【転記】偏見① 死刑にしなければ、また同じ犯罪をするというデマ | 矯正知力〇.六

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メモ的ブログ

以下、mixiの猫王さんの日記より転記。

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◆凶悪犯を死刑か終身刑にしなければ、市民が危険にさらされるというデマを斬る

本当に凶悪犯は、死刑制度が廃止され
更生したと認められても、刑務所から出てしまえば
また同じく凶悪犯罪を犯すという考えが正しいとすると
実際の凶悪犯も、凶悪犯罪の再犯者が幾人かいるはずです

少なくとも、実際の死刑囚に
死刑が考慮されるような前科があるかを調べることで
この理屈が成り立つか目安になりえるでしょう



戦後、死刑が確定した死刑囚の数は、今年の11月30日の時点で253人
数え間違いとかで少し違っていたら、わずかな誤差なので
論旨には影響ないので、目安として読んでください

そこで、この253人の前科を調べてみようと試みた
戦後すぐのものなど、古い事件は資料が簡単には手に入らないので
ざっとみつかるもので、210名ほど調べました

この調査もかならずしも正確とは言えません
210件すべての死刑囚の、その人生を網羅することは不可能だから
不十分な調査もあるかもしれないことを、先に述べておきます



210人のうち、死刑も考慮されていい犯罪の前科を持つものは6人
うち2名の前科は少年犯罪だったので
死刑を考慮されるかは微妙なので、事実上4名と言っていいかもしれない
戦後すぐで、まだ明治憲法下の裁判で無期懲役をくらったのが一名
これは軍隊でいじめにあい、上官に反抗したのが理由
死刑を考慮する前科とはいえないが、参考までに

210中、殺人などの前科があったものは
少年犯罪も念のため含めると、6人だった
この数値から、全体の253人について予測、計算してみると
253人でおおよそで7人になる

念のためだが、この計算は
1000試合で本塁打を100本打つ打者が、1100試合で何本打つか予想して
110本と計算するのと同じ要領です

戦後62年間で7人ということは
10年間で1,1人が、再び凶悪犯罪を犯しているということになる
一年間で言えば、0,1人です

この数値から言えることは
凶悪犯罪者は、服役後は更生して、二度と同じような過ちを犯さないと
言えるのではないでしょうか?

刑法を改革し
更生を主にし、犯罪者更生プログラムを導入すれば
もっと減らす事が出来るのではないでしょうか?

更生が認められなければ釈放されることはないことも
併せて考えれば
死刑を廃止したときに、死刑に相当する罪を犯したものが
更生して出所後に、再び死刑に相当する犯罪を犯す確率は
理論上、限りなく0に近いと言えるのではないでしょうか?



死刑をなくせば、一般市民が危険にさらされるというのは
デマでしかない

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10年に一人というのは
極めて少ない事例です
特殊なわけですよ
それは、どんな制度でもカバーできません

例えば商法です
ありとあらゆる詐欺が、取り締まってもとりしまっても
誕生しますよね

あらゆる詐欺を防ぐ法律にしてしまえば
実際の商取引なんてできないような法律になってしまいます

刑法でも、特殊な事例ですら防ぐことを考えれば
もうかたっぱしから死刑にしていかねばならなくなります

軽犯罪の前科から、重犯罪を犯すケースが
再犯では高いんですよ
10年に一人を問題にするなら
そちらのほうを全て死刑にしたほうが、社会は安全です

軽犯罪者を塀からだすことによって
その者の再犯で、多くの重犯罪が起きております

ちょっと誤解を招く言い方で
軽犯罪を犯す者は、すべて重犯罪を犯す
そういう意味ではないですよ


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Ren-Uさんと猫王さんのやりとり

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Ren-U2008年04月18日 21:19
>戦後62年間で7人ということは
>10年間で1,1人が、再び凶悪犯罪を犯しているということになる
>一年間で言えば、0,1人です

年当たりで計算してもあまり意味はないと思うんですけど。
むしろ、再犯率が2.8%ということに注目すべきでしょう。
一般の人が凶悪犯罪を犯す確率は2.8%より高いかどうかで評価すべきではないでしょうか?
もし一般の人が凶悪犯罪を犯す確率が2.8%と変わりがなければ、死刑にしなければまた同じ犯罪を犯すという仮説は棄却されます。しかし、一般の人が凶悪犯罪を犯す確率が2.8%よりも遥かに低ければ、死刑にしなければまた同じ犯罪を犯す確率が高いという仮説は妥当性を持つでしょう。
そして、一般の人が凶悪犯罪を犯す確率は2.8%より遥かに低いと思います(私の感覚的なものですが)。
問題は、その2.8%のために、再犯しないであろう97.2%を死刑にしてしまって良いか、という話だと思います。



猫王@(/・ω・)/2008年04月18日 21:31
この統計は
「死刑囚を野に放てば、再び同じ罪を犯す」
そういう偏見に対して、出してきたもの
なんです

実際に死刑囚は、死刑になるので
それを確かめようがありません
類推する方法は、いくつかあるでしょうが
とりあえず、死刑の問題なので
死刑囚の生涯や前科を、調べてみたのです

死刑囚は更生せずに、犯罪を繰り返すというのが本当であるのであれば
死刑囚の中の一定の割合で
重犯罪の前科があってもおかしくありません

死刑にならなかった殺人犯の、同じ殺人の再犯率も
非常に少ない値でした


>一般の人が凶悪犯罪を犯す確率は2.8%より高いかどうかで評価すべきではないでしょうか?

