どーも。
長文は書くけれど、
長文を読むのは苦手な大五郎です(汗)

矛盾ヤローです(汗)





この『絵空事』は、前回のつづきです。

【絵空事】ソウシ・ソウアイ ①




※絵空事は、すべてフィクションです。

登場する人物、名称、建造物や出来事など

すべて大五郎の妄想です。作り話です。

ご了承ください。






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私は、ユカリの家の前にいた。

ユカリのスマホに表示された『地図』を頼りに、ここまで来た。

お互い、似た顔をしているけれど、
さすがに、声も違うし、持ち物も違っている。

「持ち物を見られてバレる可能性もあるから・・・」

そう言い出したのは、ユカリだった。

お互いのスマホとカバンを交換して、
スマホの『地図アプリ』で、お互いの住所を表示させた。
ユカリも、今ごろは、私のスマホの『地図』を頼りに、
とっくに私の家へたどりついている頃だろう。
学校からは、私の家のほうが近いから。

「とっさに思いついた作戦のわりには、
ここまで考えられるって、さすがユカリよねぇ。」

私は感心していた。
もしかして・・・ユカリは、とっさに思いついたのではなく、
以前から、「もしも入れ替われたら」と思っていたのかもしれない。
私のこと、「うらやましい」って思っていたらしいし。



ユカリの家は、2階建ての一軒家だった。
新しく・・・は、ないかな。
私たちと同じくらいの年数が経っていそうな家。
青い屋根が、周りの家になくて、とても目立っていた。

私は、玄関の前へ立ち・・・
うっかりチャイムのボタンを押しそうになって、アセった。

あ、あぶなかった・・・。
『他人の家へ入る』という意識が、
無意識のうちにチャイムを押すという行動になっていたみたい。

「不自然な行動をすれば、バレる可能性が高くなるから・・・」

と、ユカリに言われて、お互いの普段の行動を
事前に教えあったばかりだというのに。

「教えてもらったこと以外の行動はしないこと・・・」

ユカリに言われた言葉を自分で復唱してから、
私は、ユカリに渡されたカギを使って、玄関を開けた。
私の家では、いつも誰かがいるから、
玄関には、いつもカギがかかっていない。
こうやって、カギを使って帰宅するのは、ちょっと憧れていたことだった。

そっと玄関の扉を開けようとしていたのに、
扉は、勢いよく開いてしまった。
私ったら、ちょっとテンションあがって、リキんじゃってるのかもしれない。
扉は、すこし「カチャン」という音を立てた。
私は、扉を開ける前から、ドキドキ胸が高鳴っていたけど、
扉の音でも、ドキっとしてしまう。

・・・ユカリの家の中は、怖いほど、静かだった。



「家に入ったら、絶対、声を出さないでね。
独り言もダメよ。とくに、親の前では、口を動かさないで。」

「そ、そんな・・・なに、そのルール!
口を動かしたら、どうなるの!?怒られちゃうの?」

「ううん・・・
さっきも言ったでしょ、私の親が怒ってるのを見たことがないって。
怒られはしないけど・・・口だけじゃなく、表情だけでも、
親たちには、伝わってしまうのよ・・・。」

「?」

「とにかく、私のいつもの行動が、そうだから。
バレないために、マリもそうしてね!
親たちに会って、顔を覗き込まれても、
マリは、ただ無表情のままでいて。」



私は、ユカリから聞いた
『ユカリの普段の行動』を思い出していた。
声を出さない・・・口を動かさない・・・無表情・・・。
そして、静まり返っているユカリの家の中・・・。
もしかしたら、ユカリの親たちは、
騒がしいことが嫌いなのかもしれない。
たしか、「いつも寡黙な親たち」ってユカリも言ってたし。

私は、ユカリから聞いたとおりに、
家の中に入って、ユカリの部屋へ向かおうとした。
玄関から入って、目の前の廊下をまっすぐ行ったら、
階段が見えてくるから、階段を登って・・・

・・・と、思い出しながら、廊下を歩こうとしたとき、
廊下の奥から、ドタバタと人の足音が近づいてきた!

きっと、ユカリの親だ!

ど、どうしよう・・・!
やっぱり、さっきの玄関の扉の音で気づかれた!?
とにかく、無表情でいなきゃ・・・声を出さないように・・・!

慌てた動きになりそうな自分を抑えて、
廊下を歩き出したら、足音の主が、目の前に現れた。

ユカリのお母さんだ。

うっかり、お辞儀しそうになる自分。

あ、危なかった・・・。
ユカリのお母さんは私と同じくらいの身長。

体型も、そんなに変わらないかも。
歳は、私の親と同じかな。
目元が、ちょっとユカリに似てる・・・
ということは、私にも似てるってことか。
そう考えると、なんか、おもしろいなぁ。

はっ!

うっかり表情がニヤけそうにある自分に気づき、
すぐに、顔をそむけた。
そうだった・・・私は、ユカリ・・・無表情、無表情・・・。

なるべく、ユカリのお母さんの顔を見ないようにして、
ユカリの部屋へ向かおうとしたら・・・
ユカリのお母さんが、私に向かって、
身振り、手振りをしてきた・・・『ジェスチャー』!?

ちょっと・・・待って・・・そんな・・・!!!

私は、驚いてしまった・・・!

もう、ユカリのお母さんから目が離せなくなってしまった。
私の目は、たぶん、大きく見開かれていて、
ユカリのお母さんと、バッチリ、目が合ってしまっている。

明らかに、『ユカリの普段の行動』ではないことをしてしまっている。
それでも、私は、ユカリのお母さんから目が離せない。

ユカリのお母さんも、身振り、手振りを止めない。
ユカリのお母さんは、どんどん心配そうな表情になっていき・・・
手振りが激しくなってきてる気がした・・・。



手振り・・・?

 

 

 

ちがう・・・



これは・・・『手話』だ・・・。

 

 

 

 




私が廊下で立ち尽くしながら、
ユカリのお母さんの『手話』を見ていると、
廊下の奥から、別の足音が聞こえてきた。

ユカリのお父さんだ。
ガッシリとした体つきで、私より背が高い。
そのユカリのお父さんが・・・
私を見るなり、ユカリのお母さんと同じく手を必死に動かしている。

『手話』だ・・・。



そして、ユカリのお父さんが歩いてきた方向・・・
ドアが開きっぱなしになっている。
開いたドアから見えた部屋は、リビングだった。

そのリビングの中央にあるテーブルには、
すでに、食事の準備ができていて・・・
その中央には、ケーキが・・・



私は、ユカリが言おうとしなかった
この『入れ替わり作戦』の『本当の理由』に気づいてしまった。



私は・・・なんてバカなんだろう・・・。



私は、ユカリの本当の気持ちに気づき・・・
自分の愚かさに打ちのめされて・・・
ユカリの親たちの目の前で、泣き崩れてしまった・・・。



ユカリ・・・ごめん・・・。



ユカリ・・・。



 

 

 

 

つづく・・・。
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