濱田達郎と中村祐太の投手戦 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

明治神宮野球大会を観戦に神宮球場に足を運んだ。
明治神宮野球大会は高校の部、大学の部が同一日程で行われるという稀有な大会運営。

高校の部に出場した選手が、試合後にスタンドから目を輝かせて観戦している姿を見掛ける事がある。
大学生の試合に将来の自分の姿を投影して足りない部分や通用しそうな部分を重ね合わせるのだろう。
伸び盛りの高校1、2年生には非常に有意義な時間であると考える。


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祝日の神宮球場には大勢の観客が集まった


開幕日の第2試合は愛工大名電(東海地区代表)対関東一(東京地区代表)という対戦カード。
2年生世代屈指のサウスポーである愛工大名電・濱田達郎、関東一の1年生エース・中村祐太の投手戦が期待された。

都大会では背番号10を背負っていた中村は明治神宮大会ではエースナンバーに昇格している。
決勝戦で帝京打線を相手に1安打完封、自らの先制適時打でセンバツ出場を手繰り寄せた活躍が認めたのだろう。

「関東一、4年ぶり2回目の優勝」(弊ブログ・10月31日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-11063686511.html


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愛工大名電・濱田達郎の投球フォーム


三回表、8番・濱田が中前前打、9番・中村雄太朗の犠打で得点圏に走者を進める。
1番・木村斗史稀のバントは小フライになるが、中村の頭上を越えてマウンド後方に落ちる内野安打。
続く2番・松原史弥はバントを試みるも失敗で、二死1・3塁となる。

9番・中村の犠打から2番・松原まで三者連続でバントを試みるという愛工大名電らしい攻撃を披露した。
ちなみに、高校野球で犠打を含めてバントを試みることをネットスラングで「メイデン」と呼ぶらしい。

3番・荒木勇斗が左中間を破る走者一掃の適時二塁打で、愛工大名電が二点を先制する。

 
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関東一・中村祐太の投球フォーム


三回裏、1番・磯部優太の右越え三塁打、3番・木内準祥の遊ゴロの間に磯部がホームに戻り関東一が一点を返した。

濱田は最終回、二死1・2塁とピンチを迎えるが、8番・中村からシンカーで8個目の三振を奪って試合を締めた。
四回・五回・七回を三者凡退、被安打5と最終回で得点圏に走者を背負う以外、関東一打線を寄せ付けない投球内容。

また、九回裏、二死1・2塁でベンチから送られた伝令を「大丈夫だから帰れ」と追い返すなどマイペースを崩さない。


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神宮の上空にはアドバルーンが飛んでました


濱田のストレートは最速で145㌔を計測、アベレージでも130㌔台後半を記録していた。
また、高速スライダーが主流の時代にあって120㌔台のスピードで投げ込まれるスライダーは珍しい。
さらに右打者のアウトコースに沈んでいくシンカーまたはチェンジアップ(?)が投球の幅を広げている。
左右それぞれの変化球を持つことは投球に奥行きを持たせ、立体的に組み立てる事を可能にする。


入学直後96kgもあったという体重を85kgまで絞り、体のキレを出すことに腐心してきたという。
183cm・85kgという恵まれた体格から繰り出される高水準で多彩なボールを打ち崩すのは難易度が高そうである。


「日大三、明治神宮大会優勝」(弊ブログ・10年11月21日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10712566590.html