どーも。



以前から、頭の中に、3つほど『絵空事 』の物語が
思い浮かんでいて・・・

・心のかたよりのお話
・親を交換するお話
・作品を愛するお話

今日は、そのひとつを頭の中から出してみます(´▽`;)





※絵空事は、すべてフィクションです。

登場する人物、名称、建造物や出来事など

すべて大五郎の妄想です。作り話です。

ご了承ください。






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私は、いつものように、友達に愚痴をこぼした。

「はぁぁ、またお父さんと口論になったよ。」

友達のユカリは、すこし苦笑いの表情で

「たしか、もうお父さんと口きかない!って言ってなかったっけ?」

と、イヤミを言ってきた。

「うっ・・・そうなんだけどさ~、
なんか~返事しなきゃいけないような
質問をしつこくしてくるからさ~、仕方なく返事したら、
そこからバトルが始まっちゃってさ~。
ねぇ、聞いてよ~、うちの親たちがさぁ~・・・」

ユカリのイヤミにひるむことなく、
私は、喋ってしまいたいことを、ひたすら喋った。
いつものように、ユカリは、
聞いているのか聞いていないのか、
微妙な表情で、それでいて絶妙なタイミングで相槌を打ってくれた。

そうして、私の愚痴がひと段落したところで、
いつもこう言うんだ。

「いいじゃん、口うるさい親っていうのも。
ウチなんて、一言も喋らないんだから。」



私たちは、高校生になって初めて友達になった仲だ。
知り合って日も浅く、お互いのことは、まだよく分かっていない。
ユカリの家の家族構成も、じつは、よく知らない。
彼女が、あんまり喋らないというか、
喋りたがらない感じ?がして、
なんだか突っ込んで聞くのもアレかなと思って聞いていない。

私は、おしゃべりな性格ゆえか、
ついつい自分のことばかり喋りすぎて、
相手から聞かれてないことまで喋ってしまっている。
私はユカリのことをよく知らないけれど、
彼女のほうは、私のことをよく知っているかもしれない。

たぶん、ユカリは、一人っ子だ。
私が弟とケンカしたことを話した時に
「うらやましい」って言ってたから。
いつもの話の流れからして、
ユカリの両親は、とても寡黙で、
必要以上に干渉してこないらしい。

「そりゃ、ユカリは勉強できてて、親も心配してないから
なにも言ってこないんじゃない?
ほら、私ってさ、勉強嫌いだからさ~。
しかも、憎たらしいことに弟のほうが勉強できちゃったりして
す~ぐ、比べられちゃってさ~。」

勉強ができない私と違って、ユカリのほうは勉強ができるみたいだし、
私はお喋りで、ユカリは寡黙なほうで、
こんなに正反対な感じの私たちだけど・・・
まだ知り合って間もない私たちだけど・・・
もう、ずっと昔からお互いを知っているような・・・
そんな『錯覚』をおぼえる。

だって、私たちは、奇妙なことに・・・

 




 

 

 

顔が『瓜二つ』なのだ。
他人の空似?も、ここまで似てると、
本当に、生き別れた姉妹だったんじゃないか?って
思い込んでしまうほど。
最初はお互いにビックリしたけれど、
話してみたら、やっぱり血は繋がってないらしい。
でも、本当に、気が合ってて・・・
こんなおバカで、お喋りな私をすんなり受け容れてくれて・・・
私も、よく話を聞いてくれる彼女のことを受け容れていた。
 

 

 



