来てやって下さい(笑)