【転記】死刑による犯罪抑止効果は都市伝説 | 矯正知力〇.六

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メモ的ブログ

以下、mixiの猫王さんの日記より転記。

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『死刑制度には合理的な理由がない』

「永山基準」が一応、「法の論理」としてまかり通っているが
この基準自体に、客観的な根拠がるかというと
そうでもない

特に(4)結果の重大性(特に被害者数)
殺人において、一人までなら無期懲役
二人以上なら死刑

コレ、なんで?
なんで一人までならセーフ(おかしな表現だけど)で
二人からはアウトなの?

そうやって全般をみていくと
死刑制度ほど、いい加減なものはないんだな


犯罪抑止力は、証明できませんし
それこそ、根拠はありません
法学上の論議においても
それに対する反論は見当たらないです


◆「死刑」による犯罪抑止効果は都市伝説

死刑制度があるから、犯罪が予防できるんだ
そんな意見がある
これは、最高裁の判例をみても
死刑制度を法が認める理由ともなっている

細かくいうと
「一般予防論」と「特殊予防論」があるんだけど
ココでは、死刑制度によって、犯罪の抑止効果が
本当にあるのかどうかを、考えることにします


でも、ちょっとだけ触れておこうか


◆特別予防効果とは

再犯の可能性を、犯罪者を排除することによって完全に防ごうという考え
これが法の整合性に欠け、論理的でないことは※で簡単に説明してます


◆一般予防論

ついでにコレについても説明しときます
罪を犯したら、厳しい罰をくらうよ~ん
それが嫌で、人は罪を犯さなくなる
そういうことです
この日記では、死刑に相当する犯罪において
それが当てはまるのかどうかを考えます


では、本題に入りましょうか


『死刑による犯罪抑止効果は本当にあるのか?』


死刑による犯罪抑止効果があるという意見の根拠は
恐らく昭和二十三年の最高裁大法廷判決だろう
そこには
「死刑の威嚇力によって一般予防をなし、死刑の執行によって特殊な社会悪の根源を断ち・・・(以下略)」
とあります

これを元に、まるで死刑に犯罪抑止効果があるという前提で
議論されたりするのです
また同時に、これによって死刑が合憲であり、存在してもいいよという理由の
主たるモノになっております

逆に言うとここが間違っていれば、死刑合憲論も崩れると言える
これはまた別日記で、『死刑合憲論に挑戦する』ともで題して
いずれやります


◆犯罪者は死刑を恐れるのか?

頭をやわらかくして、心を自由にして考えて欲しい

これから人を殺そうと考えている者がいたとする
その者が、「死刑制度があるから殺すのをやめておこう」
ないから、「万が一捕まっても良いので、殺しちゃえ!」
と、なるだろうか?

だいたい、死刑にしても終身刑にしても(私は終身刑も反対だけど)
自由を奪われるのだ
短い時間で殺されるか
塀の中に一生閉じ込められて、寿命というかたちでじっくり殺されるか
それだけの違いしかない
私だったら、即座に殺して楽にして欲しい

死刑と終身刑、どちらが楽かは
まさに個人の考えしだいで、客観的にどちらが楽だとことは言えないモノです

コレだけを考えてみても、死刑に犯罪の抑止効果があるというのは
十分にうさんくさい


◆抑止効果は証明されているのか

そんな事実はない
誰も、それを証明できていない
事実や学術的調査、研究など、根拠が一切ないのに
あると言ってるにすぎないのです

抑止効果が立証されたというニュースも、たま~に流れるが
論文精査のすえ、全部まちがいであることが分かっている


◆そもそもそれは、立証可能なのか?

自然科学分野に詳しい人、そこで実験して論文を書いたことがある人なんかは
良く分かるんじゃないでしょうか
そもそも抑止効果を証明することが出来る実験なんて、不可能じゃないの?

