どーも。

ノンカロリーな食べ物をなるべく食べない、大五郎です(汗)

むしろカロリー不足な貧弱な体なので( ̄▽ ̄;)

時代と逆行してますね(汗)

 





この『絵空事』は、前回のつづきです。

このお話も、いよいよ今回で完結します。


【絵空事】ソウシ・ソウアイ ①
【絵空事】ソウシ・ソウアイ ②

【絵空事】ソウシ・ソウアイ ③

【絵空事】ソウシ・ソウアイ ④


※絵空事は、すべてフィクションです。

登場する人物、名称、建造物や出来事など

すべて大五郎の妄想です。作り話です。

ご了承ください。






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パシン!

 

ユカリのお父さんが、いきなりユカリの頭を叩いた。

ユカリはビックリした顔をしている。

痛がっている様子はない。

ユカリは「怒らない親」と言っていたけど、

もしかしたら、手をあげられたのは初めてだったのかもしれない。

 

そして、ユカリのお父さんとお母さんは・・・

『手』で一言もしゃべらずに、ユカリを強く抱きしめた。

言葉なんていらない・・・これ以上ない愛情表現だった。

 

「ごめんなさい!・・・ごめんなさい!・・・!」

 

ユカリは、泣き叫びながら何度も謝っていた。

後悔の涙と、嬉し涙だよね、ユカリ・・・よかったね。

 

 

 

バッチーン!

 

突然、後頭部に痛い衝撃が走った!

 

「いったぁーーーぃ!!」

 

振り向くと、やっぱり犯人は私のお父さん。

ユカリのお父さんは音が派手なだけで痛くない叩き方を

していたのに、こっちは、マジで痛い叩き方をされた。

ムカツク!!

 

私は反抗的な目で、お父さんを睨みつけてみたけれど、

お父さんの目が、マジで怖かったので、

すぐに目をそらした。

 

「マリも謝らなきゃいけないんじゃないか?」

 

お父さんは本気で怒ってる口調で言った。

・・・いつもなら、ムカついた気持ちが収まらず、

正論を言われて、さらにムカつくところなんだけど・・・

ユカリたちの素直な愛情表現を見てたから・・・

私も、素直になりたい気持ちになった。

叩かれた後頭部をさすりながら、私は素直に謝った。

 

「ごめんなさい・・・。」

 

謝った私の頭を、お父さんは撫でてくれた。

これも、いつもなら「触らないで!」って

拒否するところだけど・・・素直にお父さんのナデナデを受け容れた。

・・・なんだか、すごく久々にナデナデされた気がする。

私が、最近、ナデナデされるぐらい褒められることをしてないからかな?

それとも・・・私が拒絶していただけかな?

 

「分かってると思うが、たとえ身内であっても、

ウソをついて、欺く行為は、やってはいけない。

お父さんやお母さんがマリに対して、そういう行為をしたら、

イヤだと思わないか?傷つかないか?

いつも言ってるように、他人にされて自分がイヤなことは

他人にするなよ?」

 

・・・また始まった、お父さんのお説教。

いちいち正論でイライラする。

でも・・・今なら、すこし分かる気がする。

お父さんは、私のために言ってくれているって。

残念ながら、私はそんなお説教、求めてないけど。

 

私は、お父さんのお説教を無視するように、顔を背けた。

ユカリたちは、まだハグし合っていた。

夕日に照らされて、黄金に輝いているようだった。

そんなまぶしい3人の姿を見てると、

私よりずっと愛情に恵まれているように見える。

 

あんなに愛されているのに、

どうして「愛されているか分からなくなる」んだろう?

あんなに優しいご両親、なかなかいないと思うんだけど。

自分のことって分からないものなのかな。

 

私が、うらやましそうにユカリたちを見ていたら、

後ろから、お父さんが

 

「ハグしてやろうか?」

 

って・・・ちょっと冗談ぽく言ってきた。

 

「要らないに決まってるでしょ!」

 

私は、お父さんから距離をとりながら、そう断った。

 

 

 

あ・・・

 

 

 

なんか、分かった気がする・・・。

 

私には、私が欲しい『愛情のカタチ』があって・・・

それっていうのは、私専用の、

『私の好み100%』のカタチであって・・・。

 

ユカリには、ユカリの『好み100%』のカタチがあって・・・。

 

