広報インターンの渡部です^^
今回は、ミレニアム開発目標(MDGs)の6番目のゴールについて、ゴールの内容と進捗状況をご紹介します。
ゴール1~5についてのブログをご覧ください。
どうなったの?MDGs~ゴール6:病気をふせごう
~
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
MDGsのゴール6のテーマは、「感染症の防止」です![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
主な病気として、HIV/エイズ、マラリア、結核などの疾病が対象です。
ゴール6では、具体的な目標を3つ掲げています。
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/269.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/270.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/271.gif)
2013年までの結果としては……
目標
、2015年までにHIV/エイズの蔓延を防ぎ、感染を減らす
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/269.gif)
→HIV/エイズの発症数は、多くの地域で下がりつつあります
さらに進行すると病気とたたかう抵抗力(免疫)が低下し、本来なら自分の力で抑えることのできる病気などを発症するようになってしまいます。このようにして、抵抗力が落ちることで発症する代表的な疾患にかかった時点でエイズ発症と診断されます。
エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによっておこる病気ですが、HIV感染=エイズということではありません。
HIVに感染すると、通常6~8週間経過して、血液中にHIV抗体が検出されます。HIV検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができるのです。HIVに感染しても、現在はさまざまな治療薬が出ており、きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。
詳しいHIV/エイズに関してのQ&Aはこちらから
一方で、毎年250万の人々が新たにHIVに感染しています。
2011年には、15~24歳までの約82万人が新たにHIV/エイズに感染しました。そのうちの60%以上が女性
です。
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/158.gif)
また、若者のHIV/エイズに関する知識が不足しているという問題もあります。特にサハラ以南アフリカでは、女性の28%、男性では36%しかHIV/エイズの知識を持っていません。
目標
、2010年までに、必要とするすべての人々がHIV/エイズの治療を受けられるようにする
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/270.gif)
→2011年の終わりには、途上国地域で約800万人のHIV感染者の人々が抗レトロウイルス薬※を手に入れました。
この数字は、2010年より約140万人増加しています
この数字は、2010年より約140万人増加しています
しかし、体の他の部位への移転や、病気の進行を遅くさせるという効果があるため、抗レトロウイルス薬があれば、HIV感染者はHIVとともに生きることができます。
以下の表は、HIV感染者が、抗レトロウイルス薬による治療を受けている割合を示しています。
(出典:United Nations “The Millennium Development Goals Report 2013”)
(出典:United Nations “The Millennium Development Goals Report 2013”)
最新のデータからは、2015年の終わりまでにHIV/エイズ患者の約1500万人近くの人々が治療を受けられる可能性があると言われています。
しかし、表からもわかるように、全ての地域で改善は見られますが、2011年時点で、途上国のHIV感染者約144万人のうち55%しか必要な治療を受けられませんでした。
このことから、HIV治療は“必要とする全ての人々”には行き届いていない、と言えます。
目標
、2015年までに、マラリアその他の主な疾病の発生を防ぎ、発生率を下げる
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/271.gif)
→2000年から2010年までの間で、マラリアによって生命の危機に瀕していた100万人以上ものの人々が、治療を受けました。
それにもかかわらず、2010年、世界では2億人以上がマラリアに感染し、66万人が亡くなりました。
そのうち、80%以上は免疫力の弱い5歳以下の子ども達![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/158.gif)
です。
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/158.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/159.gif)
マラリアの伝染の予防策として、蚊帳が用いられています。
過去10年間でサハラ以南アフリカにおいては、5歳以下の子どもの3分の1が、蚊帳の下で寝ることができるようになり、
マラリアの感染予防という面で大きな進展がありました
マラリアの感染予防という面で大きな進展がありました
最後に…
ところで、日本でのHIV/エイズの動向はどうなっているでしょうか。
2003年のHIV感染者・エイズ患者の総数は、約8000人です。
2008年のHIV感染者・エイズ患者の総数は、約1万4700人です。
2013年のHIV感染者・エイズ患者の総数は、約2万2200人です。
日本の感染率は、途上国と比べるて高くありませんが、確実に増加しています。
私自身も、この数字の重大さに改めて気づきました。
グローバル化の進む今日、HIV/エイズは、途上国だけの問題ではありません。
日本では、約94%の人が、『HIV/エイズの広がりは深刻な問題である』と感じている一方で、わずか約30%しか、『日本での問題である』と捉えていないというデータがあります。
世界では64%の人が、HIV/エイズを自分たちの国の問題と認識していることを考えると、
世界の人々に比べて日本人のHIV/エイズに対する危機感の薄さが分かります。
HIV/エイズという世界的な課題が他人事ではないという認識を持つことが、日本には求められているのだと思いました。
2015年の期限がだんだん近づいています。
"The Millennium Development Goals Report 2013"を読む中で、
全体の数字から見ると達成できているような課題も、
国別にみるとあまり進展していない国があることを実感しました。
全体の数字から見ると達成できているような課題も、
国別にみるとあまり進展していない国があることを実感しました。
このままでは全ての目標を達成するのは、とても厳しいとされています。
目標達成期限まであと約2年、グッドネーバーズ・ジャパンと一緒に、世界中の人々が直面している課題を理解し、貧困・差別のない世界を作りましょう!
参考資料:
United Nations "The Millennium Development Goals Report 2013"
http://www.un.org/millenniumgoals/pdf/report-2013/mdg-report-2013-english.pdf
API-Net エイズ予防情報ネット「The Benchmark:日本の現状」(最終閲覧日:2013年11月14日)
http://api-net.jfap.or.jp/status/pdf/The%20Benchmark%20Japan.pdf
エイズ予防情報ネット 「平成25年 エイズ発生動向年報」(最終閲覧日:2013年11月12日)
http://api-net.jfap.or.jp/status/2013/1308/20130830_hyo_02.pdf
エイズ予防情報ネット 「平成20年 エイズ発生動向年報」(最終閲覧日:2013年11月12日)
http://api-net.jfap.or.jp/status/2008/0808/hyo_02.pdf
エイズ予防情報ネット 「平成15年 エイズ発生動向年報」(最終閲覧日:2013年11月12日)
http://api-net.jfap.or.jp/status/2003/0308/hyo_02.htm