日大三、明治神宮大会優勝 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

明治神宮野球大会(高校の部)を観戦に神宮球場に足を運んだ。
明治神宮野球大会は高校の部、大学の部が同一日程で行われるという稀有な大会運営。

高校の部の後、大学の部のシートノックやキャッチボールが始まるとレベル差を否応無く感じる。
新チームである高校生に対して大学生は全学年が居並ぶ集大成である為、当然成熟度でも差が出てしまう。

高校の部に出場した選手が、試合後にスタンドから目を輝かせて観戦している姿を見掛ける事がある。
各地域で優勝を飾ったチームのメンバーであるからこそ、
大学生の試合に将来の自分の姿を投影して足りない部分や通用しそうな部分を重ね合わせるのだろう。
伸び盛りの高校一、二年生には非常に有意義な時間であると考える。


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高校の部の決勝戦を一塁側から


近年、明治神宮野球大会は土曜日開幕から連続した五日間での開催になる為、三日目以降は平日に開催される。
よって、準々決勝以降は観客動員が落ちる傾向にあるが、今年は“佑ちゃん効果”で観客は落ち込まない。
高校の部の中盤以降は大学の部の決勝目当てと思われる観客が大挙押し寄せていた。


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日大三のエース・吉永健太郎


高校の部の決勝戦は日大三(東京地区代表)対鹿児島実(九州地区代表)という対戦カード。

日大三は先発右腕、吉永健太朗が最速147㌔を記録したストレートに加えて、カーブ、スライダー、チェンジアップを投げ分けて、危なげの無い安定した投球内容。
鹿実打線から8安打を浴びたものの、要所を締めて4-1で完投勝利。
吉永は打撃でも四回に適時打を放つ等、投打に大車輪の活躍を見せていた。

日大三は、都大会・予選から全試合を先制逃げ切りという勝ちパターンで秋の高校日本一に輝いた。

エースである吉永は現段階での完成度の高さに加えて、未完成な部分も残して来年が楽しみな逸材。
来年のセンバツでの成長した姿を楽しみにしたい。


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日大三の横尾の本塁打のシーン


日大三は一回に3番・畔上翔の右前適時打で先制。四回には4番・横尾俊建の左翼本塁打で三点を追加。
イニング冒頭の初球が真ん中に甘く入ったスライダーであったが、鋭い打球が左翼スタンドに向かった。
試合が落ち着きかけた中盤に飛び出した流れを引き寄せた四番打者の一撃であった。

横尾のスイングはヘッドが外側を大きく回る、アウトサイドインの軌道を描く為に真ん中の緩い球は絶好球。
真ん中付近のボールを左翼方向に持って行く事が最も得意な典型的プルヒッターである。
横尾にはインコースへの速いボールで揺さぶりをかけなければ打ち取るのは容易ではない。
インコースのボールを投げている限り、横尾の打球はフェアゾーンでは威力を発揮しないとも言い換えられる。


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鹿実の先発・野田昇吾


鹿児島実の先発は左腕、野田昇吾。167cm、52kgとサイズは小さいが力強いボールを投げ込んでいた。
夏の甲子園当時の選手名鑑などでは63kgなどとプロフィールに記載されているが、
明治神宮野球大会での大会パンフレットでは52kgと表記されている。

ストレートの球速は130㌔台中盤ながら伸びのあるボールがミットに収まっていた。
ブレーキの利いた緩いカーブ、小さく曲がるスライダー、チェンジアップを投げ分けていた。

明徳義塾との試合で9つの四死球を出しているような制球への不安は感じられなかった。
しかし、四死球を与えないまでもストライクゾーンにアバウトに投げ込んでいる印象を受けた。


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お馴染みの歓喜の瞬間


今季の日大三も歴代のチーム同様に「強打の三高」という伝統のチームカラーが健在である。
そこに吉永という安定感抜群のエース投手がいるから盤石の試合運びを可能にしている。
センバツ、夏の甲子園出場、更には甲子園で勝ち上がるには二番手以降の投手育成が課題になるのだろう。


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試合終了後のスコアボード


試合後のインタビューで吉永は「センバツでは150㌔を目指します」と答えていた。
インタビュアーが「最速で何キロ出るのでしょうか?」など強引に球速に話題を持って行った。
しかし、ストレートの球速の速さで投手の優劣が決まる訳では無い。
あくまで投手の能力を文字情報で推し量る、客観的指標のひとつである。


日大三の優勝に拠って『神宮大会枠』は東京地区と関東地区のいずれかの学校になる予定。
東京の場合、準優勝の国学院久我山。関東の場合、前橋育英(群馬)ではないか、と勝手に予想してみる。


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