私たちは、それぞれのカタチに合う『愛情』を欲していて・・・

『好み100%』に合わないと、イヤなんだ。受け取らないんだ。

 

親は、良かれと思って・・・

もしくは、親それぞれが想う『愛情のカタチ』があって・・・

その『愛情』を、私たちにいつも注いでくれている・・・。

 

でも、私たちは・・・

 

『70%』や『80%』のカタチでは満足できなくて・・・

『50%』や『60%』のカタチなんて見向きもしないで・・・

自分の中の『100%』のカタチに

ガッチリ合う『愛情のカタチ』だけを受け取っているんだ。

 

だから・・・もしかしたら・・・

私たちの周りには、今まで、親たちが惜しみなく降り注いでくれてる

『100%未満』の愛情たちが、たくさん降り積もっていて・・・

そんな『愛情だらけ』の環境で、私たちは、

「アレじゃない」「コレじゃない」「ソレじゃない」って、

自分の好みの愛情だけを、自分勝手に取捨選択してたんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

今だって、そう。

 

ユカリたちのハグしてる姿が、ものすごくうらやましいって

感じていたのに、いざ、お父さんが

「ハグしてやろうか?」って言っても、全力で拒絶しちゃったし・・・。

素直に、お父さんの言葉とハグを受け容れたら、

ユカリたちと同じように、

言葉いらずで愛情を伝えあうことができたのに・・・。

 

私は、そんなことを思いながら、

お父さんのほうをチラリと見たけど・・・

 

「ん?やっぱりハグするか?」

 

「冗談やめてよ!」

 

やっぱりダメだ。

どうやら、これが『今』の私の『取捨選択』なんだ。

ほかの誰かが設定した選定基準じゃないんだ。

親子で愛情を伝えあうハグは、うらやましいけど、

私の中の『好み』には、合わないんだ。

 

そう考えたら・・・

 

私たち子供だけじゃなく、お父さんもお母さんも、みんな

それぞれに『好み』があって・・・

親子ともども、

「こんな親(の愛情)はイヤ」とか、

「こんな子(の愛情)に育ては覚えはない」とか、

お互いに言い合って、お互いに選り好みしてるんだね、私たち。

きっと、お父さんもお母さんも、そうして生きてきたはず。

 

そうしてもいいんだ。

愛情は、自分勝手に選んでいいんだ。

この世界には、さまざまなカタチの愛情が、たっくさん溢れていて、

そのすべてを受け取ることは誰にも出来なくて・・・

だから、選んでいいんだ。

 

どんな愛情を選んでも、私たちは相思相愛なんだ。

 

だから・・・愛情が無いなんてことはないんだ。

初めから、すぐそばにあったんだよ、ユカリ・・・。

手を伸ばせば、ちゃんと届くところにあったんだよ。

 

私たちは・・・ちゃんと初めから愛されていたんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

【エンディング曲 『愛情』 by心屋仁之助】

 

 

 

 

 

その後、私たちはお互いの家族に、ちゃんと

「ごめんなさい」を言い合いました。

そして、家族同士で初めましての挨拶をしました。

ユカリが手話で通訳?してくれて。

 

話の流れで、そのままユカリの家へ招かれて、

みんなで、ユカリのバースデー・パーティーをしました。

うちの家族は、容赦なくうるさくて・・・私もついハシャいでしまって・・・。

弟が、私のカラ揚げを横取りしたあたりから騒ぎが大きくなったのよ。

すべて、アイツのせいだ。

でも、ユカリも、ユカリのご両親も、感激して泣いてたなぁ・・・。

 

 

 

「ねぇ、ユカリ、私に手話を教えてよ。

ユカリたちが何を話しているのか、ちゃんと分かりたいし、

これからも、お互いの家で勉強するだろうし。」

 

「あー、勉強するというか、

マリは私に勉強を教えてほしいんでしょ?」

 

「あ、バレた?」

 

「でも、いいわよ。

今回の件で、迷惑かけちゃったから

手話も勉強も教えてあげる。その代わり・・・」

 

「も、もう入れ替わるのはダメだよ!?」

 

「分かってるわよ。

そうじゃなくて・・・マリの部屋の漫画、ときどき貸してね。」

 

私たちは笑いあった。

 

 

 

 

 

 

 

おしまい。
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笑顔が広がればいいなと思っています。よろしくです(´▽`)

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