二つの、完全に外部と遮断された社会を用意して
一方には死刑を置き、もう一方では死刑の代わりの制度を置く
用意する社会の大きさも、人口は多ければ多いほど正確だろう
適当なことを言うけど、一千万人は欲しいところだ

人口約一億前後の日本で、戦後60数年で約260人しか死刑囚がいない
死刑に処されるような犯罪は、それだけ少ないので
人口が少ないと、精度がいちじるしく劣るからだ

こんな実験が、可能でないことは考えるまでもないことです
そもそも死刑による犯罪抑止効果を、証明することは不可能です
それとも、他に何か方法があると思います?
私には思いつきません


◆結論

死刑による犯罪抑止効果は、証明されていないし
その事実的、論理的根拠も存在しない
その上、死刑に相当する犯罪を犯す者は
罰を恐れて犯罪をやめたりしない

「死刑」による犯罪抑止効果は都市伝説の類デス!


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『特別予防効果なんて、問題外』

某所で議論していて思ったことを一つ

死刑囚を野に放てば、再び同じような凶悪犯罪を犯す
その危険を危惧して、死刑が必要という言う意見がある

死刑囚が実際に凶悪犯罪を繰り返すのか
検証できないので
「繰り返す」というとろこに着目して
前科を調べ上げた
そこで、凶悪犯罪の前科があれば、繰り返すといえる

この結果は、これまで書いたものを何度も転載したので
ここにデータを記載しないが
10年に一件、再犯が起きる
これを、再犯する率に現した数字を提示すると
それをみて、高いという人がいる

この数値は、一般の犯罪の再犯率より低い
罪が重くなればなるほど、再犯率が下がる傾向(法則?)にあるが
その通りである

再犯率が高い・低いを判断することは
比較に寄るしかない
放火犯の再犯率が高いか低いかは、犯罪一般の再犯率や
その他の犯罪や他の国の放火の再犯率などと、比べるしかない

放火の再犯率が、仮に4%だったとして
その数値だけを見て、高い・低いというのは、主観でしかない

【転記】偏見① 死刑にしなければ、また同じ犯罪をするというデマ


話を戻して
死刑囚の再犯の危険、10年に一度の危険をもって
社会の安全が脅かされる、だから排除しなければいけない
そう言うのであれば
凶悪犯罪者は、前科により軽い犯罪歴を持つ
いま、その数値を覚えてないので正確なことは言えないが
約4割だったかな?
凶悪犯罪者のそれくらいの割合の者が、前科を持っている

凶悪犯罪は、年間で数千件(これも大雑把な数字だが)起きる
このうち、前科を持つ者が数百人だか千人単位だかくらい
死刑囚の再犯に比べて、数千倍から1万倍の事件が起きているわけです

10年に一件の事件が、社会の安全を脅かすといって
排除しなければならないというのであれば
罪をおかした何万人かの数から、数千件の凶悪犯罪者が生まれるわけで
そっちのほうが、実際には社会の安全を脅かしていることになる

再犯の危険を唱えて、排除するというのであれば
より大きな、通常の刑法犯まで排除しなければいけなくなる
だが、実際に詐欺だとか空き巣だとか、そういうものすべてに
死刑を科すことが出来ない

死刑囚の再犯がゼロでないから、死刑が必要だという意見は
つじつまが合わないのである


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死刑を廃止すれば、国民の安全が脅かされるというのであれば
それを証明しないといけない
「国籍法を悪用される」だから改正に反対というのと同じだよね
何も論証もせず、ただただ不安を煽っているだけ

「宇宙人が攻めてくるので、対宇宙人法をつくるべきだ」
「攻めてこねーよ!」
「攻めてこないことを証明しろ」
これと一緒だよね


カナダの例をもって、死刑をなくすと殺人が増えると言ってるけど
じゃ~民主国家でいちばん死刑を執行しているテキサスはどうなんだ?w
死刑で社会が守れるというのであるなら
凶悪犯罪も減り、死刑執行も減っていかないといけない

犯罪は厳罰の抑止効果(都市伝説だけどw)だけで
起きる、起きないが決まるわけじゃない
社会情勢など、様々な要因に拠って引き起こされる


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参照
【転記】死刑では何も解決しない