おはようございます
フィギュアスケート女子のショートプログラム、みごたえありましたね。1位は昨シーズンから好調さを持続している金妍児選手、2位は今シーズンの不調を年末に脱した浅田真央選手。金メダル争いはやっぱりこの2人でしょうか。ともに1991年9月生まれの19歳。ぎりぎりのところでトリノオリンピックには出られなかった2人。フリーが楽しみですね。
このところ『養生訓』で用薬の話が続いています。益軒先生の時代は、薬といえば当然漢方薬のこと。「薬には偏性がある」 の解説でお伝えしたように、漢方薬は薬材の性質を利用して、からだの陰陽バランスをととのえるもの。そのため、生薬は陰陽五行で分類されていて、数種類を組み合わせて漢方薬として使われます。
↑の段落だけでも、漢方薬と生薬が出てきてしまいました。みなさん、この違い、ご存じですか?ついでを言えば、CMとかで和漢薬なんていうのも聞きますよね?私もなにげなく使っていますが、あらためて区別するとなると、どうなるんでしょう?本場中国での呼び方も一緒に、みていくことにいたしましょ。
生薬(しょうやく)/中薬(ちゅうやく)…漢方薬の原材料
中心となるのは植物です。葉・花・茎・根・実・種・皮・樹液などが使われるため、草根木皮(そうこんもくひ)とも呼ばれます。ほかに、動物ではウシの胆石、クマの胆汁、シナヒキガエルの分泌物など、昆虫類ではハチミツ、サソリ、セミの抜け殻など、鉱物では石膏や紫石英など(→生薬一覧 )。
『日本薬局方』の定義は、「生薬は動植物の薬用とする部分、細胞内容物、分泌物、抽出物又は鉱物などであり、生薬総則及び生薬試験法を適用するもの」となっています。つまり、現代医学的に分析されて、薬効があると認められたものということになりますね。
中国では、生薬を中薬(Chinese medicine)といい、700種類ほどあります。このうち日本に入ってきているのは、その半分くらい。だから、日本でできる処方が限られてしまうんですね。中薬は方剤をも含めた総称にもなります。
漢方処方(かんぽうしょほう)/方剤(ほうざい)…生薬を組み合わせた処方薬
本来は、患者ごとにオーダーメイドするもので、同じ種類の生薬の組み合わせでも、その配分を変えたり加減したりします。現代の日本で保険適応になっているのは、煎じ薬もエキス剤も既製品で、残念ながらオーダーメイドとはいきません。『薬局製剤方』には180種類ほどの処方が載っています。
中国では方剤(Prescribed medicine)といいます。古典的なものがアレンジされたり、新しい処方がつくられたりしていて、老中医と呼ばれる名医ともなれば、2000種類以上の中薬処方をマスターしているといわれます。しかもオーダーメイド。中国でも方剤の既製品はつくられていて、それは中成薬として区別されています。
漢方薬(かんぽうやく)/中薬…
と
の総称
和漢薬(わかんやく)…日本独自の漢方処方薬(カゼにカイゲ〇や下痢にセイロガ〇など)
たとえば、葛根湯(かっこんとう)は『傷寒論』に記載されている漢方処方(方剤)であり、それを構成する葛根(かっこん)や麻黄(まおう)、桂枝(けいし)などが生薬(中薬)ということになります(→「漢方のかぜ薬は葛根湯だけ?」 、「こじれたカゼの漢方薬は?」 )。
また、利尿効果の高い健康茶として使われるドクダミは、生薬としては十薬(じゅうやく)と呼ばれ、漢方処方として他の生薬と組み合わせて使われるときは魚醒草(ぎょせいそう)と呼ばれます。呼び分けるのは便利なようで、めんどうですね。
日本の漢方薬が高いのは、保険が効くものが限られているため、本格的な処方を受けようと思うと、どうしても自費になってしまうからなんですね。一方で、保険が効く漢方薬が、病気には効きがいまいちといわれるのは、医師の処方のしかたにもよりますが、何より患者さんに合った加減ができないからなんですね。これ、なんとかならないんでしょうか?
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
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