風若葉 うらがへりては 色を消す
―山口青邨
昨日は幽暗な空の下、木立を抜け、
木々の間の草花を揺らして空に舞い上がって行く「青嵐」が吹き渡っていましたが、
お蔭で今朝は、風雨も止み、穏やかな“風若葉”の朝を迎えましたね。
この「青嵐」とは、初夏の頃の青葉・若葉を吹く強い風を表し、
昨日のように雨を伴って吹くことも多く、
一方、その風が緑の香りを運ぶと見立てたのが“風薫る”「薫風」で、
湧き上がる風に青葉の香りが立ち上がるのは「青嵐」と同じ意味なのですが、
“風若葉”や「薫風」の方がより優しい感じで、
“風薫る五月”などという常套句にもよく使われています。
“肉塊”を捌く大島 学オーナーシェフ！
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分厚く切られた“牛刺し”
さて、太陽の光を透かして見える「若葉」には、
筆舌に尽くし難い美しさがあり、
木の種類によっては、各々が独自の色相を持ち、
晴れた日ばかりか雨の風情にも似合いますね。
この「若葉」には、掲句以外にも様々な季語が存在し、
ここで少し紹介してみますと・・・
先ず、〔若葉風〕〔若葉晴〕〔若葉時〕など時節を表すものや、
樹木に付いた“新葉”の特徴をイメージするものがあり、
中でも「柿若葉」の初夏のつやつやと明るく美しい柿の葉・・・や、
「朴若葉」などが有名です。
その他では、「椎若葉」（関東以西に自生するブナ科のこんもりとした大樹の常緑高木）、
「谷若葉」「里若葉」「山若葉」「若葉寒」「若葉冷え」「若葉雨」「若葉曇り」・・・etc
などと実に様々な季語で表され、
このように「若緑」の“葉”には生きる力を感じ、
古木からも「若葉」という“生命”が湧き出てくるかのように思います。
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また、青々とした「若葉」のことを「新緑」と言っていますが、
「新緑」には、世の中を一新する潔さがあり、
夏の盛りなら「万緑」。
そしてこの「若葉」より少し成長した頃の“青々とした葉”が「青葉」で、
「若葉」は“若々しさ”を、
「青葉」はその色を特徴としています。
ちなみに、「若葉」に覆われた木立を指すのが「新樹」で、
「新緑」とは「若葉」を“見届ける”見え方ですが、
「新樹」の方は遠目からの視点が感じられるような気がしますね。
http://jiten.cside3.jp/dictionary_use/dictionary%20use_16.htm
http://www.okayama-u.ac.jp/user/hasep/yh-seminar/2003b/Tada_31127.htm
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由美ママの好みはワイナリーにも出かけた『ロバート・モンダヴィ』 http://www.mercian.co.jp/rmw/index.html
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音たてゝ 吹きなびきをり 橡若葉
―星野立子
それでは、“若葉風”に裏返っていた「橡若葉」http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10537238423.html
も、
午後からは、夕日に映えて美しい“夕若葉”となりますから、
今宵も初夏の「新樹」の並木通りの景観を愉しみたく思う由美ママでした！！！