そんな、ある日の学校の帰り道。
いつものようにユカリと帰っていたら、
珍しく、ユカリが明るい表情で、私に話しかけてきた。

「ねぇ、マリ・・・一日だけ・・・一日だけでいいから、
今日は、お互いの親を・・・交換してみない?」

「???・・・え?どゆこと!?」

それは、突拍子もない『提案』だった。
まるで、「交換日記でも始めよう」みたいな、
軽いノリさえ感じるほどに、ユカリの表情は明るかった。

当然、私は、
ユカリの言っている意味がすぐに飲み込めず、説明を求めた。

「出会ってから、ずっと、マリの家庭の愚痴を聞いていて、気づいたの。
ウチの両親と、正反対な性格なんだなって。」

「うん・・・私って、そんなに愚痴ってたっけ?」

ユカリに言われて、初めて気づく、私の愚痴の多さ。
でも、お互いの両親の性格が、正反対ってとこは、
私も、うすうす気づいていたことだった。

「マリの両親は、口うるさく干渉してくる性格で、
私の両親は、寡黙で干渉してこない性格で・・・。」

私の愚痴の多さを肯定も否定もせずに、説明を続けるユカリ。

「マリは、口うるさい親がウザくて、
私は、会話がある親の方がうらやましいのよ。」

まぁ、たしかに、ウチの両親はウザいけど・・・。
ユカリって、うらやましいって思ってたのかぁ。

「そして、私たちは、奇遇なことに、顔が瓜二つ!」

ユカリが、ドヤ顔で指差してきた。

「入れ替われば、お互いの望む環境が、
たった一日だけど、手に入るってわけ!」

ユカリが、ズイっと顔を近づけてきた。
なんだか・・・ムチャクチャなことを
無理やり押し通そうとされてる気がするんだけど。

「どぉお?」

いつになく積極的なユカリ。
こんなにイキイキと、自ら喋っているユカリは
今まで見たことないかも。

それにしても・・・
頭のいいユカリにしては、なんだか『計画性』が感じられない。
本当に、『今』、思いついたかのような、
安易な『入れ替わり計画』だった。

それに・・・

「ユカリ・・・それ、今、思いついたでしょ?
おバカな私でも、それはムチャクチャな計画だってことが分かるよ?
だって、どんなに顔が似ててもさ、家族なら、すぐにバレると思うし。」

「・・・うん、我ながら、ムチャなこと言ってるのは分かってる。
でも・・・本当に、一日だけ!ね、お願い!」

半分、ジョーダンかと思っていたのに、
ユカリは大真面目に、頭を下げてきた。

・・・なんでだろ? フシギな気持ちだ。
なんか、ムチャブリされてるのが分かっているんだけど、
私は、なぜか、ユカリの『お願い』を聞いてあげたいって
気持ちになっている・・・。
明るい表情で話し始めてたユカリの表情は、
今・・・とても真剣な眼差しになっている。

どうして、『今日』なんだろ?
なにかあるのかな?

「どうしちゃったの? ユカリ?
今日、おウチで、なにかあるの?
どうして、今日なの?」

「・・・。」

ユカリの真剣な表情は、困った表情にも見えた。
黙ってるってことは、なにかあるってことだよね・・・。
うーん、どうしようか?
こんなふうに友達から、なにか頼まれごとされるって
今まで無かったから、なんだか、それが嬉しいんだけど。
『入れ替わる』・・・かなりムリあるよねぇ。
すぐにバレちゃうと思うんだけど。

「ねぇ、ユカリはさ、親に私のこと、話したことある?」

「え?・・・ないよ。だって、普段から会話が無いからさ。」

「やっぱり、そっか~。
ウチはさ、いつもなんでも話しちゃってるから、
ユカリのことも親たちには話しちゃってるんだよね。
私と顔がソックリな友達がいるって。
そのときは、お父さんの隠し子!?みたいな話になっちゃって、
お父さんも堂々としてればいいのに、なんでかアタフタしちゃってさ!
なんとなく、お母さんの機嫌も悪くなっちゃってさ!」

「・・・。」

「あ・・・ごめん、今、この話、関係なかったね・・・。
えっと、私たちが入れ替わってもさ、
さすがに、すぐバレちゃうと思うんだけど、
私の家は、バレても、なんか、笑って許してくれそうな
感じがしてるんだけど・・・ユカリの親はどうなのかなって思って。」

「・・・たぶん、なにも言わないと思う。
なにも言えないっていうか・・・。」

「?」

「・・・。」

「どうしたの、ユカリ? なにかあったの?
いつもは干渉してこない親が干渉してきたとか?
どうしても帰りたくない理由があるの?
よかったら、話、聞くよ?」

「・・・。」

話してくれない、か。
うーん、困った。
友達のピンチっぽいから、助けたい気持ちはあるんだけど・・・
もしも、親とケンカ中なら、私が代わりに怒られることになるし。
さすがに、それは勘弁してほしい気がする・・・。

