【転記】偏見③ 報復刑は、なぜいけないのか? | 矯正知力〇.六

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メモ的ブログ

以下、mixiの猫王さんの日記より転記。

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『遺族感情で罪を裁くことは不可能』

遺族が望めば死刑にしてよい犯罪と、ダメな犯罪
その基準をどこに置くのでしょう?

今の死刑の基準で言えば、殺人でいうと
大雑把な事を言いますが、もちろん例外もありますよ
一人殺せば無期懲役、二人以上が死刑判決を出す際の基準と
なっております
では、殺害人数ひとりの場合も拡大すればいいのか?

次ぎに、拉致監禁されて長らく少女がレイプされ続けていたとします
今の法では死刑になりません
この手の犯罪は、被害者と遺族の怒りや悲しみは
死刑に相当する犯罪と比べて、どちらが深いか
誰にも判断できません
私の感情を言わせてもらえば、やつざき死でもあきたりません
これも拡大して、とりあえず死刑にしますか

詐欺にあって経営が破綻した、中小企業の社長さん
家族と社員に詫びようと、自殺しました
その無縁は、いかほどのものでしょう
詐欺罪にも死刑を適用しようじゃありませんか

親子三大つづく、街の駄菓子屋さん
長きに渡って地域の子供たちを喜ばせてきました
相次ぐ万引き被害に遭い
経営がなりたたなくなりお店を閉めることになりました

初代は元々身体が高齢で弱っていましたが、ショックでお亡くなりに
2代目も心労から長期の入院に
三代目は家族を2代目にかかる費用のため
美大に進学が決まっていた娘の学費が払えません
娘には夢を諦めてもらいましたが、それが原因で家出しました

奥さんは介護疲れと、度重なる借金で家をでていきました
三代目はもう自暴自棄で、郵便局についふらっと包丁を持って
強盗に入りました

長男が
万引きさえなければみんな幸せだったのに!
と泣け叫びます
では組織的な万引きをしていた常習グループにも
死刑判決だしますか!

なんで万引きくらいで死刑にならなきゃいけないの?
万引き犯の親の一人は、司法のおかしさを世間に訴えます
長男へ一生消えない憎しみを抱くことになりました
逆恨みの仕返しの危険もありますが
悪いのは加害者、遺族が死刑を強く望んだので仕方ありません

ところで郵便局強盗に入ったこの三代目
もみあいになり、女性局員の顔を切りつけてしまい
大きな傷をつけてしまいました
この女性局員は、婚約中でしたが、顔に大きな傷が残ったことにより
婚約破棄、それをはかなんで自殺してしまいました
残された遺族は母親一人
幼いことから母一人、子一人の母子家庭です
なみなみならぬ苦労で、ようやく娘の結婚まできました
幸せの絶頂から地獄へつき落とされました
三代目を死刑にしなければ娘が報われない!
じゃ~死刑にしちゃいましょう


明らかにおかしいですよね
死刑の基準は、司法が設けるべきですが
本当に遺族の感情を汲んだ基準を設けることは
神様にしかできないと思います



遺族感情で、罪を裁くのは不可能なのです


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罪を犯す条件を取り除かない限り
犯罪や再犯はなくなりません
その一環として、更生教育が必要なのです

罰したところで、何になるでしょう?
もちろん、経済犯罪などでは
被害に応じて、弁償させることも必要かと思いますが
そういう個別、特殊な事例を、一般化させて全てにて適用して良いわけではありません
その理屈については、リンク先などで書いた通りです


「自分の家族が犯罪の被害に遭ったら」
そういうお気持ちは、よく分かります

私は自分が遭った犯罪については
報復することを堪えましたが
自分の家族がそういう目に遭えば、加害者を殺すかも知れません
実際に犯罪被害者やその遺族が、自ら報復したという話もあまり聞かないので
実際に出来るかどうかは分かりませんけど

人間は情緒的な生き物ですから
理屈を越えて、情動に突き動かされることもあると思うのです
ただ、そういう個人的な感情で、社会の仕組みを作って良いかというと
それでは整合性が取れずに社会が成りたたなくなってしまいます

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参照
【転記】死刑では何も解決しない