これは、前にもそういう提起があったんですが
実際にどのように計算すれば良いのでしょう?
ちょっと考えると、無理だったんですよね
統計学の専門知識のある方なら
分かるのかも知れませんが
その提起がなされたときにも
やっぱり誰も調査方法を考える事ができませんでした


>もし一般の人が凶悪犯罪を犯す確率が2.8%と変わりがなければ、死刑にしなければまた同じ犯罪を犯すという仮説は棄却されます。しかし、一般の人が凶悪犯罪を犯す確率が2.8%よりも遥かに低ければ、死刑にしなければまた同じ犯罪を犯す確率が高いという仮説は妥当性を持つでしょう。

これは違うんじゃないでしょうか?
「凶悪犯罪者が、必ず再犯をする」
それが正しいかどうか、そういう偏見が主題ですから
一般人と比べることに、意味があるとは思えないですけど?


いかに凶悪犯罪者が、再犯をしていないのか
それを示す指標としては
その提起は目安の一つになると思います


猫王@(/・ω・)/2008年04月18日 22:24
≫Ren-Uさん

この統計も
死刑囚を死刑にしないで
刑期を設けてそれが明けて出所してきたら
また同じ罪を犯す
そういう主張に対して
反論するために、わざわざ作ったものなんです

対話を続けていると
別の日記で書いた
「死刑問題の三つの偏見」
これはかなり根強いですよ~


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キブロワイト4さんと猫王さんのやりとり

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キブロワイト42008年04月25日 00:11
7/253≒2.7%は「限りなく0に近い数字」ではありません。
絶対に違います。


>>服役後は更生して、二度と同じような過ちを犯さないと
言えるのではないでしょうか?

言えません。100人中2人以上が死刑相当の罪を犯すのはどう考えても「異常」です。この数字からわかることは

一般人が初めて凶悪犯罪を起こす可能性よりも
凶悪犯が再び凶悪犯罪を起こす可能性のほうが遥かに高い

ということではないでしょうか。



猫王@(/・ω・)/2008年04月25日 13:11
1年間で0,1人の再犯という実数
0,1人という、自然数でない数字を実数というのも変ですけど
それを、「限りなく0に近い数字」と言っております

データの観方や解釈を変えると、どんどん実態とはかけはなれたりします

詳細は言えなくて、具体的な話でなくて申し訳ないのですが
以前、ある環境問題で、某団体からデータを見せてもらったとき
環境悪化の証拠として、ある数値が三倍(だったかな?)になった
そういうのを見せてもらったんですよ

ところがよくみると
分母が数千で、分子が1から3に増えただけなんです
私は統計は不得手なんですけど
3倍に増えたとは言えません
横ばいと推定するのが妥当です

そのように、データって大きく見せることは可能なんですよね
何が問題なのか、なにがそれの本質なのか
そこで、データをみないといけないと思うんですよ



今回の、日記の趣旨は
「死刑囚を野に放てば、社会が危険になる」という風評に対して
「そうは言えないよ」ということです
だから、実数を扱うことが妥当だと思っております

そこで、60数年で7人
実際に数える事ができたのは、少年犯罪も含めて6人で
あとの一人は、調査できなかった数を、割合で出してきたものです

この10年に一人という実数を
「限りなく0に近い数字」
とても少ない数と表現しました


>一般人が初めて凶悪犯罪を起こす可能性よりも
凶悪犯が再び凶悪犯罪を起こす可能性のほうが遥かに高い

これは申し訳ないですが、ハッキリと間違いです
「一般人が初めて凶悪犯罪を起こす可能性」
上でも議論になりましたが
これはどう考えても、確率は出せないんですよ
統計の学者さんだったら、何か方法が見出せるかも知れませんが
犯罪関係の統計資料を探しても
未だ見かけたことがないので、おそらく算出するのは無理なんでしょう


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日記本文にも書きましたが
死刑制度について考えるときに
大きくわけで、三つの偏見が邪魔をして
理性的に考えることが出来ない人が多いです

だから、まずはその偏見について
述べているのです

死刑制度全般に関しては
その他の、偏見を斬っているものも合わせてご覧になっていただくと
全体像が見えてくると思います

ただ、人権の観点はあえて触れておりません
それが本道ですが
「人権」を口にすると
それだけで、読み進めてもらえなかったり
議論が出来なくなる人が多いからです

死刑制度は、広く世間に理解と共感を得ないと
前に進みませんので
あえて、その様な方が持つ偏見に
焦点を絞って、専門用語などは一切使わず
誰にでも分るようにと
述べております


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凶悪犯罪者は、更生しない
同じような犯罪を、何度も繰り返す

そういう主張があるので
じゃ~実際に死刑囚は、凶悪犯罪を繰り返しているのか
それを調べてみたわけです

凶悪犯罪とは、死刑になるものだけがそうではありませんからね

実際に凶悪犯罪の再犯については
犯罪白書に統計が載っており
凶悪犯罪の再犯率は、他の犯罪に比べて高くありません

そういう自明なこと以上に
じゃ~死刑囚はどうなのか
それを調査した結果が、この日記な訳です

更生しない、繰り返す
それが本当であるのなら

死刑になるような者は、前科があてもおかしくない
ところが、実際に調べてみると
極端に少なかったわけです

そういうところを明らかにしたのが、ここで書いてあることです


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