「親とケンカしてるわけじゃないの。
私の親たちは、いつもどおり・・・
いつもどおり、きっと今日も私に何も話してこない。
でも、今日は・・・今日だけは・・・
私は、マリの家族とお喋りしてみたいの。」

ユカリに、私の思考が読まれたらしい。
ケンカじゃないけど、『今日だけ』帰りたくないのか。
やっぱり肝心な『本当の理由』は話してくれないユカリ。

「私の家族と話したいなら、今からウチに遊びに来る?
わざわざ入れ替わらなくても・・・。」

「私は、マリとして、マリの家族と話してみたいの。」

「?」

なんだか、よく分からないけれど、
今のユカリの答えは、『本当の理由』に近い気がした。
ユカリは、私になりたい?
あ、そっか、『うらやましい』って、さっき言ってたっけ。
そんなに『私』になりたいのかぁ・・・。

「ユカリの親たちにバレても、私、怒られないかな?」

「大丈夫・・・たぶん。」

「たぶんって。」

「今まで怒った親を見たことないから。だから、たぶん、大丈夫。」

「へぇ~、怒らない親って、スゴイね!
毎日のように怒られてる私からしたら、
そっちのほうが、うらやましいんだけど!」

「・・・。」

たびたび、困った表情をするユカリ。
なんだか、私がユカリを困らせてる気分になってくる。
実際、困ったお願いをされてるのは、私なんだけど・・・。
おそらく、本当に、私のことがうらやましいんだ。
そして、本当に・・・自分の親がイヤなのかな?

「・・・分かったよ、ユカリ。」

「え!」

「今日だけ、入れ替わってみよう!
まぁ、たぶん・・・数分で気づかれる気がしてるんだけど。
もしかしたら、明日まで親たちが気づかないかもしれないし!」

「本当に!?」

「うん!
あ、最初に言っておくけど、私の親は、
本当に、なにかしら干渉してくるよ?
私の部屋にもガンガン来るし。
毎回、ノックするように言ってるのにさ。」

「ありがとう!
あ、お互い、自分の部屋のものは物色しないようにしようね。」

「あ、うん、そうだね!」

あ、そうか、そういうの、すっかり忘れてた。
自分がいない間に、自分の家に他人が入ることになるんだもんね。
家どころか、部屋に。私として。
・・・なんか、やっぱり、すごいことだよね、これって。

「ね、ねぇ・・・私はユカリを信じれるけど、ユカリは私を信じれるの?」

「信じてなかったら、こんなこと頼まないよ。」

あー・・・私は、今、ウソをついた。
私の方が、一瞬、ユカリを信じてなかった。
でも、ユカリは、即答で『信じてる』と言ってくれた。
ユカリって、すごいなぁ。

「なんだか、ワクワクしてきちゃった!
ドッキリを仕掛けるもんだよね、これって!」

私は、ウソをついた罪悪感を消すように、自分のテンションを上げた。

「うん!」

ユカリの表情は、やっと明るくなった。





こうして、私は、『ユカリ』として、
ユカリは、『私・マリ』として、
それぞれの家へ帰ることになった。

ドキドキとワクワクが同時に湧き上がっている。

私たちの同じ顔が、お互いの親に通用するだろうか?
バレることは間違いない気がしてるけど、
バレたとき、どうやって説明しようか?
驚くかな? 怒られるかな? もしかして、案外、笑ってくれるかな?

不安な気持ちも、ある。

でも、今は、『試してみたい』気持ちが大きくなってきた。
私の頭の中では、
スパイ映画の『ミッション・インポッシブル』の音楽が流れ始めていた。










つづく・・・。





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笑顔が広がればいいなと思っています。よろしくです(´▽`)

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「若者の言葉使いに苦戦してますね?」と「ことりーず」。

たぶん、噛み合ってないんだろうなぁ(・_・;)
若者と喋る機会、ないもんなぁ(汗)

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