ドメーヌ・デ・ボワ・ルカ ガメイ「Cuvee KUNIKO」VDTフランセーズ 2003
購入日 2006年1月13日
開栓日 2006年6月9日
購入先 下里酒店
インポーター コスモ・ジュン
購入価格 3000円
今さら言うまでもないが、新井順子さんがロワールで畑を買って、ガメイから造られたワインである。
約5ヶ月前に最初の1本を開けて印象を書いた。
もしわたしがooisotaroさんのブログに出合わなかったら、間違いなくこのワインがウサギの横で
写っていることはなかっただろう。
そして、そもそもわたしはガメイが好きではないので、ooisotaroさんが勧めなかったら
出会えなかったに違いない。
前日と前々日に、ブルゴーニュのグラン・クルを開けたあと、はて、何を持ってくるか、
ということになって、このガメイを開栓する気になった。
半年近くの時間がワインに変化を与えたのか、それとも個体差なのか分からないが、
「重量級」「重い」という印象だった前回に比べ、ずいぶん表情が穏やかになっている。
やはり黙って出されたら、なかなかガメイとは気付くまい。色は濃いめの紫に近いガーネット色である。
開栓早々の微発泡も今回はおとなしく、14.5%というアルコール度の高さも意識に上らない。
前回特徴的だったジャムのような甘さが奥に引っ込み、押しつけがましさが影を潜めて
ふんわりとしている。
余韻に土臭さがあり、さほど酸味が強くないため、外見の派手さに欠ける素朴な田舎娘の
ような印象を覚えて、そこでガメイであることをようやく意識させられる。
前回のような開栓後の変化は感じさせず、開栓翌日も単純な味わいへと収斂していくことはない。
やはり、5ヶ月という時間がワインに熟成をもたらしたのだと考えたい。
同じワインは、もう手元にはない。
あとは次のヴィンテージでどうなるか、また試してみたいと思う。
正直言って、良くできたピノ・ノワールの魅力を大きく凌駕する、とまでは言い難いが、
時に出合ってご機嫌を伺いたいと思わせる、独特の魅力に溢れたワインであった。
6月12日追記
開栓後48時間では(途中はエア抜き)、まるでブルーベリージャムのように糖度を増し、
甘い香りを放っていた。
さすがに72時間後では香りも失われていたが、開栓早々から変貌を遂げる、
まことに不思議なワインである。
よほどブドウの果実に力があるのだろう。
ガメイにこんなパワーがあるとは驚きだが、造り手の力によるところが大きいと思う。
やはり、モンスターワイン@ooisotaroと言うべきだろうか。