『養生訓』 便秘の予防(巻七59) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「下痢をしやすいのは大いに悪いが、少し便秘気味なのはよい。老人が便秘するのは、長寿の証である。もっともよい。しかしながら、ひどく便秘するのはよくない。

 およそ人の脾胃につかえて、食べた物が滞り、あるいは腹痛を起こし、食欲がなくなり、気がふさがって病気になる人は世の中に多いものだ。これらの症状のほとんどは、大便が通じにくく、滞るからである。食がつかえるのは、大便がつかえているからである。大便が滞らないように、治療しなければいけない。

 麻仁(まにん)、杏仁(きょうにん)、胡麻(ごま)などを常に食べるようにすれば、胃腸が潤って便秘しない。」


下痢が続くと大いに悪いのは、気血津液を失ってしまうためです。それよりは、若干便秘気味なほうがよいということですね。ただ、それも程度によります。


便秘を東洋医学でみると 、熱秘・気秘・虚秘・冷秘の4分類。このうち、老人性の便秘は、虚秘あるいは冷秘です。食滞による便秘は、気秘あるいは熱秘に入ります。気滞 による食欲不振や腹痛の原因は、便秘にあるとおっしゃっていますが、これは鶏と卵ですね。


麻仁(まにん)、杏仁(きょうにん)、胡麻(ごま)は、「二便は早く排泄すること」 でも紹介されておりました。麻仁は麻の実、杏仁は杏の種の中にある核です。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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