「逆突き」となると、つい後ろ足を踏ん張り、インパクトを支えようとしてしまうのですが、後ろ足だけで推進し、前足をレール(つっかえ棒)のように使うだけなのはとても勿体ないことなのではないか? などと考えるようになってきました。

後ろ足だけでなく、前足も推進力に使って突き込めば、逆突きはもっと速くもっと強烈になる
のではないか?

いくつか試行錯誤をしてたどり着いたのは、陸上競技のクラウチングスタートのように、後ろ足推進で腰を前に運び、前足の接地点よりも前に腰が出た際に今度は前足が腰を前に押し出すような両足の連携。二段階加速の逆突きです。

先日、仕事で客先に早く着き過ぎたので近所の公園で、この二段階加速の逆突きを数十回練習してみました。そして思ったことは・・・

「これって要するに、『高速上段突き』や、『膝抜き追い突き(→123)』と同じ技か・・・」


仰々しく考え、試行錯誤してみましたが、たどり着いた先は、これまでも試行していたこと(且つ、他の方にとっては普通にやっていること)。まあ、よくある話です(笑)。

しかし、こうしたアプローチを経たために、これまでイマイチ納得していなかった技が分かるようになってきました。それは、「伝統派の選手なら、どうやら高校生でも中学生も当たり前に使っている足捌きのようですが、真似してみてもすぐには再現できません(笑)」とかつて書いた多段階推進ロケットのような伝統空手の飛び込み連続突きです。→「伝統派の組手に学ぶ -松久vs志水から-

あの連続突きの要となっている部分は、“前足でも推進する逆突き”のイメージで行くと、比較的簡単に再現できるのです。

私のイメージを勝手に松久選手のワンツーに被せたのが下の図です。
(全空連の2007年の男子組手決勝戦です)

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-前足推進の逆突き

はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記-前足推進の逆突き2

以前は、あの多段階加速の飛び込み突きを真似しようと、「まず後ろ足で推進し次いで前足で推進し・・・」とやってみた結果、なんだかトロい突きしか出せませんでした。しかし、今回のように「後ろ足と前足とで同時に推進するイメージ」で加速すると、結果的に後ろ足→前足の連携がとてもスムースに行くように感じます。

また、以前から試している前足を下げての追い突きやとも(言上では「同じ」と書きましたが)少し違った突きになりそうです。ささいな違いなのかもしれませんが、追い突きを意識した追い突きと、逆突きの結果にとしての追い突きでは、出す時の心持ちが変わります。心の中での位置づけが違えば、使えるタイミングも変わってくるのでは?

こうした技術を普通に使える方からすると「何をごちゃごちゃ・・・」と思われてしまいそうですが、私自身の中ではちょっとした“革命”? しっくりこなかった技術を身体が納得するキッカケって人によって違うんでしょうね。


# 参照動画はこちら(全空連の2007年の男子組手決勝戦)。