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2013-05-10 12:01:35

アートセラピー作品の変遷と心の状態の変化

テーマ:東日本大震災
こんにちは。アートセラピー活動担当の高久です。

現在、大槌町のおさなご幼稚園では月に一度のペースでアートセラピー活動を継続的に実施しております。アートセラピー活動の成果を出すためには、継続的な実施が不可欠です。そして、アートセラピーの効果は子どもたちの作品から見て取ることができます。2012年7月から実施してきましたアートセラピー活動ですが、今までのおさなご幼稚園での作品の変化と子どもたちの心の変遷をお伝えいたします。

アートセラピーを継続的に実施すると、子どもたちの作品にはいくつかのステップを経て、子どもたちの心の状態の変化を見て取ることができます

第一段階:感情の解放
震災や、津波という今まで経験したことのないストレスを受けた子どもたちは、アートセラピーを開始すると、不安や恐怖など「言葉にできない複雑な感情を吐き出す」ということからはじめる傾向があります。この段階の子どもたちの作品には以下の様な傾向が表れます。

【作品に表れる傾向】
・紙粘土をグチャグチャにする(形のないものを作る)
・ぬり絵を単色で枠を気にせず塗りつぶす
・絵の具や粘土を混ぜ合わせグチャグチャにする

この段階での作品の特徴としては、紫、茶色、黒などの単色使いが多く見られます。
子どもたちが、紫色を使用する際の心理状況ついて専門家は以下のように述べています。

「気分を高揚させる赤と、気分を落ち着かせる青、その両方の性質を含む紫色。子どもが使う紫色の意味についてはさまざまな研究があり、心身エネルギーの低下と深い関連があるようです。(中略)子どもが紫色を好むときは、子ども自身の回復力が働いていると考え、好きなだけ使わせてあげるといいでしょう。(月間ホピー 2010年4月号 「絵を通して広がる!深まる!親子のコミュニケーション」 色彩心理学者 末永蒼生 著)
 

 
「3回目のアートセラピーで描かれた作品1(紫色)


「3回目のアートセラピーで描かれた作品2(黒)」

「3回目のアートセラピーでの作品(紙粘土)」


また、吐き出したい感情が強いときほど、ぬり絵を選ぶことが多く、画材はクレヨンを使用する子どもたちが多く見られました。

第二段階:自分と向き合う (自由に表現をし始める)
アートセラピー活動を継続していると、子どもたちの作品に以下の様な変化が現れます。このターニングポイントは6カ月目(6回目)を目安として訪れることが多いようで、おさなご幼稚園でも例外ではありませんでした。

【作品に表れる傾向】
・明るい色使いや、きれいな配色が見られるようになった
・ぬり絵よりも、自由に好きな絵を描きたがる
・紙粘土を使用して、より具体的なものを作り始める
・水を混ぜて使う画材への興味が出てきた (水をたっぷり混ぜたり、水少な目にしたり その日の状態により変化が見られた)

第一段階で一通り感情の吐き出しを終えた子どもたちは次の段階では、具体的なものを描き始めたり、具体的なものを作り始めたりします。しっかりと自分と向き合うことができ、落ち着きを取り戻しはじめていることが伺えます
 


「7回目のアートセラピーでの作品(カラフルな絵)


「7回目のアートセラピーでの作品(紙粘土で作った昆虫)」


第三段階:より心が安定しはじめる
第二段階から次の段階へ移行するタイミングとして、こちらも6カ月が目安になります。子どもたちの作品は、より具体的なもの、より緻密なものをモチーフにした作品へと変化してゆきます。4月で10回目を迎えたおさなご幼稚園の子どもたちの作品にも徐々にこの段階へとシフトし始めているようです。

 


「9回目のアートセラピーでの作品 (紙粘土で作った新幹線)」

 


「10回目のアートセラピーでの作品 (曼荼羅の絵)」


作品が、より具体的なものになるということは、子どもたちが今まで以上に自分と向き合うことができているということを意味しています。

以上が、おさなご幼稚園での作品の変化と子どもたちの心の変遷でした。おさなご幼稚園では現在、第二段階から第三段階へシフトをしつつあるということで、もう少し、活動を継続することが望ましいとの専門家の判断でした。そこで、2013年3月で終了予定であった本活動を、2013年9月まで延長することが決定いたしました。


