中大、一部残留 | アマチュア野球をめぐる旅。

アマチュア野球をめぐる旅。

高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東都大学リーグ・秋季1部-2部入替戦(中央大対拓殖大)を観戦に神宮球場に足を運んだ。

09年・東都大学リーグ初制覇と神宮大会を制した大学王者・立正大が、翌春2部に降格。
10年・東都大学リーグを初制覇した国学院大が翌春2部に降格するなど、油断を許さない東都大学リーグ。
自ら「戦国東都」と名付けるとおり1部と2部の間の戦力・実力の境界線は非常に曖昧で実力伯仲する激戦区。


「青学昇格!立正降格…。」(弊ブログ・10年6月8日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10556886392.html


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島袋のトルネード


中央大は、昨年の春夏甲子園を制した島袋洋奨(1年・興南)を一部残留を懸けたマウンドに送り出した。
甲子園春夏連覇を果たした島袋でも背水の陣で迎える入替戦に、緊張感を抱えてマウンドに登ったことだろう。

拓殖大は初戦の勝利投手・石橋良太(2年・明徳義塾)を先発マウンドに送り出した。
石橋の他に三塁手・馬淵烈、捕手・浦翔太郎、遊撃手・安田直人と明徳義塾OB4名が拓大のスタメンに名を連ねる。
ちなみに馬淵烈(4年・明徳義塾)は明徳義塾・馬淵史郎監督の長男である。
馬淵監督自身が拓殖大のOBである事から明徳義塾と拓殖大のラインが強化されているのだろうか。


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拓大の四番馬淵は、明徳義塾・馬淵監督の長男


一回表、2番・影山潤二(2年・桐蔭学園)、3番・島田隼斗(3年・常総学院)の連続中前安打で一塁三塁と得点機を迎える。
4番・井上晴哉(4年・崇徳)のセンターへの犠飛で中央大が先制点を挙げる。
さらに5番・杉沼慶(4年・秋田中央)の内野安打、6番・福田将儀(1年・習志野)の右前適時打で2-0とする。

二回表、8番・飯田大祐(3年・常総学院)の右中間への三塁打。9番・佐藤旭(4年・大分舞鶴)の四球で出塁。
1番・西銘生悟(3年・沖縄尚学)にボールが2球続き、拓殖大は石橋から池田望(3年・佐久長聖)に投手交代。

影山が押し出しの四球、島田が右前に二点適時打、井上が左前適時打を放ち、6-0とリードを広げた。
島田はアウトコースに逆らわずに流し打ち、井上は初球のスライダーを打つなど狙い球を絞っているように見受けられた。


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鍵谷は先輩・澤村に投げ方と体型が似てきた


五回裏、7番・石渡千佳士(4年・志学館)の右前安打、9番・安田直人(3年・明徳義塾)が左越え本塁打を放ち、二点を返す。
五回まで得点を奪えなかった拓大打線が島袋を捉え、中央大は鍵谷陽平(3年・北海)をリリーフで送り出す。

六回裏、山下峻吾(1年・八王子)、安田の連続適時打で二点を返して4-6と二点差とする。
さらに八回裏、二死から石渡の二塁打、山下の中前適時打で5-6と一点差まで拓大が詰め寄る。
入替戦の初戦で三点差を引っくり返しているだけに一塁側拓大スタンドは盛り上がりを見せていた。


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試合後にうなだれる拓大ナイン


九回裏、先頭の野添一貴(2年・天理)が中前安打で出塁するが、後続が続かず5-7で拓殖大が僅かに届かなかった。
鍵谷をリリーフした入江慶亮(4年・浜田)は野添に出塁を許した後、落ち着いたマウンド捌きであった。
入江は大学野球最後の投球で、一部残留を後輩の手土産にして締め括った格好である。

最終回二死、本塁打が出れば同点の場面で馬淵が目に涙を溜めながら打席に向かっていく姿が印象に残った。
結果は二塁ゴロであったが、拓殖大と馬淵が一部昇格に懸けた想いが伝わってくるようだった。
一塁スタンドには試合を見届ける明徳義塾・馬淵監督の姿があったが、当然馬淵もその事実は知っていただろう。


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試合後のスコアボード



試合の詳細はこちらから


「島袋洋奨、大学デビュー戦」(弊ブログ・4月6日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10852394876.html


「中央大・澤村拓一の初登板」(弊ブログ・10年4月14日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10508586058.html