漢方のかぜ薬は葛根湯だけ? | 春月の『ちょこっと健康術』

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先週のことですが、長野から帰った翌日、寒気がしたので、思わずインフルエンザかと思いました。熱が出たら大変と思いつつ、生姜湯を飲み、葛根湯を一服。翌日起きたら何ともなくて、どうやらただの冷えだったようです。


長野が思いのほか寒くなっていて、あわてて着るものを現地調達したくらいだったから。実は、もし新型だったら今のうちに免疫ついていいかも…なんて、ふとどきなこともちょっぴり考えたんですがね。


カゼのひき始めか?と思ったときは、まず生姜湯で身体を温めます。そして、夕食前に葛根湯を一服。いつもこのパターンかな。葛根湯や生姜湯を切らしているときは、すりおろし生姜と蜂蜜をお湯か紅茶でときます。


食欲が落ちている場合は、煮込みネギうどん。山もりのネギに、きざみ生姜を加えて、煮込む。身体があったまるので、冷えたときもばっちりです。


東洋医学では、カゼもインフルエンザも区別はありません。風寒邪・風熱邪・暑湿邪のいずれか。症状と体質によって10以上のタイプに分けられ、処方される薬も変わります。


だから、「カゼのひき始めに葛根湯」ってよく耳にしますが、あれはあくまでもメーカーのCM戦略。漢方のカゼ薬にはほかにもたくさんあるんです。


カゼのひき始めに使われる代表的なものをちょっと見てみましょう。


1 葛根湯(かっこんとう)

対象: ふだん元気で比較的体力のある人のカゼのひき始め

症状: 悪寒・発熱・頭痛・くびや肩のこり・関節痛などがあり、自然発汗がない

構成: 葛根(かっこん)、麻黄(まおう)、桂枝(けいし)、生姜(しょうきょう)、炙甘草(しゃかんぞう)、白勺(びゃくしゃく)、大棗(だいそう)


2 麻黄湯(まおうとう)

対象: 筋肉質で体力のある人のカゼのひき始め

症状: 悪寒・発熱・頭痛・耳やのどの痛み・くびや肩の痛み・関節痛などがあり、自然発汗がない

構成: 麻黄、桂枝、杏仁(きょうにん)、炙甘草


3 桂枝湯(けいしとう)

対象: 体力の落ちている人・虚弱な人・老人のカゼのひき始め

症状: 悪寒・発熱・頭痛・くしゃみ・食欲不振・自然発汗などがある

構成: 桂枝、白勺、炙甘草、生姜、大棗


4 香蘇散(こうそさん)

対象: 体力の落ちている人・虚弱な人・老人のカゼのひき始め

症状: 悪寒・発熱・頭痛・くしゃみ・食欲不振などがあり、自然発汗がない

構成: 炙甘草、生姜、香附子(こうぶし)、蘇葉(そよう)、陳皮(ちんぴ)


これら4種類を見ていただいても、対象となる体質が異なりますね。しかも、これらは風寒邪の場合の処方。一般的にカゼという場合は、ほとんどが風寒邪ですが、いきなり高熱の出る風熱邪や、熱に下痢を伴う暑湿邪になると、また違う薬になりますよ。


葛根湯は麻黄湯の効き目をややマイルドにしたもの。健康体な人のカゼの初期症状に合っていますし、その点で大方の人に当てはまるのは確かなので、メーカーのCM戦略もやむなしではあるのですけどね。私自身、比較的体力があるほうだし、ふだんから肩こりもあるので、葛根湯体質。


体力の落ちている人、ストレス過剰で疲労感のある人は、桂枝湯か香蘇散。葛根湯との一番の違いは、麻黄が入ってるか否か。麻黄に含まれるエフェドリンという成分が、交感神経を刺激するため、体力のない人には反って悪影響になる可能性が高いんです。


漢方薬もずいぶんメジャーになってきました。即効性がないんじゃないの?なんて言われることもありますが、そんなことはありません。今日ご紹介した4種の薬にはもちろん即効性ありです。


市販薬として売られているものでも、必ず薬剤師さんに相談して、ご自身の体質・症状にあったものを選んでくださいね。でも、カゼはもちろん「インフルエンザは予防が一番!」 ですね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-ススキ