今後の子どもたちの作品を見るのが楽しみです。

*写真提供: 東日本支援チーム・アートdeセラピー



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2013-05-02 16:50:59

チリ、プンタアレナスのラジオ局

テーマ:スタッフ海外駐在日記
皆さん、お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。
スタッフの高垣です。

私は今、グッドネーバーズ・チリと共に実施している事業のモニタリングのためにチリに来ています。

今日はその事業の報告をしたいと思います。

私たちは昨年よりチリのプンタアレナスというところで、コミュニティFMという、ラジオを使った環境問題に対する啓発事業を進めています。

プンタアレナスと聞けば、アウトドアが好きな方はピンとくると思いますが、チリの南に位置するパタゴニア地方への入り口の町です。荒涼とした自然に囲まれたこの地方は、独特の地形が広がり野生動物も多く暮らしており、毎年多くの観光客を魅了しています。しかしこの地方でも近年、自然破壊が問題となっています。

それは人為的な山火事やごみの散乱による海岸の汚染、そして自然災害など、野生生物や自然だけでなくそこに住む人々にも影響を及ぼしています。

こうした状況に対して人々が気づき、環境保護や自然災害に対する意識を高めてもらうために、コミュニティFMを通して環境に関する番組を放送する事業です。
そしてこの事業は単にこうした問題に対する人々への啓発を進めるだけでなく、もう一つ重要な点として、このラジオ局を運営するのがこの町に住む「ハンディキャップを持つ子どもたち」だということです。

この子どもたちが、日本で言う養護学校を卒業した後に通う職業訓練校に当たる学校で、訓練の一環としてこのラジオ局を運営します。
ラジオ局の運営を通して子どもたちは自分に自信を付け、将来、社会に出てから歩む道に対する選択肢を広げ、それぞれの可能性を高めるのに役立ちます。


[放送開始に向け、準備中の子どもたち]


今回の私のモニタリングに合わせて、ラジオ局の引き渡し式が行われました式には市長や教育長も出席し、地元メディアも取材に来て、私たちが想像していた以上に盛大な式となりました。その式の中で子どもたちはラジオ局の運営を披露してくれました。その彼らの表情は
既に自信に満ち、自分たちのスキルに誇りを持っているようでした。

環境問題は人々の意識が変わらなければ解決しません。そしてその意識変革には長い時間を要します。つまりこの事業の成果が目に見える形で現れるまでには、子どもたちの継続した努力が求められます。今この学校に通う子どもたちだけでなく、将来、ここで職業訓練を受ける子どもたちにも、この活動を引き継ぐことが求められます。しかしこの難しい課題にプンタアレナスの子どもたちはそれぞれの可能性を託し取り組んでいます。

将来私がまたパタゴニアを訪れた日、このコミュニティFMが大きな社会運動として引き継がれていることを期待せずにはいられません。



この事業は『地球環境日本基金』より助成を受けて実施しています。


公益信託 地球環境日本基金  HPはこちら


2013-05-01 10:43:01

山田町パソコン教室活動が終了しました。

テーマ:東日本大震災
こんにちは。高久です。

2012年7月より7カ月以上にわたり、岩手県下閉伊郡山田町の仮設団地集会所におきまして、パソコン教室を実施してきました。初めは3カ所の仮設団地集会所で2012年12月までの開催予定でしたが、住民たちからの要望により会場は7カ所まで増え、期間も2013年3月までと延長実施されることになりました。

2013年2月、パソコン教室終了を目前に控え、参加者たちからは改めて延長のご要望をいただきました。さらに、事業継続のために、各教室では署名運動が起こり、山田町役場まで提出するという大きなムーブメントになりました。


[役場に提出されたパソコン教室継続のための署名]



