【残留農薬】輸入オレンジについて | 中野瑞樹『5300日フルーツ物語』the Japanese Fruitarian

中野瑞樹『5300日フルーツ物語』the Japanese Fruitarian

元東大教員 体を張るフルーツ研究家
Mizuki Nakano Official Blog
”Let's pass cleaner batons to the next generation by eating fruit!”

スーパーなどで、レモンやオレンジやグレープフルーツなどの輸入柑橘売り場に、下記のような表示がされているのを見かけたことはありませんか?


みかん箱のみかんを思い出してもらえれば分かるように、柑橘類は黴びやすく、数週間かけて運ばれると、船の中でカビだらけになってしまいます。なので、多くの輸入柑橘類には、ポストハーベスト(収穫後)として、防かび剤が使用されています。
※最近では、防かび剤不使用の輸入柑橘類もあります。

国産青果物ではポストハーベスト農薬(収穫後の農薬)は禁止されていて、収穫後は許可されている食品添加物のみ認められます。一方、輸入柑橘類に使用される、防かび剤は食品添加物として認可されています。

消費者として最も気になるのは「輸入柑橘を食べても安全なのか?」ということです。

結論から言えば、”安全”と言えます。
ただし、スーパーなどで販売されている輸入柑橘の多くには、基準値を超えることはなくても、防かび剤が残留しています。
なので
①輸入柑橘類の皮は必ず剥いて食べる
②輸入柑橘類を持ったら防かび剤が口に入る恐れがあるので、手を洗う 

ことをお勧めします

もう一つ、消費者としては、気になることがあります。
いくら残留基準値以下とは言え、防かび剤が残留している輸入柑橘類について、可食部である果肉に、防かび剤がどの程度浸潤しているのかということです。

卸売市場の食品衛生検査室や保健所などで実施されている、食品衛生検査は、厚生労働省により指導されており、フルーツでは、皮ごと検査するもの、皮をむいて検査するものに分かれます。輸入柑橘類は、皮ごと検査がされています。

防かび剤として、主に使われているのは、下記の4つです。
イマザリル
TBZ(チアベンダゾール)
OPP(オルトフェニルフェノール)
フルジオキソニル

それぞれ、厚生労働省が定める残留基準値は下記の通りです。
 5ppm
10ppm
10ppm
10ppm

保健所や市場の衛生検査室の検査では、皮ごと検査されていて、果肉への浸潤検査は行われていません。

日本で流通している輸入柑橘類について、残留基準値を上回ることはまずありません。
しかし、残留基準値を上回ってなくても、もともと農薬である防かび剤が、果肉にどの程度浸潤しているのかは知っておきたいところです。

そこで、輸入商社さんと何度かやり取りをさせて頂いておりました。
先日、ネーブルオレンジについて、防かび剤の残留試験結果を頂きました。

○果皮
イマザリル:3ppm
TBZ:2ppm
その他:不検出

○果肉
イマザリル:不検出
TBZ:不検出
その他:不検出

果肉には浸潤していませんでした。
私がお勧めてしている通り、皮を剥いて食べて頂ければ安全だと確認されました。
もちろん今回1件だけ、またネーブルオレンジだけのデータだけです。
消費者の信頼度が上がるので、輸入商社さんの方でも、検査を実施し、どんどん公表して頂ければと思います。

知る人ぞ知るオレンジブランド”ZEAL”
とってもジューシーでおいしくてお勧めです♪


オレンジは果肉がしっかりしているので、切りやすいです。
10秒もあれば切れます^^
まな板もべとべとになりません。

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