私は、今までさまざまな国や地域で活動を実施してきましたが、参加者の方が主体となり、ここまで大きな動きを見ることができたのは、今回が初めてでした。それだけ、参加者の皆さんに愛されて、必要とされていた教室であったということを改めて実感することができました。

みなさまからの要望を受け、活動継続のために山田町役場や山田町社会福祉協議会、そしてこの活動を共に運営してきた山田町ほっとサポートセンター様と協議を重ねました。結果としましては、本活動をサポートしてくださる支援者さんが見つからず、参加者のみなさまからのご要望にはお応えできませんでした。
これだけみなさまから必要とされるような活動を展開することができながら、継続の要望にお応えできなかったことをとても悔しく思っています。活動を実施する上で、資金面でサポートしてくださる支援者様の重要性というものを痛感いたしました。


2013年3月、いよいよ各教室での最後の授業が実施されました。
それでは、最終回のパソコン教室の様子をご紹介します。

【3月6日 浦の浜集会所 パソコン教室最終日の様子】
浦の浜集会所でのパソコン教室の活動は2012年10月から開始されました。こちらの教室は「賑やかさ」が特徴です。
参加者の人数が一番多く、幅広い年齢層の方々にご参加いただいていることがその理由だと思います。いつも笑い声の絶えない浦の浜教室ですが、やはり最後の授業も笑いが絶えることはありませんでした。最後の授業を終えて、パソコンを片付けようとしていると、突然「卒業式」が始まりました。生徒さんたちから、感謝状とお花のサプライズプレゼントをいただきました。

 

[感謝状とお花のプレゼント](左:インターン田村スタッフ、右:高久)



 

[感謝状]



 

[最終日の記念撮影の様子]

浦の浜教室の皆さん、ありがとうございました。


【3月8日 浜川目集会所 パソコン教室最終日の様子】
2012年7月24日に第一回目のパソコン教室が開催されたのが浜川目(はまかわめ)集会所でした。もともと、パソコン教室活動は、ここの住民グループからのニーズにお応えするために開始されたのです。いつも温かくアットホームな雰囲気がこの教室の特徴です。
 

[浜川目教室の様子]

授業の前に、手作りのカレーや料理などをご馳走してくれたりもしました。

[詳しくは こちら]

浜川目教室から始まったパソコン教室ですが、すべての活動の最終日もやはり、浜川目教室でした。
最終日のパソコン教室では、授業が始まる前に「今日は30分早く授業を終わらせてください。」と担当者の方からお願いをされました。予定の時間より30分早く授業を終わらせると、みなさんが持ち寄ったお菓子とお茶でお別れ会をしてくれました。最後に、浜川目仮設団地集会所の管理を担当している、ほっとサポートセンターの船越様より、感謝のお手紙と色紙をいただきました。





[HSC色紙]
 

こうして、山田町でのパソコン教室活動は最終日を迎えることができました。

本活動は、仮設住宅の住民および、在宅被災者の方々に外出のきっかけを作ることと、新しいことを学び、自らの成長を実感することにより前向きに暮らして欲しいという願いを込めた心のケア活動でした。定期的に開催される教室で授業を行うたびに、みなさんがよりイキイキとなっていく様子が感じ取れました。

最後にパソコン教室に参加して下さった受講生の方からいただきましたお手紙をご紹介します。




みなさまからの強い継続のご要望にお応えすることができなかったことをとても残念に思います。
今後、各教室で参加者の方が自主的にパソコン教室や、他の集まりなどを企画・運営するという動きになって欲しいという期待を持って本活動を終了致しました。今回、われわれグッドネーバーズ・ジャパンは緊急支援として岩手県に入りました。あの震災から2年、まだまだ復興には時間がかかるとは思いますが、「活動の主体性」というバトンを地域住民の方々に徐々にお返しする時期ではないかと感じております。

このパソコン教室活動は、多くのみなさまに支えられながらここまで成長してきたと思います。今までパソコン教室に参加してくださったみなさま、そしてこの活動を支えて下さった皆さんに大変感謝しております。みなさまのご協力のおかげで、7カ月以上という長期にわたり本活動を実施することができました。ありがとうございました。




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